tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経営と経済

2007年10月10日 20時57分51秒 | 経営
経営と経済
 多くの大学には経済学部と経営学部があります。商学部というのもありますが、商業だけをやっているのかというとそうではなくて、製造業やサービス業、その中での人事管理までやっていますから中身は経営全般ということでしょう。

 印象的に言えば、経済学は重々しい学問で、経営学は実務を中心にした現実的な学問といった感じでしょうか。経済学の先生と経営学の先生は、専門分野が違うとということになっています。

 確かに、経済は、生産から流通、そして消費、税金や社会保険料のいわゆる国民負担、さらには社会保障などの福祉の問題まで含む広い分野を取り扱うのに対し、経営学は、企業経営、つまり経済活動の中の生産部門を担う企業の経営問題が中心ということで、確かに違いはありましょう。

 しかし経済学で最も重要な概念であるGDP(国内総生産)を担っているのは企業で、しかも企業は、企業レベルのGDPにあたる付加価値の生産と分配(賃金にどれだけ払い、利益をどれだけ計上するか)についても直接に担当し関与しているのが現実です。もちろん経営の中では中央・地方政府に納める税金や保険料の負担も考えなければなりませんし、賃金と社会保障の関係、支払った賃金で、消費者の購買力がどう変わりそれが今後の売り上げのどう影響してくるかも考えなければなりません。

 経営はミクロといわれ、経済はマクロといわれますが、ミクロの積み上げがマクロだということは現実です。ミクロの思惑とマクロ経済の目標がねじれ現象を起こし「合成の誤謬」などといわれたりしますが、これも、マクロとミクロを別物の学問にしてしまったことと関係あるのかもしれません。

 学問の分野は伝統的に縄張りがあるようで、それを乗り越えようと「インターディシプリナりー」などいうことが大仰にいわれますが、もともと現実は総て「インターディシプリナリー」なのです。

 日本中の経営の総合計としての日本経済ということであるならば、経営、経済などと区別せず、大学でも現場でも、みんなが一体で考えるようにすれば、学問のほうも、現実の経済や経営のほうも、より適切な視点やより良い考え方や政策や指針が出てくるのではないでしょうか。
 

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