tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

神様の乗り物

2017-06-30 23:41:27 | プチ放浪 都会編

大部分の国民はヒンドゥー教の教徒で、1~2割程度仏教徒もいるネパール。
ヒンドゥー教の神様は、宇宙の破壊を司る神、シバ。三叉戟を持ち、額に第三の目があり、カイラス山に住む。化身姿はマハカーラー(大黒天)。そして、その乗り物が聖牛ナンディン。
一方、平和の象徴ともいわれる田んぼの労働力の水牛は、悪魔マヒシャの化身のひとつで、死者の王ヤマの乗り物とされているため、牛とは明確に差別されている。

ヒンドゥー教において、なぜ、牛が尊ばれるかというと、4000年前の中央アジアにおいて、牛は貴重な労働力であり、かつ、牛乳やバターの供給源であり、糞も肥料や燃料になったりと、牛は彼らの生活に欠かせない存在だった。こうした事から、古代から崇拝の対象になり、牛には3000万の神々が宿っているとされた。今でも牛殺しは親を殺す事より重罪とみなされている。
だから、現在も野良牛が路上をうろついている光景を目にするが、牛は神の使いなので、わざわざ牛と牛の糞を避けて通ったりする。それが渋滞の原因になることもしばしばだ。

そんな神聖なお役目を理解しているのか、カトマンドゥのモンキーテンプルへの上り坂の階段を一匹の牛がよっこらしょと登っていく。地元ガイドが言うには、牛が階段幅を一杯に使って蛇行するのは、実質的な勾配を緩しエネルギーを節約しながら登っていくためとし、牛は賢い動物だねとのことだが本当だろうか?
蛇行する牛に行く手を遮られたぼくから見れば、階段の歩幅とヤツの巨体の幅が合わなくて足がつっかえてしまうからだと思うがどうなんだろう。

どうやら神様の乗り物は短気のよう。小っちゃい子がちょっかいを出してヤツのお尻に触ったら、猛烈に怒ってた。目の前に赤いサリーを着た若い女性たちがたむろしてたのも一因だったのかもしれない。怒るとちょっと怖い。
地元のおばあちゃんが、棒きれでヤツの鼻をぺちっと叩いたら即効でおとなしくなったけど。神様の乗り物はきまぐれだ。


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それは有料!

2017-06-29 22:21:47 | プチ放浪 都会編

「背中を叩いてあげて」
ランドクルーザープラドの後部座席から、前のシートの彼女の背中をバシバシ叩いてあげる。まるでにわか陰陽師になったような気分。
小さいころは、こっくりさんが動いたりとオカルトの世界の経験がなきにしもあらずだが、心霊と言われるものの正体のほとんどは「変性意識状態での幻覚」だと信じてる。
つまり、科学の勉学に励んだ理系のなれの果てとして、宇宙の真理に相反する現象 -例えば力を伴わないエネルギー現象- つまり死後の世界なんてあるわけなかろうと思っている。

一方、霊感が強く、これまでに知人が亡くなったらすぐに異変のして感じるという彼女。彼女の体に変調が訪れたのは、ネパール最大のヒンドゥー教寺院、世界遺産パシュパティナートでのことだった。
シヴァ神を祭るこのパシュパティナートは、バグマティ川の川岸に建つインド亜大陸4大シヴァ寺院のひとつ。カトマンドゥ盆地の主要構成要素だ。
ヒンドゥー教徒にとってのまさに聖地。と同時に、ヒンドゥー教徒の遺体を焼いて灰にする火葬場もある。

この日もガンジス川の支流、バグマティ川の水で死者の体を清めて火葬。組み上げた薪の上に遺体を寝かせ、藁で覆った後、火をつける。息子でないと遺体に火をつけられないし、未亡人は赤い服を生涯着ることができない。遺体は燃え尽きて灰になり、その灰はバグマティ川に流される。
燃やされることで、空に還り土に還り、そして、川に流されることで水にも還れて輪廻転生を待つ。

藁がほぼ燃え尽きて、煙の勢いが薄れたのを見て、彼女は
「人は誰でもこうなるのね」とつぶやいた。
それから彼女の体調がおかしくなったわけだが、ぼくの素人考えでは原因は彼女の感受性の高さからくる自己暗示。その自己暗示を解くためには、暗示にかかった手順を逆にたどれば良い。つまり、死がきっかけなら生(性)に還ればいいってこと。

パシュパティナートから帰ってからもずっと具合が悪そうにしている彼女に
「肩もみましょうか?」に続けてつまらないジョークを言ったら、さすがは関西の女性、即座にリアクションが返ってきた。それからだった。彼女の笑顔が戻ったのは。。


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おいしいMomoを探して

2017-06-28 23:15:40 | プチ放浪 都会編

チベットからネパールに伝わったというモモ。
中国の陝西省や甘粛省などでは、小麦粉をこねて加熱した食品べものを饃饃(モーモー)と呼ぶ。おそらくはこれがモモのルーツ。日本の餃子の遠い祖先でもある。
ポーランドやスロバキアなどの中欧諸国、ウクライナ、リトアニア、ベラルーシ、グルジア、ロシア、モルドバなどの東欧諸国や、イタリアなどの南欧にもよく似た餃子の文化がある。餃子がシルクロードを伝わって広まっていた証。

