和光樹林公園もすっかり装いが変わり、木立の中のチップが敷き詰められた道以外には一面草に覆われていました。
草むした5月の樹林公園 冬木立の樹林公園
出会った1頭の黒ラブが草むらにしきりに鼻っ面を突っ込んでいるので、何だろうと思って見ていると、私の視線に気づいた飼い主さんが「野イチゴを食べているんです。大好きみたいで」と言う。草の合間に赤い愛らしい実があちこちに散らばっています。
ひと口に野イチゴと言っても種類はかなりあり、「野イチゴ」と言うとメルヘンチックだけれども、多分ここに実っているのは「ヘビイチゴ」だと思うな。ヘビイチゴには毒はないけれど、美味しくないので食用にはならない種類です。
何でもヘビイチゴの名の由来は、魚でいう「ネコマタギ」と一緒で、「美味しくないのでヘビにでも食べさせればいい」ということで付けられたらしい。
もっとも「ネコマタギ」は特定の魚を指すというより、ネコもまたぐくらいまずい魚を指すんですね。「ネコにでもくれておけ」と言っても、ネコもまたいじゃうんだから始末に悪い。ヘビも食べないほどまずいイチゴなのかもしれないけど、ヘビはまたぎようがないので「ヘビマタギ」にはならないんだなと、くだらないことを考えながら樹林公園を歩いたのでした。
名の由来の別の説には「ヘビが潜んでいそうな所に生えているから」とか「蔓の形がヘビを連想させるから」といったものがあるそうです。確かに木立の中の草むした地面はいかにもヘビがいそうな感じ。
そういえば先日、城山公園の横木を敷いて造られている階段で、一歩先にするするっと動くものがありました。
眼をこらしても、ここにはヘビは
写っていません
よく見ると1メートルくらいのヘビ。「うわっ! みんな、ヘビよ! 止まって!」と思わず叫んでしまいました。このときの「みんな」というのは、うちの3頭の犬たちのことですね。私の声に通りかかったウォーキング中のおじさんが冷めた感じで「シマヘビじゃないかね」と言ってました。犬たちに「みんな!」と呼びかけたのを聞かれて、ちょっと恥ずかしかった。
ちなみに『ウィキペディア』によると、シマヘビは「本種は木に登ることがほとんどなく、地表を這い回るため、交通事故にも遭いやすく、また、生息域が道路や塀などで分断されてしまうとそれを超えることができなくなり、現在では都市の周辺では見かけなくなってきている」とあった。
でも、城山公園にいたシマヘビ(?)は「みんな」に恐れをなしたのか、頑張って木に登っていきました。そう言われば、かなり不器用そうに…。
で、イチゴに話を戻すと、一般に食べられるイチゴは白やピンクの花を咲かせるそうです。美味しくないというヘビイチゴの花は黄色いということですが、開花時には気が付きませんでした。
河川敷の土手で見かけるイチゴは、もっと果実の表面がプチプチしていて艶がありました。もいで犬たちにやったら食べていたので美味しいのかも。でもうちの犬たちだってヘビイチゴも食べるのだから、犬の味覚は当てにならないか…。