(財)行政書士試験研究センターが,「7月の第2週に本年度の試験案内を公示する」というお知らせを出してきましたので,早ければ来週中に,遅くとも再来週には正式な日程が発表になると思われますが,前にも書いたとおり,今年の行政書士試験の出願者,受験者数は大幅に増加する可能性がありそうです。
その主な根拠は2つ。
1つは,昨年度の試験が,ここ数年(特に平成18年からの新制度のもとで行われた試験)の中では,かなり難易度が低めであったということ。
行政書士試験の難易度というのは,他の国家試験とは違って,試験終了直後には判定できません。
もちろん個人的な感想などは出せますが,最終的な難易度の判別は,翌年の合格発表で総合6割を超えた受験者の方がどれくらいいたのか,を待ってでてくるもの・・・
それが昨年は9・05%というかなり高い数字になって現れました。
一般的に前年度の試験の難易度が低めであった場合には,翌年の試験での出願者数が増加するというのが試験の世界でのならわし。
このことからも今年は必然的に昨年度の83,819人を上回りそうですね。
これに加えてだめ押しとなりそうなのが2つ目の要因でして,それが年頭に放送された「特上カバチ」のパワー。
この作品は9年前の「カバチタレ」の第2弾的なスタンスでしたが,前作の「カバチタレ」が放送された平成13年度試験の出願者数は71,366人。
その前年の平成12年度が51,919人でしたので,わずか1年間で約2万人も出願者数が増加。
テレビドラマの影響力の強さを,まざまざとみせつけられたような気がしました。
こういう背景をもとに単純に考えると,今年の出願者数は9万人を超えるかどうか,というところ?・・
ちなみに行政書士試験史上最高の出願者数になったのは,平成15年の96,042人でしたが,この年の合格率は2・89%で歴代ワースト2位。
基本的に出願者数,受験者数が多くなりそうな年ほど,試験問題の難易度が高め設定になりやすいというところが,行政書士試験のもつ嫌らしさ・・・
とはいうものの,行政書士試験には合格者の定員がないという,他の国家試験にはないメリットも最大限考えなければなりません。
今年受験される予定の方がいまやらなければならないことは,「去年の試験は難易度が低めでよかった,去年の合格者がうらやましい」,という羨望ではなく,「どうすれば総合180点以上取ることができるのか」という戦略です。
全300点満点中180点以上取る(一般知識は24点以上)。
残りの4ヵ月半は,この180点という数字を強く意識した生活をするように。
「行政書士試験は余計な事をやったら必ず負けてしまいます」。
とにかく180点という数字を取って合格するんだということだけ考えていくように(このように具体的に得点目標を定めてしまうと,たいていそれ以上の得点が取れるようになります)。
7月から少しずつ意識を高めていくようにしましょう。