tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

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経済成長を取り戻す方法 その9 負の循環を引き起こしたもの

2010年05月11日 11時51分06秒 | 経済
経済成長を取り戻す方法 その9 負の循環を引き起こしたもの
 かつて、「為替レートとゴルフのハンディ」というタイトル で書きましたが、その例えを引いて、このところの日本経済が「何故、さえない状況を続けているのか」を考えて見ましょう。

 プラザ合意の前の日本経済は、為替レートの実力は、$1=¥200ぐらいだったのでしょう。実際のレートは240円、丁度、練習で実力を上げ、実力ハンディ20のゴルファーが登録ハンディ24でプレーしているようなもので、入賞、優勝も当たり前といった状態でした。

 あまり勝つので、プラザ合意で「お前のハンディは以後12」と決められてしまいそれから10年以上(失われた10年)全く勝てないようになりました。
 それでもトレーニングを積んで、2000年から2002年ごろには何とか実力ハンディ14~13ぐらいになり、そろそろ入賞も夢ではないところまで来ました。

 こうして、日本経済も部分的には多少の上向き状態になり、「調子のいい時には上位に顔を出す」という、だらだら景気上昇の「いざなぎ越え」の時期を迎えました。
 競争力の強い企業は良いが、多くの一般企業ではまだ不況感、とても景気回復とはいえないといった程度の経済状態でした。

 それでも、リーマンショック前には、何とかハンディ12($1=¥120)でもやれそうな実力に到達するかなという事になっとき、サブプライム問題、リーマンショックで、今度はハンディ9($1=¥90)でやれよという事になったわけです。
 水面に顔を出せるかと思ったら、また水中に引き戻されるといった感じです。

 さらに、今回のギリシャ問題で、$1=¥80台の可能性がチラッと見えました。国際金融市場は、なかなか日本を水面に出してくれません。日本経済はだんだん弱ってきています。

 何故こんな事になるのでしょうか。理由は、日本経済が逆境の中でも常に頑張り「必ず何とかする、日本は当分PIIGSにはならない」という海外の認識があるからでしょう。頑張りが仇となって逆境(円高)を強いられる状態です。

 日本国民がその貯蓄で国債を買い続ける限り円にデフォルトの危険はなく、何かあると国際投機資本は円に逃避する、円高になる、という図式ではないでしょうか。 郵貯の預け入れ限度がつが2000万円になり、郵貯の豊富な資金が国債を買えば、それを助長しそうです。

 これでは日本経済は永遠に水面下です。ここから如何にして脱出するかを考えるのが今必要な経済政策でしょう。


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