「毒をもって毒を制す」という諺があります。現実の世界でこれが一番活用されているのは「薬」や「医療」の世界ではないかと思います。
放射線にしろ、催眠剤にしろ,鎮痛剤にしろ、使い方によっいぇは人間には毒でしょう。
放射線はまさに核の問題ですが、上手に利用すれば役に立ちます(放射線治療)。原爆の生産・保持は「核抑止力」になります。ただし、絶対使わないことです。
普通の人は、そう考えていますが、プーチンさんのような独裁者になると、威嚇のために使うと言ったりします。独裁者が言えば本気かとも思います。
独裁者は何故そんなこと言うのでしょうか。多分、独裁者は他人の意見を気にせず、何でも自分の思う事を発言し、自分のやりたいことをやれるという自信を持っているからでしょう。
本当に何でもできるのかは解らないかもしれませんが、本人が出来ると思っているという事は、現実に起きる可能性があるので、周りの人からは、尊敬されたり懼れられたりすることになり、そこに独裁制の成立する可能性が出て来るのでしょう。
そういう意味で、いま世界でも大きく目立つ独裁者が3人います。五十音順に言えば、トランプさん、ネタニヤフさん、プーチンさんでしょう。
このブログでは、大抵の戦争は独裁者が起こすのが歴史の経験としていますが、確かに、プーチンさんは領土拡大を目指してウクライナに侵攻しました。
ネタニヤフさんは、ハマスがイスラエルを攻撃したことに怒り、ハマスの殲滅を目指し攻撃を続けます。ハマスは人質を確保しで殲滅を免れようと必死です。
トランプさんの立場は些か違います。トランプさんの目標は戦争の終結です。勿論その手法は、かなり独裁的で「私が大統領になれば忽ち片付ける」という豪語を反映するものです。
しかし当初から予想されていたように、トランプさんの構想、その手順が順調に進展することはありませんでした。
これは当然の話で、独裁者は、当然自分の考えに固執します、常に自分の考えが正しいのです。
その点、トランプさんは、独裁的であり乍らも、柔軟でなければなりません。トランプさんはその柔軟性をディールという手段、ビジネス感覚の手段を利用しようとしているようです。
独裁者にビジネス感覚がどう伝わるかは解りません。絶対得だと思わなければ変えないでしょう。
ネタニヤフさんの場合でいえば、最終目的は、パレスチナ全域をイスラエルという国に塗り替えることでしょう。聖書に言う「約束の地」にイスラエルという国が出来るという意識が「パレスチナ暫定自治区」とう表現に明示されているのでしょう。
プーチンにしてみれば、旧ソ連邦までは別としてウクライナはロシアという自分の信念にあくまで固執するでしょう。そして、こうした個人的な感覚は、基本的に国連憲章を無視するものなのです。
一方で、トランプさん自身も、心の底ではグリーンランド、カナダなど、アメリカをもっと大きくという領土拡大の願いを持っているようです。
独裁者の心の内は解りませんが、そうした個人的な考えで国を動かす時、戦争や紛争が起きるのでしょう。
これからの世界は、やはり、より多くの国民の声が国を動かす民主主義が独裁制にとって代わるよう、国連を中心に考え、行動すべきなのでしょう。
今、一部に国連の安全保障理事会の権能を制限すべきとの意見もあるようです。常識的に考えれば、国連の最高の意思決定機関は国連総会のはずですが、こうした問題は地球社会の将来のために、特定の国や、個人の力に任せず、早期に抜本的な解決策検討へのスタートを切るべきではないでしょうか。