特定行政書士 徳能ブログNEO

特定行政書士とくさんのちょっと得するかもしれないお話  
シーズン2

民法で1問(49)

2010年10月02日 00時57分00秒 | 民法過去問

   不法行為に関する判例問題から。

 司法書士試験の過去問ですが,論点的には宅建,マン管,管業試験のいずれにも応用可能いう感じ。

 特に選択肢のエは,過去にマン管でも出題されたことがある判例で,要注意。

                 「問題」

 加害者が二人の不法行為に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

 ア 共同不法行為により損害を被った被害者が共同不法行為者の一人に対して損害賠償債務を免除した場合には、その者の負担部分の限度で、他の共同不法行為者も、被害者に対して免除の効力を主張することができる。

 イ 交通事故によって傷害を負った患者が搬入された病院において適切な治療が行われなかったことにより死亡した場合において、遺族から死亡の結果により生じた損害の賠償を求められた医師は、交通事故の発生について患者に過失があったときは、過失相殺による賠償額の減額を主張することができる。

 ウ 二人の使用者との間に使用関係がある加害者が、両使用者の事業の執行について第三者に損害を加えた場合には、使用者責任に基づいて損害の賠償をした一方の使用者は、加害者に対して求償することはできるが、他方の使用者に対して求償することはできない。

 エ 責任を弁識する能力のない未成年者の行為によって火災が発生した場合において、未成年者自身に重大な過失と評価することができる事情があったとしても、その監督について重大な過失がなかったときは、監督者は、火災により生じた損害を賠償する責任を負わない。

 オ 土地の工作物の設置又は保存の瑕疵によって損害が生じた場合において、その占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたときは、その所有者は、その工作物を瑕疵がないものと信じて過失なくこれを買い受けていたとしても、損害を賠償する責任を負う。

 (参考)

  失火ノ責任二関スル法律

   民法第709条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス

        1 アウ 2 アオ 3 イウ 4 イエ 5 エオ

          (平成16年度 司法書士試験 第20問)

 


正解が2つある問題への対応(2)

2010年10月02日 00時00分00秒 | 本試験での注意

 7月にも同じような記事を書きましたが,宅建の本試験が2週間後に迫ってきたのでここでもう1度確認です。

 17日の本試験では,

 『正解は、各問題とも一つだけです。』

 と,問題用紙の表紙にはっきりと書いてあるにもかかわらず,正解が2つある,あるいは1つもないというような出題ミスや,いわゆる「疑義問題」(どちらも正解のようであり,あるいは正解がないようでもあり・・・)が当たり前のように出題されることがあります。

 去年の宅建試験でも疑義問題と思われるような問題は何問かありました。

 また,今年は,7月の司法書士試験8月の社労士試験と,こういう問題が連続して起きています。

 必ず出るかどうかは分かりませんが,択一のみの,しかも2時間という試験時間の短い宅建試験では,こういう問題への適切な対応が,非常に重要かつ,合否を分ける決定的な分岐点となる可能性を占めています。

 結果的に全員正解となるような措置が取られたとしても,必要以上に時間を取られた上,他のやさしめの問題がさばききれず失点,その結果基準点まで到達できず,ということになりかねませんので,一読して解釈しきれない,出題の趣旨が良く分からないような問題が出たら(特に宅建業法に多いかもしれません),とりあえずとばして,残り時間と相談した上で,もう1回挑んでみることですね。

 決して深入りせず,『この問題は,おそらく他の受験者も理解に苦しんでいるに違いない』とクールに判断して,素直で明快な問題から確実に正解を積み上げていくようにしましょう。

 この手の問題に4分,5分と長い時間をかけてしまった挙句,本来なら正解できる問題を何問か残したまま試験終了,という最悪の結末だけはなんとしても避けなければなりません。

 このあたりは,事前のトレーニングの問題ですので,いまから本試験日の17日を見越して,しっかりとやっておきたいものです。