tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

新緑の養老渓谷(2)

2008-05-31 08:19:25 | プチ放浪 山道編

養老渓谷駅付近から養老川の上流の渓流沿いは、秋には紅葉の名所。夕木台~奥養老バンガロー村~中瀬遊歩道コース、弘文洞跡をめぐる約2時間の1周コース。養老渓谷の駅で猫たちの歓迎を受けながら、ハイキングのスタート。残念ながら、駅で足湯のサービスはやってなかった。

山の中の集落はずれに、遠くからでもひと際目を引く赤い鳥居があった。さらに行くと出世観音の案内板。ということで、寄り道して昼食を。
1180年、源頼朝が石橋山の合戦に破れて海路で安房に逃れ、再起を期し養老渓谷の山中に篭り必勝を祈願したという出世観音。ここでは、三日間のお坊さん体験修行ができるらしい。境内に置いてある木製のテーブルでおにぎりを食べていたら、ネコが遊びに来た。これも何かの縁。
途中、バンガロー村への左折の道を間違えて、大福山方面へだいぶ進んでしまったが、すれ違う車やハイカーのいない閑静な新緑の山道を堪能できた。道を横切ろうとしていたヤマカガシと目があって、むこうもこっちも道路の上にしばらく凍り付いていたし、転がっていたタヌキの死骸と対面できたし、道端のカジイチゴで疲れを癒すこともできた。





新緑の養老渓谷(1)

2008-05-30 20:36:55 | プチ放浪 山道編

梅雨前の一時、天候が安定して気持ちよい五月晴れを楽しむことができる。この週末は、ダイビングに持って来いの天気と勝手に思い込んでいたのだが、あいにくの低気圧。船は島に着岸できないかもの条件付で、ダイビングサービスからは、今朝そうそうに「ダイビングを諦めてね」とのメールがはいった。・・・・・・残念。
ということで、先日、トレッキングを楽しんだ新緑の養老渓谷の写真をアップします。

JR内房線で五井へ。改札をスイカで抜けて、小湊鉄道の改札を探すも見つからない。どうやら、小湊鉄道の1日フリー乗車券は、駅の構内で買うことになるらしい。あらためてJRの改札口で乗車証明をもらい、小湊鉄道のホームへ。途中の連絡通路では、お握りなどが売られていて、今日のプチ冒険心を煽り立てくれる。
五井駅10:00発の上総牛久行きの列車は出たばかりで、その次が11:00発の養老渓谷行きだった。
出発までまだ時間があり、保線区内をあちこち見学。決して鉄道ファンではないのだが、下半分が赤で、残り半分がクリーム色というツートンカラーの路面電車のような車両は、まるで田舎のネエチャンのようなファッションセンスで、なんとなくセクシーに思えてしまう。
そんなに綺麗な電車ではないのだが、僕と同じようにカメラを向けているマニアの姿が目に入った。やっぱり、魅力があるのだろう。
また、五井駅構内車両区には、100年は経っていると思われる古い蒸気機関車が保存されていて、目を楽しませてくれた。

養老渓谷行きの一両だけの車両。その動力はディーゼルで、苦しそうに唸りながら徐々に加速していく。ディーゼル特有の細かい振動が発生する。その音が凄い。しかも、カーブでは車輪がほんの少しだけすべるのか、一瞬、金属同士がこすれあう金属音がひびく。途中の駅は木造平屋で、切符は昔なつかしい紙。社内はクーラーは無くて扇風機。 無人駅では車掌さんが降りて乗客と声を交わしながら切符を受け取る。忘れかけていた時代の香り。車窓からの景色は、上総牛久を過ぎたあたりから、ひたすら山と畑が続いていく。





ティダアパアパ(どうってことない)

2008-05-29 20:13:40 | 日記

でこぼこの化粧ブロックを敷き詰めた、ウブドの町の道沿いに面白いものを見つけた。店の建築現場だ。要所要所に立つ細い鉄骨を入れたコンクリートの柱。その鉄筋コンクリートをよそに、無数の竹材で作りかけの屋根を支えている。おそらく、雨季の今、雨を避けるための屋根が何よりもまして必要なのだろう。かくして、はじめに屋根ありきの工事手順になる。建築途中の店の前には、クリスを手にした守り神の石像が道行く人を見つめていて、その台座にはチャナンが添えられていた。

