tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

原油高騰への対処

2008年07月15日 10時33分17秒 | 社会
原油高騰への対処
 原油高騰、輸入食料価格上昇の影響がいろいろなところに出ています。

 一番わかりやすいのはガソリンスタンドの料金表示板です。レギュラーガソリンが180円台にまでなりましたが、タクシーや運輸業者はそれなりの省エネ・合理化・価格政策で我慢の対応をし、ドライバーは多様な自衛策を取りながら、何とか状況に適応しようと努力しています。

 とうもろこしや大豆、小麦の値上がりに対する対応も基本的には同様です。漁業団体は一斉休業を決めるなど、ある意味では労働組合の時限ストのような対応もみられますが、これも誰に対してと言うものではなく、世論に対して業界の窮状の理解を求めると言ったものでしょう。

 第1次オイルショックの時に起こった、洗剤やトイレットペーパーのパニックのようなことは起こらず、日本人は冷静に適切な対応をしていると思います。これも、 輸入インフレは、輸入品が値上がりした分だけ、日本のGDPが輸入先の国に移転したということですから、日本人全体が被害者で、被害者どうしで争ってみても何も改善されないことが国民に理解されていて、他方で、徹底した情報開示が進み、便乗値上げや、値上がり待ちの売り惜しみなどが行われていないと消費者が解っていることの結果でしょう。

 感情的な憤懣を無益な国内の紛争やトラブルに転嫁している例が、先進国の中にも往々見られるのに比べれば、日本人の冷静さ、知識、行動のレベルの高さが知られます。

 根本的な解決は、化石燃料依存の世界のエネルギー事情と、投機マネーの行き過ぎた横行でしょう。こうした問題解決のための世界の政治的舞台では全く力のない日本ですが、化石燃料依存脱却のための技術開発では、いつの日か、日本が世界をあっと言わせることを期待したいものです。