tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

デジタル庁の仕事は何でしょう?

2023年07月27日 15時43分33秒 | 政治
デジタル庁が出来た時、日本の行政組織もいよいよデジタル網でカバーされ、行政組織の簡素化、情報や行政活動の迅速化、効率化が行われるのだろうと思って、このブログでも何度も応援して来ました。

ところがその後の展開を見ていますと、任意とされているマイナンバーカードの普及を目指すキャンペーン、カードを作ったら健康保険証をカードに登録しましょうというキャンペーン、それぞれポイント付与という飴玉つきです。

それでも普及が遅々だからでしょうか、紙の健康保険証は、来年秋で失効という脅し、マイナカードの作成は任意という制度との矛盾に対応するための小細工、なんだかデジタルのスマートに効率化を実現というイメージとは違ってきていました。

ところで今度は国からの給付金、還付金などを受け取る金融機関をマイナカード紐つけするという事で、これも自分のスマホでやればできるのですが、結構面倒で、上手く出来なくて市役所などに行く人が多いのでしょう。

ところが、お役所の担当者のミスで、他人の口座に紐つけるという事が少数ですが起きたようで、マスコミではこれが大問題になっています。

勿論政府と国民お金のやり取りですから間違いがあってはならない事でしょう。しかし日本中のお役所の、それぞれの担当者が一件々々処理しているのです、すべて間違いがないなどという事はあり得ません。人間は誤りを犯す動物です。

結果は岸田首相が総点検をやれと命じることになります。
マイナカードには、健康保険や銀行口座の外にも年金や児童手当など20項目を超える情報が入っていてそれを国と地方が分担して総点検だそうです。

これがまた役所の人間が一件々々確認するという事になると、膨大な時間とコストがかかることになります。
こういう手作業をなくしてデジタル機器にやらせるためのデジタル庁、デジタル化だと思うのですが、デジタル庁が出来てもう何年にもなりますが、そういうシステムが出来ていないという事なのでしょう。

本来なら、デジタル庁が、普及キャンペーンばかりやるのではなく、全国民をカバーする行政のデジタルシステムを設計し、国の持つ国民の個人情報、地方自治体の持つ住民の個人情報を総合統括して、行政システムのトータルな情報ネットワークを設計して構築し、その運用をして行くというのが行政のデジタル化でしょう。

国民の一人一人がポイントという飴玉をもらって、自分のマイナカードに登録する情報は、総て政府、地方自治体、その関係機関のどこかに記録、登録されている情報なのです。すべての情報はすでに政府が持っているからこそ、行政サービスが出来ているのです。

その意味では、マイナカードを正確に作れるのは政府なのです。をれを政府がやらずに、1億2千万人の国民一人々々にやらせようとすれば、出来る事には限度があり、一定割合の間違い/ミスは確実に発生するでしょう

そして必要になる総点検、その膨大な無駄な時間とコストが発生という事になるのです。なぜこんな事になったのでしょうか。

原因を考えれば、残念ながら、多分、日本政府のシステム設計構想力の欠如、システム設計能力の不足、担当省庁さえ作ればという安易な姿勢、などにあるのではないでしょうか。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。