今年の宅建本試験直後に「宅建と貸金試験の力関係は逆転するか?」という内容の記事をここで書いたのですが,今回の貸金の試験問題を見て,来年以降は特に,そこで書いた記事がかなり現実味を帯びてくるような気がしますね。
合格率を考慮せず,単純に問題レベルだけで考えるならば,ほぼ互角,年によっては難易度入れかわりを繰り返し,互いに競い合い続けるような関係になりそう・・
となると,次に考えなければならないのは,再来週12月5日に行われる予定の管理業務主任者試験と貸金試験との微妙な関係。
もともとこのブログでは,対貸金試験,特に貸金民法対策として,管理業務主任者試験の過去問を推奨してきました。
これは結果的に見て,決して間違ってはいなかったと思います。
今年の貸金民法の問題数は全部で10問。
ほとんどが管業試験と論点のかぶったものばかりで,ある意味,管理業務主任者試験の過去問対策で,9割以上対応可能なものばかりだったといえます(実際に正解できたかどうかは別ですが・・)。
そんな管業民法と貸金民法との比較という観点から,特に注目してみたいのが今年の貸金試験の問題38と平成14年の管理業務主任者試験の問4。
どちらも「債務不履行」を扱った問題なのですが,実は平成14年の管業試験の問4は,貸金試験の2日前,11月19日にこのブログの「民法で1問」の77で取り上げた問題でした。
あくまで対管業試験というスタンスだったんですが,まさか2日後の貸金本試験で問題数10問の中の1問として出てくるとはちょっと予想外・・
見比べていただければ一目瞭然。
明らかに今年の貸金試験の問題38の方が難易度高め。
今年の貸金民法は,少なくとも,平成14年(第2回)の管業試験の問題レベルを完全に凌駕してしまったことになります。
こうなってくると,再来週の管業試験では逆に,今年の貸金民法の問題が本試験に向けての,十分歯ごたえのある予想問題として機能してくる可能性も,少なからずでてきたといえます。
今年の管業試験を受験される予定の方へ。
貸金の本試験問題の中の,問題28,29,30,31,32,33,34,36,37,38の10問(問題30はちょっとずれるかもしれませんが)の中に,12月5日の本試験問題への思わぬヒントが隠されている可能性もありそうです。
本試験問題は日本貸金業協会のホームぺージで閲覧可能。
この「無料の予想問題」に乗らない手はないですね。
12月5日まで,あと11日。
最後の追い込み期に入られていると思われますが,決して油断されることのないように・・・
あくまで,合格率べース(20%)の競争試験であるということをよく認識されたうえで,本試験に臨まれることが大事ですね。
過去の記事に書いたとおり,宅建も含めて三つ巴のバトルの勃発となるかどうか,今年の管業試験の難易度に注目してみたいと思います。