tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

これからの経済回復に自信を

2014年05月22日 11時45分53秒 | 経済
これからの経済回復に自信を
 求人倍率が1を超えてきました。学卒求人も売り手市場化の気配です。地域や業種などによっては非正規社員の求人が急速に困難になり、非正規社員の正社員化、正規社員の比率の増加などの傾向に急進展も見られるようです。

 機械受注(船舶・電力を除く民需)も好調です。統計を現方式にしてから(2005年以降)最高の伸び率を示したとのことです。
 これは企業が設備の更新、高度化に本格的に動き始めたということですから、これから資本財、生産財、消費財の生産増の原点が動き始めたという事でしょう。

 企業は海外投資を重視し国内需要が心配といった意見もある中で、統計は確実に国内経済の活発化の動きを示しています。
 特に重要なのは、雇用関連の活発な動きです、新卒採用の活発化は企業の社内育成重視につながるものです。非正規の正規化では管理職要員の育成確保の動きが明確です。
 企業が人を育てることは企業の発展、経済の成長、社会の進歩に必ず繋がります。

 もう一つ大きな動きは、技術開発の活発化を示すようなニュースが多くなってきたことです。
 経済活動の基本であるエネルギー分野では再生可能エネルギー関連の技術の高度化、省エネ技術の進展も着々ですが、特に私の興味を持っている蓄電分野では安全性の高い個体蓄電池技術、燃料電池に鉄粉の還元剤を併用して水から水素を取り出し供給するシステムなど画期的なものが見られます。
 降雪地の自治体に見られる下水熱の活用による融雪装置技術では、下水管の補修・強化技術など多様な技術が複合しています。

 最近世界でも真似するところが出てきたヒューマノイド(人間型ロボット)た動物型ロボットなどが介護や癒しの分野で、急速に発達していることも注目すべきでしょう。身障者の運動能力補助装置関連の技術開発も著しいものがあるようです。
 特にこうした分野は人間と機械の間の摺り合わせ技術が極めて大切ですから、日本人の感性やキメの細かさが最も生きる分野のように思われます。

 日本食の世界文化遺産化もありますが、伝統的日本食だけでなく、日本の加工食品の安全性は勿論、品質の安定、格段の味の良さも日進月歩で、まさに世界が認める状態になっています。これも日本人の味覚や食感といった微妙なところが生きる分野でしょう。

 すでに日本の水技術は世界に定評のあるところですが、水道事業の総合システムの海外提供の始まっている様です。私事ですが、この数年飼育しているホタルの幼虫(極めて環境に敏感)も東京の水道水でしっかり育っています。

 こうした状況証拠を積み上げてみますと、昨年来の円安実現による、日本経済の余裕が、人材の育成活用と新規投資意欲、それらを支える技術革新という経済発展のサイクルをはっきりと動かし始めた様相が見られるように思われます。

 国際関係がギクシャクするなどいろいろな問題点もありましょう。しかし日本が地道に世界に役立つ、世界の人々が喜ぶ多様な分野での開発と成長を続けていけば、それは自然に多様な分野で世界の人びとに役立つ日本という認識を定着させることになり、日本経済社会の一層の発展と、国際貢献の充実につながるものでしょう。

 そうした積極的な動きへの胎動が漸く見えてきた日本の現状を、さらなる着実な発展に繋げていかなければなりません。そしてそれはこれからの日本人の頑張り方次第でしょう。前途は見えてきたと思っています。皆様のご意見も是非お伺いしたいところです。