以前,司法書士試験と宅建試験の「民法」の比較というものを書いたことがありますが,今回は司法書士試験と行政書士試験の「会社法」比較のお話。
司法書士試験では午前の部で「商法・会社法」として8問又は9問(昨年度は9問)。
行政書士試験では法令の分野で5問。
どちらも5択の問題として出題されます。
出題範囲は,商法(総則・商行為)を含むものになっていますが,実際の試験では商法からの出題は,どちらの試験でも1問あるかないかという感じ。
ここ数年は明らかに「会社法」が出題の主流になってきています。
問題はその難易度の違い。
司法書士試験が,ほぼ全問「組合せ形式」の問題であるのに対して(年によっては正誤問題が1問出題される事もあります),行政書士試験では「組合せ」と「正誤問題」が半々ぐらいの割合。
問題の形式的には,司法書士試験の方が若干,正解にたどり着きやすいような感じもしますが,その分1問あたりの奥の深さと問題数の多さで手ごわさのようなものもあり,本試験での感触としては,かなりいい勝負のような感じがしてしまいます。
どちらの試験が骨っぽいか,また,どのくらい(難易度が)似ているのかなどは,下の問題を比較したうえでご判断ください。
「問題」
株式会社における剰余金の配当に関する次のア~オの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
ア 剰余金の配当により株主に交付される金銭等の帳簿価額の総額は、剰余金の配当が効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。
イ 剰余金の配当においては、株主総会の決議により、当該会社の株式、新株予約権または社債を配当財産とすることができる。
ウ 取締役会設置会社は、1事業年度の途中において1回に限り,取締役会決議により剰余金の配当(中間配当)をすることができる旨を定款で定めることができる。
エ 純資産の額が300万円を下回る場合には、剰余金の配当をすることができない。
オ 会社が自己株式を有する場合には、株主とともに当該会社も剰余金の配当を受けることができるが、配当財産の額は利益準備金に計上しなければならない。
1 ア・ウ
2 ア・エ
3 イ・エ
4 イ・オ
5 ウ・オ
(平成20年度 行政書士試験 問題38)
「問題」
会社の計算に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
ア 株式会社が利益剰余金の額を減少して利益準備金の額を増加するには、当該株式会社が取締役会設置会社であっても、株主総会の決議を要する。
イ 株式会社が募集新株予約権の発行手続により新株予約権を発行した場合には、資本金の額は増加しない。
ウ 株式会社が自己の株式を取得した場合においては、それによって資本金の額が減少するときがある。
エ 会計監査人を設置していない株式会社であっても、定款で定めることにより、取締役会の決議によって剰余金の配当をすることができる場合がある。
オ 合名会社においては、必ずしも貸借対照表を作成する必要はない。
1 アイ 2 アエ 3 イウ 4 ウオ 5 エオ
(平成19年度 司法書士試験 第32問)
なお,3月より司法書士,行政書士試験対策として「会社法で1問」始めて行きたいと思います。
会社法は平成18年施行の,まだ歴史の浅い法律ですが,試験の出題傾向は徐々に定まってきていますので,どちらの試験においても過去問分析だけで,だいたい8割ぐらいの得点が可能であると思われます。
ストックは少ないですが,確実にこなしていくことが重要になりそうです。