ウブドの豊かな田園風景を後に、バリ島の南へ移動。途中、プライス表示のある大きな土産物屋によってもらって、小さな木彫りの4匹セットのバリ猫を土産に購入。さらに、チュルク村に寄って、バリ島伝統芸術でもある銀細工のショッピングセンターを見物。プナは、価格が高いからその店で買わなくてもいいし、もし、買いたいものがあれば、彼が値引き交渉をしてくれると言う。たぶん、ガイドとして客をその店に案内することで、コミッションが彼に入るのだろう。プナは店に案内することを恐縮しているのだが、基本的に暇なぼくは喜んで連れて行ってもらう。
バリでは、パンデ(PANDE)の称号で呼ばれる鍛冶屋の親族集団がいる。彼らは太古の火の祭司で、霊力を持つ金属を細工して男性生殖器の象徴であるクリスなどの神聖な器物を作っていた。絵画同様に、その緻密な手作業によって製作される手工業の銀製品に驚く。日本の工業製品とは全く異なる次元の物。そこには悠久の時間の流れが感じられた。

銀細工のショップを出て、バリ島を南下する途中、ガソリンスタンドで給油。これまで、バリ島をあちこち走り回って、ガソリンスタンドの存在に気がつかなかったのだが、当然、これだけ車やバイクが道路を走り回っていれば、ガソリンスタンドが無いはずがない。半分セルフ式の給油で、車のガソリンキャップは自分で開ける。ガソリンは約30リットルで2000円弱。日本のガソリン価格の1/2~1/3というところか。
幹線道路には、家具屋や石工店が数多く建ち並んでいる。それ以上に目に付くのが、あちこちの店先に出ている小さな屋根がついた棚。その棚には1リットルぐらいのガラス瓶に入った液体が売られている。
なんだろう?ココナッツジュース?
プナに聞くと、中身はなんとガソリンだった。圧倒的な数で走っているバイク向けらしい。ガソリンスタンドのバイク専用レーンは混んでいるので、そこに並ぶのが面倒な人の向けとのこと。スタンドより少し高い値段らしいのだが、バイクは不意にガス欠になることが多く需要は多いのかもしれない。たしかに、棚を良く見ると”100% BENSIN”と書いてある。そのそばで、店のおじさんがタバコなんか吸っていたりする。日本の消防法では考えられないのだが・・・・・・tidak apa apa=ティダアパアパというところか。


癒し系ソープ

2008-05-28 20:47:23 | 日記

ホテルで気になるのは、シャワーを浴びる時の石鹸やシャンプーだ。日本で売られている直鎖アルキル系の合成洗剤は、やし油など天然油脂を原料とした脂肪酸系ナトリウム塩(石鹸)と生分解性は大差ないらしいのだが、世界中のホテルに供給されているアメニティはいまや中国製が主流。その素性には、はなはだ疑問なところが多い。また、日本の市場でも、ヘアケア商品(シャンプー、コンディショナー、リンス)の主成分は合成界面活性剤(合成洗剤)だ。

一般的に言えば、合成界面活性剤の方が安価のため大量に使われており、しかも、天然系の界面活性剤より毒性が高いため、微生物による分解を受けにくい。生分解性に劣るから、下水処理した後も洗剤分が分解されずに残ることがあり、海に流出すれば富栄養化を招く。つまりは、海を汚してしまうリスクがある。

海を汚さないため、日本では普段から石鹸やシャンプーに気を使って来た。今回の旅行では、松葉杖というハンディキャップから持ってくる荷物の量に限界があり、普段使っている石鹸やシャンプーを持参することができなかった。だから、バリに滞在している間、ホテルで使う石鹸としてホテルから提供される得体の知れない中国製ではなく、少しでも生分解性の高い石鹸を使いたいと思って探していた。

