tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本経済活性化の実現に向けて

2009年08月06日 12時04分53秒 | 経済
日本経済活性化の実現に向けて
(参加意識、目標の共有、バイタリティー)
 衆院選が近づいてきます。世上の状況から受ける感覚では、政権交代の可能性が高いという見方が多いようです。
 しかし先日もある会合で、「自民党と民主党はどう違うのですか?」という質問が出て、みんなが大笑いするといった状景に遭遇しました。

 もし今度の衆院選で民主党が第1党になったとしても、それは民主党肯定というより、自民党否定という側面が強いということは多くの人が感じていることではないでしょうか。伏線は小泉さんが「自民党をぶっ潰す」といって人気を得ていたころから敷かれていたのでしょうか。

 これは大変残念なことです。何かを肯定し、それに向かって進もうと考えて人々が協調して行動するのは建設的ですが、現状を否定するために協調して行動していたのでは、否定の先に何があるのか、おそらく共通の目標などは意識されていないのではないでしょうか。

 民主主義は国民の意見によって、国を運営しようという仕組みでしょうが、矢張りリーダーは必要です。何のグループでも、幹事がよくないと盛り上がらないし、長続きしないのと同じでしょう。
 確かに「良い幹事」というのは難しい仕事です。幹事のリーダーシップのあり方で、会の性格も寿命も変わります。

 第1次大戦の後、大恐慌後の閉塞状態の中で、国民の不満を糾合してリーダーシップを握ったヒットラーはドイツを破滅させました。
 日本の真珠湾攻撃で火をつけられ、第2次世界大戦に参戦したアメリカのF・ルーズベルト大統領は、国民の支持と協力を得て(4選された唯一のアメリカ大統領)、兵器を中心に高度な技術開発と巨大な生産力を実現し、第2次大戦後は「バターも大砲も」といわれ、アメリカン・ウェイ・オブ・ライフと覇権国家の地位を獲得しました。

 リーダーの頭の中に何があるかによって結果は違いますが、リーダーが国民をその気にさせたとき、国民のエネルギーの高まり、その結集が可能になるようです。そしてそのきっかけとしては現状への不満や、何らかの危機感、正義感などが必要なのでしょう。

 組織論では、情報を共有するところに参加意識が生まれ、そこで目標の共有が出来れば、行動へのエネルギー、バイタリティーが生まれるといった説明がされます。
 今の日本は、条件はかなり揃っているようです。しかし、リーダーシップが貧弱ですと一番難しいのは目標の共有でしょう。それを可能にするのがリーダーの リーダーたる所以ということになるのではないでしょうか。