tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

年金運用損9.7兆円

2009年07月12日 16時06分42秒 | 経済
年金運用損9.7兆円
 昨年7月に年金運用損5.8兆円 と書きました。世界金融危機とはいえ、今年もこんな表題で書かなければならないのは情けない話です。暴落前に計上していた累積の儲けはほとんど底をついたようです。

 昨年度1年間で、外国株式が55パーセント目減りし、国内株式が35パーセント目減り、円高で外国債券も7パーセント近い目減り、国内債券だけが1.35パーセントの利息がついたそうです。

 「年金積立金管理運用独立行政法人」というところが、年金積立金約120兆円のうち90兆円を市場運用した結果がこうなったわけですが、この法人のやり方が下手なのか、運用委託先の金融機関が下手なのか、上手下手などという問題ではなくて、アメリカが、サブプライムローン入り証券などを売り出し、誰も予想できないうちに、結局世界金融恐慌を引き起こしてしまったのだから、損が出ても仕方がないというのか、意見はいろいろありましょう。
 
 確かに世界中の金融の専門機関が端から損を出しているのですから、「マネーゲームに精を出していたら」必ず損したということなのでしょう。
 しかしこれも時価評価ですから、このところの株価上昇で多少取り戻しているのでしょう。

 株式を底値で売って、確定利付きに乗り換えるのは馬鹿げている。ある程度は戻るのだから売らないで持っていたほうがいい、というようなことに、多分、今もなっているのでしょう。そうすれば、来年の7月には、何兆円儲けたという記事を書いてもらえると考えているのかもしれません。

 本当の問題は、国の確定債務である年金の原資を、 そんな運用をしていて本当にまともなのか、ということでしょう。日本の高齢者を支えるのは、次世代、次次世代の日本の現役世代だといっている政府です。

 政府は04年度以降の平均運用利回りを4.1パーセントと設定しているそうですが、日本経済を活性化して、日本経済の中で安定運用してその程度の利回りは十分確保できるような経済状況の実現を考えるほうが、基本的な問題解決策として余程健全だと思うのですが、やっぱり政府はマネーゲームで、楽して儲けたいという邪念を持っているのでしょうか。