小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

「ネコマタギ」と呼ばれる魚

2009-05-18 | 食・酒
 ブラジルに赴任中のモラさんから、「那珂川ではニゴイを『ネコマタギ』と呼んで食べなかった」というコメントを頂きました。

 そうそう、ニゴイもいかにも美味しくなさそうな顔をしています。私もドボンでハヤやウグイを狙っているのに、たびたびニゴイを釣リ上げてしまい、食べずにリリースしていました。だって、鼻っ面が長くて口が下に付いていて、なんか間抜けな顔なんだよね。しかも、ぬぼーっと釣り上げられるの。憎めない顔なんだけど、やっぱりあまり美味しくなさそう…。水質の汚れにも強い魚なので、余計に食べる気にならなかったのです。

 ところが、北上川をツーリングしているときに、仲間が特大のニゴイをルアーで釣り上げたことがありました。シーバスのように立派で、今まで食べずに「ネコマタギ」などと言っていたが、果たして本当にまずいのか、ということで、さばいて食べることにしたのです。

 まず生で少し身を食べて、川魚は虫が怖いので、あとはホイル焼きにしたんだっけかな。調理法は正確には覚えていません。
 それが、とびきり「旨い!」というわけじゃなかったけど、けっしてまずくもなかったのです。あの顔に騙されていたのかも。

 だいたい那珂川河畔の店では、鮎の塩焼きに混じってニゴイの塩焼きが並んでいたことがあり、「ひ、ひどい!」と思ったものです。だってニゴイを知らない人は、鮎の塩焼きかと思って買っちゃうかもしれないでしょ。知らなけりゃ案外「旨いねえ」などと言って食べるかもしれないけど。

 ニゴイはコイに似ているから「ニゴイ」なのだそうですが、海の魚で「ニギス」というやつを先日フライで食べました。こちらもキスに似ているから「ニギス」です。

 愛媛県八幡浜漁港に取材に行ったときのこと。いわゆる雑魚と呼ばれ、普通なら流通に乗らない魚も廃棄することなく、活かそうという試みを進めている網元の直営店で「ニギス」を見つけました。かなり漁獲されるらしい。

 なので、食べ方を教えたり、消費者が手に取りやすいように加工して販売しているそうです。私もフライの衣をつけて冷凍されたニギスを買って帰りました。
 味はキスよりさらに淡泊で、印象に残る味ではないけれど、ゆずコショウを少量の醤油で溶き、それをマヨネーズで和えたソースに付けて食べたら、とても美味しかった。普通のソースだとソースの味が勝ってしまい、ニギスじゃなくてもよくなってしまいます。

 ボラだって「ネコマタギ」と呼ばれるけれど、水質のきれいな場所で育ったボラはかなり美味しい。屋久島で食べた寒ボラの刺身は最高に美味でした。
 そう考えると、意外と美味しい「ネコマタギ」もかなりあるわけです。多分、規格外の雑魚や地魚だったり、売っても儲けにならない魚が、そんなふうに呼ばれたのかもしれません。

 網元の方が言うに、どうしても食用に向かないものは肥料用に加工するなど、有効利用しているそうです。やはり釣り上げた以上、食べられるものはきっちり食べてあげたいものです。
コメント
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