tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

EUとイギリス:問われるヨーロッパの知恵

2016年06月29日 12時13分08秒 | 国際関係
EUとイギリス:問われるヨーロッパの知恵
 イギリスの国民投票の結果はヨーロッパ社会に新しい問題を提起したようです。
 報道によれば、イギリスの内部では、国民投票の結果に反省の意見も多いようで、「まさかこんなことになるとは」と戸惑いの声も聞かれるようです。

 しかし国民の意思決定として最も基本的な手段である「国民投票」の結果です。それに整然と守らなければならないでしょう。
 ならば、国民投票をやり直せといった意見もあるようですが。これはイギリス国民が改めて意思決定する問題です。

 投票直前までの国際マーケットの動きを見ても、より多くの判断は「残留」だったのでしょう、マネーマーケットも安定の方向に動いていました。世界の政治、経済・金融関係者の多くも「残留」と読んでいたと思われます。

 「読んでいた」だけではなく、残留してほしいという気持ちが、地球市民の多数の意見だったように感じるところです。
 夫婦の間でも、何らかの「はずみ」で離婚、などという事もないわけではないでしょうが、そんな感じさえする今回の出来事です

 しかし結果は「離脱」と出てしまったのですから、これからどうするかはイギリスがどう行動し、EUが如何なる態度をとるかで、国際関係も国際経済の動きも決まってくることになります。

 現状ではイギリスは新政権の発足は9月になるので、それまで猶予を欲しいといっているようで、一方EUサイドは早急に手続きを取ってほしいといっているようです。

 EUにとっても初めてのことです。手続き完了には長い時間がかかると予想されています。予期しない問題が起きることもあるでしょう。
 しかし、ヨーロッパとして世界史の中で良き潮流を創ろうと発足し、成長発展してきたEUです。僅差で離脱となった英国も、そしてEU自身は勿論、これまでの基本的精神に則った賢明な対応が求められるのでしょう。

 繰り返しますが、戦後70余年、ヨーロッパの平和への希求を掲げ、平和を基軸に経済・社会の安定と発展を求めてきたヨーロッパが今回の予期せざる難関をいかに乗り越えていくか、その知恵が問われているというべきでしょう。

 日本としては、真摯に先行きを見守ることしかできないのかもしれませんが、もし何か役に立つようなことがあれば、建設的な解決のために協力を惜しまない姿勢であって欲しいと思うところです。

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