オリーブ油から作られると言う、マルセイユ石鹸のような天然石鹸を探して、ウブドの町をぶらついていたらその店があった。
「コウ オーガニックソープ」。日本人のミツコという人がオーナーだという。対応してくれた彼女は、クトゥという名前の若いキュートな女性。ここの石鹸は、ヤシ油から作ったハンドメイドなんだそうだ。普通サイズのせっけんは、もちろん、キャンディみたいなラッピングが施された小さなものもある。
ジャスミンや、ローズ、レモン、バニラなど、いろいろな香りの石鹸があったのだが、ラタンBOX入りのキャンディーソープセットを購入。購入した石鹸を背負っていたザックに入れておいたのだが、ホテルに帰ってザックをあけると石鹸の香りが移っていて、しばらくはシアワセな気分になれた。バリの香り。癒しの石鹸。


芸術の町。ウブド

2008-05-27 22:01:58 | 日記

電柱がないこと。景観を壊すような看板がないこと。電線が無粋に空を這っていないこと。こんな簡単なことが、これだけ景観に価値をもたせるものなのだろうか。ウブドへ行くまでに目にした景色。破壊しつくされた日本の景色と比べると、どこを見てもコンクリートの塊が見えない景色は、やはり非常に貴重なものであることが実感される。
フェンスの見当たらない民家、赤い瓦屋根や瓦葺の屋根。そこには、神様がデザインしたままの調和があった。町中は別にして、空を遮るのはヤシの木だけだ。圧倒的な植物の生命力がみなぎる豊かな自然。その緑のエネルギーに圧倒されていた。
ウブドでは、素朴で純粋な人々のホスピタリティー。奢ることなく自然に調和して、人々はつつましく生きていた。どこに目をやっても、バリらしさが存在した。チャナンは通りに必ずあったし、石像を置いていない家は見当たらない。村を歩いていると、こぼれんばかりの笑顔とすれ違う。一瞬、松葉杖のぼくに注意を留めてのことかなと思うがそうではない。笑顔は、彼らは挨拶。信仰心から培われたものなのだろうか。多くのバリ人が、おしみない微笑みを振りまいてくれる。おおらかな笑顔。バリのホワイトマジック。

数十年前の日本も、こうだったような気がしてならない。田中角栄の日本列島改造論で、日本はかつてない経済活況を喫することができたが、残念ながら失ったものの方が大きかったようだ。

バリ島はリピーターが多い。いくつか理由はあるのだが、この芸術の町ウブドはその理由のひとつだ。ウッドクラフトの店が軒を並べ、店先には見事な彫刻を施したつくりかけの家具が置いてある。一体、バリでこれほどの家具の市場があるのだろうかと心配になる。そして、無数に点在しているアートギャラリー、ミュージアム、アトリエでは、豊かな感性と高度なテクニックで緻密に描かれた絵画を見ることができる。
プナに連れられて訪ねたアートギャラリー。バリらしいヒンズー教の神々がモチーフの細密画や、ポール・ゴーギャンの『タヒチの女』のような南国の女性がモチーフの絵画に目を奪われた。大胆な構図で、自然と人間の調和を絶妙な色彩で表現してあった。
また、町中の石畳の道を松葉杖で歩いて行けば、バリ独特のアジアン雑貨やアクセサリーの店が軒を連ねていた。店の前では、チャナンを供える女性が静かに手を合わせていた。

ウブドの散策を終え、プナと2人で町外れのレストランで食事。インドネシア音楽が流れる2階の窓側の席から、広大なライスフィールドを眺める事が出来る。見渡す限りのどこまでも続く緑豊かな田園風景。眺めているだけで、気持ちがゆったりとしてくる。田んぼのあぜ道をはさんで、右側に見える田んぼは田植えを終えたばかりだったが、左側は刈り取りが終わったばかり。同じ視野の中に、春と秋の田園風景が混在していた。

プナはナシチャンプルを、ぼくはチキンヌードルスープとライスをそれぞれ注文。チキンヌードルは、大きな器に入って出てきた。酸味とスパイシーな風味のコンビネーションが絶品だった。スープはほんのりレモングラスの香りがして、南国らしさがにじみ出ていた。そして、ヤシの葉っぱに包まれていた御飯に乗っていた、赤茶色のふりかけのようなもの。てっきり、オキアミの佃煮だろうと思ったのだが、味はまったくない。プナに聞くと、椰子の実から作られている食材とのこと。
プナはフォークやナイフを使って、自分の皿の料理を普通に食べていた。バリニーズは、右手だけで食べるのかなと思っていたが、TPOを選択するということか。