tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

消費性向低下:どんな要因が考えられるか

2017年01月28日 10時42分20秒 | 経済
消費性向低下:どんな要因が考えられるか
 前回、消費性向の低下に関して、現状では日本国民の多くが「当面、金は使わないで貯金した方がよさそうだ」と考えてしまうような状況になっていると書きました。

 何故そう考えるのか、トヨタ生産方式ではありませんが「なぜ」を5回繰り返してみましょう。年代や職業によって違うと思いますが、サラリーマン家庭を前提に一般的に考えてみます。

 私の世代は、私の厚生年金と家内の国民年金で、戦後の事を考えれば何とか暮らしていけるでしょう。しかし子供の代はそうもいかないと思われています。息子や娘たちの家庭では、何はともあれ、倹約して貯金して老後に備えようとか、ボーナスは手を付けずに貯金して子供の教育費とか言っています。

 今日たまたま見たブログでも、「夫が節約しようというので一汁一菜を原則にしようと献立を考えています、節約の理由はこの次に書きます」などというのがありました。
 何か世の中、節約ムードに溢れています。
 という訳で、最初の「なぜ」ですが、なぜ節約? なぜ貯金?です。答えは「先が読めない、何が起こるかわからない、備えあれば憂いなし」、結局「将来不安」でしょう。
 これは比較的簡単に答えが出ると思います。

 次の「なぜ」は、「なぜ将来が不安か」でしょう。これはかなり難しいことになりますが。勤労者所帯を例にとれば、
・「昔と違って「経済・経営不安定、定年まで安定して勤められるか心配」
・「賃金が先行き上がらないと思われるので貯金が大事」
・「永く勤められても、厚生年金だけでは老後は不足らしい」
・「退職金は確定拠出年金になり受け取り額不明」
・「老後はますます長くなり巨額の準備が必要と言われる」などでしょうか。

これらに対して、
・「なぜサラリーマンの雇用が昔ほど安定していないのか」
・「なぜ賃金が上がらないのか」
・「なぜ厚生年金では足りないと考えるのか」
・「なぜ退職金が一時金から年金になり、さらに確定拠出年金になるのか」
・「なぜ老後がますます長くなるのか」
などの「何故」が続きます。

 これらにそれぞれ、
・「大企業でも潰れる、企業が簡単に人減らしする、正規社員になれない」
・「企業が成長しない、企業も先行き不安で貯蓄(内部留保)指向」
・「高齢化で支える人が減る、積立金に金利が付かない、GPIFの運用が下手」
・「退職金コストが高い、年金化は資金繰りのため、確定拠出はリスク負担が困難だから」
・「平均余命が長くなる、勤務延長が追い付いていないから、そんなに働けない」
などの理由があるのでしょう。

 次の「なぜ」はまた複雑になります。
・「なぜ企業の寿命が短くなった、なぜ解雇が容易になった、なぜ非正規が増えた」
・「なぜ企業が成長しない、なぜ企業はリスクを取る積極性がないのか」
・「何故高齢化、なぜゼロ金利、なぜ株運用か、なぜ運用が下手か」
・「退職金コストはなぜ高くなった、資金繰り困難の理由、なぜリスクを背負わない」
・「なぜ長寿命になる、なぜ勤務延長できない、なぜ働けなくなるのか」

 やっと4回の「なぜ」を繰り返しまいたが、「なぜ」の「樹形図」を書かなければならないようです。
 皆様がお考えになると、もっともっと違った「なぜ」も出てくると思われますが、いずれにしても、4回でもかなり問題点が具体化して来るような気がします。

 次は4回目の「なぜ」の理由を見つけながら、問題に少し軽重をつけてみるのはどうでしょうか。

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