tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

重荷を背負うGPIF:半分真面目な笑い話

2014年11月11日 07時27分34秒 | 経済
重荷を背負うGPIF:半分真面目な笑い話
 いよいよ厚労省はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポーフォリオ見直しの具体化に作業チームを作って着手し、年内に作業を終えて、来年の通常国会に法案を提出することになるようです。

 GPIFは130兆円という巨大な「機関投資家」ですから、例えば、1兆円売買しただけでも市場の大きな影響があるなどと囃す向きも多いようです。
 既にGPIFが日本株の運用比率を倍に引き上げるという方針が出ただけで株価は大幅に上がっています。

 もちろん誰も予想しなかった2日で1200円の日経平均の暴騰は、日銀の金融緩和とGPIFのポートフォリオ変更の「ダブルバズーカ」のせいで、金融緩和の方が大きかったのでしょうが、GPIFもバズーカ砲には違いないようです。

 「方針を変えると言っただけでこんなに影響があるのだから、本当に買いに回ったら、大変なことになる」などと言ったら、多分投機のプロは呵々大笑でしょう。株式市場は何か良い情報があれば、常に早期に織り込んで上昇し、それが実現した時は「織り込み済み」と言ってあまり動かないのが現実のようです。

 日本経済はこれからも、海外でトンデモナイことが起こらない限り slow but steady の成長を続けるでしょう。株価も底堅く、2008年「いざなぎ越えのピーク」、リーマンショック前の日経平均18,000円台クリアも十分ありうるでしょう。
 実際にGPIFが買い出動するのはその頃になるのでしょうか。このままいけば今度の景気上昇は「安定長期」の可能性が高いですから、これからもGPIFの話が出るたびに株価は上がるでしょう。

 しかしどうでしょうか、アメリカの金融緩和終了で、今は(慣性の法則で)上昇しているアメリカの景気も、さて利上げとなれば、元気を失う可能性もあります。
 最近サブプライムローンが自動車金融で復活している(前回は住宅)という報道もあり、相変わらずの経常赤字も含めてアメリカ経済は「危うさ」は常に内包しています。

 イスラム国問題も含め、国際情勢はますます問題含み、世界経済は決して健全ではありません。
 そうした問題の何かが現実化すれば、膨れた株価は収縮に転じる可能性も小さくありません。今の株価は世界中で同期するようです

 来年になって、GPIFの本格的な買い出動の時期まで株価が上昇していたけれど、後から「残念ながらあの時がピークだった」なんていうことになったら、安倍政権はどう釈明するのでしょうか。 杞憂であれば結構ですが。


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