中国では豚肉、白菜を使った一般的。一方、ネパールのは水牛、チキン、野菜が具。蒸したものがメインだが、焼いたり、揚げたりもするらしい。
チリパウダーがアクセントのスパイスの効いたものをタレとして口にほおばる。このタレは店によって全く違っていて、トマトベース、ごまやピーナッツベースのものなど様々らしい。

現地の人に一番おいしいお店へと連れてってもらったThamel Momo Hut。
https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g293890-d4883987-Reviews-Thamel_Momo_Hut-Kathmandu_Kathmandu_Valley_Bagmati_Zone_Central_Region.html
メニューにはいろんな具材のmomoがあり、一皿5個から選べる。
野菜(ベジタリアン)のモモは、日本の餃子にやや似た味。皮が厚くモチモチとした食感。絶品はチーズのモモ。
店に連れてってくれた、普通は料理のシェアなど絶対にしない(ヒンズー教)現地の人が気軽にシェアに応じてくれたのは、この店のカジュアルな雰囲気によるものか、あるいは一緒に食べに行ってくれた女性がかわいかったからなのか。

翌日、帰りの飛行機までの時間、もう一度おいしいチーズモモを食べようとさまよったタメルの町中。リキシャのおっちゃんたちが一斉に行き先を聞いてきて、モモの店というと異口同音に昼からとのこと。
ネパールの人々は、カジャ、ナスタといわれる昼の軽食(おやつ)としてカレー味の焼きそばのようなチョーメン、ロティ(薄いパン)、そしてモモなどを食べる。このカジャ(おやつ)は食事とはカウントされず、彼らが一日に2食しか食べないと言う根拠になっている。
モモなら3食でもいんだけど。。( ^ω^)・・・
でも、昼時しかモモはやってないみたい。




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丘の上のモンキーテンプル

2017-06-27 22:15:33 | プチ放浪 都会編

沢木耕太郎の「深夜特急」。そのドラマ版で、大沢たかおがネパールに入国し最初に訪れた場所はスワヤンブナート。彼のネパールの旅はここから始まった。
ちなみに原作では、作者は降り続ける雨や旅の疲れからカトマンズで沈没し、一転して恐ろしいほどの虚無に襲われる。長雨の中でハシシを吸い、夢うつつを彷徨った。旅で疲労困憊してくると、他人の親切を頼りに過ごしているのに、そうした親切がわずらわしくなるのかもしれない。

さて、天高く聳えるストゥーパ(仏塔)。カトマンズ盆地がまだ湖だった太古の昔からこの丘の上に建っていたという伝説を持つネパール最古の仏教寺院。
385段の階段を、露店や物乞い、獅子やガルーダの石造を参道に見ながら進んでたどり着く。仏塔の高さは15m。その先から5色のタルチョが四方八方へ伸びている。チベット仏教で用いられる5色の祈祷旗だ。青は空、白は風、赤は火、緑は水、黄色は大地を表し、その一枚一枚に経文が書かれている。
ストゥーパには、四方に世界の森羅万象を見渡すというブッダの眼。
そして、ストゥーパの周りにはマニ車。側面に「オム・マニ・ペメ・フム」という観音菩薩の六字真言が刻まれており、これを一回回すだけでお経を唱えたことになる。

ストゥーパを右回りに回り(コルラ)ながら、マニ車をぐるぐると回す。サングラスをかけたぼくの視線がさっきから、そばのネパール美人のサリーのスリットに注がれているのは、・・・あっ、お釈迦様でもわかるめい・・・ってやつだ。
カトマンドゥの街の中はくすんだレンガ色で殺風景だが、街ゆく女性達の民族衣装がとっても色鮮やかで引きつけられる。




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光る稜線 エヴェレスト

2017-06-26 23:03:14 | プチ放浪 山道編

プロペラがうなりを上げ空が近づくにつれて、山頂に輝く雪を抱くヒマラヤ山脈が見えてくる。離陸の時は手を握っててねと飛行機が苦手な女性もまた、窓から見える美しい景色に我を忘れて見入っていた。・・・地上には飽きたよね。
どうして飛行機が空を飛べるのかというような疑問は、神々しいまでの山なみを前にすれば頭から追いやられてしまうのだろう。
突然言いだしたヒマラヤ遊覧飛行。3人のパーティとなって、雨季のネパールにもかかわらず、絶好の飛行日和のフライト。

エヴェレストは信仰の山という。チベット語でチョモランマ(世界の母なる女神)、ネパール語ではサガルマータ(宇宙のてっぺん)。ヒマラヤ山脈にある海抜8848mの世界最高峰の山だ。
エヴェレストはチョモランマ層、ノース・コル層、ロンブク層の3層からなる。ゴンドワナ大陸の一部であったインド亜大陸が白亜紀にマダガスカル島から分離し、新生代にユーラシア大陸に衝突し、ヒマラヤ山脈ができた。
エヴェレストは周辺のプレートテクトニクスにより年々標高が高くなっており、山頂も北東へと移動しているらしい。

1953年、ニュージーランドの登山家エドモンド・ヒラリーとネパールのテンジン・ノルゲイが南東稜より世界初登頂。
山頂付近には、挑んで敗れ去った遺体がゴロゴロしているという。また、メンルン氷河の近くでイエティのものとされる雪上に残る巨大な足跡も。

何かに挑戦するということは、成功・失敗、勝ち・負けを超えた世界が必ずある。挑戦そのものを否定してしまえば、成功も失敗も何も得ることはできない。

Adventure or Nothing 

同行してくれた妙齢の女性が教えてくれた。




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