tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

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最近の消費者物価の状況を見る

2018年10月19日 22時49分10秒 | 経済
最近の消費者物価の状況を見る
 今日2018年9月分の消費者物価指数が発表になりました。
 マスコミでは前年同月比で丁度1%の上昇、上昇は1年9か月連続、1%上昇は今年の2月以来といった説明です。

 政府・日銀はまだ2%上昇目標などと言っているようですが、消費者物価のあがらないのは世界的な現象で、そのなかでも物価上昇を嫌う日本ではなかなか上がりません。
 借金漬けの政府だけ物価上昇を願っているのでしょうか。

 総務省の発表資料の中に最近の傾向を示す面白い図表がありましたので、今回はそれを載せてみました。スキャンでなくて写真でやったのでちょっと見にくくてもうわけありません。
  最近の消費者物価の動き (総務省統計局)


 いつもこのブログでは取り上げていますが、消費者物価の系列には主要なものが3つあります。上の図で見ますと、
図1 総合指数、
図2 生鮮食品を除く総合指数、
図3 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数
の3つです。

 「総合指数」は全てを含みますが、「生鮮食品を除く総合」は天候要因などで変動の大きい生鮮食品を除いています。これは正常なな動きをかく乱するからという事でしょう。
生鮮食品とエネルギーを除く総合」は石油などの海外から買うものの影響も覗くという事です。国際価格が上がったので、ガソリンスタンドで値上げが相次ぐといった事は、日本に原因があるのではなく、世界中で値上がりする結果の輸入インフレですので、これも除いて考えようという事です。

 お天気次第の生鮮食品と、海外に原因のあるエネルギー価格を除くと、所謂「コアコア」(core core)と言われる、消費者物価の核心部分、つまり日本の経済自体がインフレ傾向にあるのかどうかを示す指数という事になります。

 ところで上の3つの図を見ますと、何か、今年に入って消費者物価の上昇が目立ちます。特に図1の総合指数の値上がりが大きいのが解りますが、図2、図3を見ますと、どうもその理由は、天候不順で、台風などもひどく、生鮮食料品の値段が大きく上がったことによる部分が大きいこと、さらに、最近ガソリンの値段が上がっていますが、原油価格など海外資源の値上がりの影響が特に大きいことが解ります。

 図3が、日本自体がインフレ体質になっているかを示すと考えて良いのではないかと思いますが、具体的に数字で見ますと。「総合」の対前年同月比は1.2%の上昇、「生鮮食品を除く総合」は1.0%の上昇、図3、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は0.4%の上昇で、一番落ち着いています。

 政府・日銀が目指す2%のインフレというのは(はっきり言いませんが)図3の上昇率が2%を目指すと考えられますので、これは達成無理と言われているのが実態です。

 消費者にとってはこれは大変有難い事で、賃金もなかなか上がらない、年金も増えない貯金してもゼロ金利なのに、物価だけ2%も上がったのではたまりません。
 天候不順は毎年酷くなりそうで心配ですが、原油価格などは落ち着いてくれて、「総合指数」も、もっと桃と下がってくれることを願いたいものです。

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