tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

原油価格の反落

2008年07月24日 12時15分04秒 | 経済
原油価格の反落
 原油価格が1バレル120ドル台まで反落し、世界各国ではインフレ懸念が多少後退し、経済運営がやりやすくなったという安心感も出たようです。もちろん原油価格は、今日では実需よりも投機資金次第で動くようですから、いつまた、何をきっかけに上昇するか、予断を許さないのでしょうが、原油価格の値下がりで、原油に向かっていた投機資金が、株式市場に返ってきたといった解説もあったりして、金融不安のアメリカでも株価が上昇したりしました。

 アメリカの株価の上昇は、金融機関株が主導していたように、アメリカ政府の金融不安払拭のための遮二無二の努力もあってのことでしょうが、お蔭様で日本の株価もいくらか値を戻し、ほっとしている人もあるのではないでしょうか。

 ところで、投機資金流入で原油価格が上昇すると、産油国は別として、世界中が迷惑するのですが、株価が上昇すると、大体みんな喜びます。これは何故でしょうか。

 かつて日本ではバブルの時に、株も上がりましたが投機の中心は土地でした。当時、「土地を投機の対象にするな」といった意見がありましたが、土地が上がるとサラリーマンが家が持てなくなるというのが大きな理由でした。人間は土地の上に住まなければなりませんから、これは困ります。
 今回の原油の場合もそうですが、生活に必要なものを投機の対象にされると、人々の毎日の生活に影響するので、みんなが迷惑することになります。

 原油高騰が波及した農産物の価格高騰の場合はさらに大変です。金やプラチナでも、装飾品の昔はいざ知らず、今日では、エレクトロニクスや環境関連の触媒などのハイテク製品の原材料という意味で、ケータイやパソコン、クルマなどのコスト上昇となって、生活に影響がでてきます。

 自由経済ですからどうにもならないというのが「今日の」大方の意見でしょうが、「50年、100年後」、世界中の投機資金がもっともっと増えると、人間の知恵も経済社会制度ももっと進歩して、「投機は実生活に関係のないところでやれ」といった経済ルールが出来ているかもしれませんね。出来れば今からやってほしいですが。