tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

デッキボーイ

2008-05-20 21:05:25 | 日記

船に戻ってコーヒーを飲んでいると、バリニーズの自称40歳というデッキボーイが片言の日本語でいろいろ話しかけてきた。彼も若い頃にオートバイの事故で足の骨を折ったことがあるらしく、さかんにぼくの足を見て「かわいそう」と言ってくれる。
彼の片言の日本語に対し、ぼくの返事が英語なのでいささか妙な感じなのだが、たいてい外国にいる時は、このような言語の組み合わせがお互いに軽いジョークを楽しむことができて都合が良い。

「足はイタイイタイ。でも、こっちはビンビンね」
と握りこぶしを股間の辺りで突き出して見せる彼の卑猥なジョークに声を殺して笑い合っていると、突然、船内にエンジン音が響いた。
時計を見ると、浮島を出航する15:00。ぼくの着替えはまだ浮島のロッカーの中だ。
船に戻る客たちでごった返す渡りデッキを、人の流れに逆らいながら松葉杖で浮島へ戻ろうとすると、ライフガードが「どこへ行くんだ?」と声をかけてくる。着替えがまだロッカーに入ったままと伝えると、傍にいたナディアがぼくからロッカーの鍵を受け取って、大急ぎでロッカーの中から着替えを持ってきてくれた。
間一髪のタイミングで船は浮島を離れ、一路、帰港。
帰りの航路も揺れは結構大きく、行き同様、数人の客が船酔いになったようだ。あのエッチなデッキボーイが、心配してぼくの様子を見に来る。船酔いには彼のマッサージが効果的という話で、行きの船で船酔いしたコーリアンの女の娘は幾分回復したらしい。
ぼくが知っている中国式の指圧を彼にしてあげると、どうもツボにはまったらしく、めちゃくちゃ気持ち良いとヤツははしゃいだ。お世辞なのだろうが、茶目っ気の多い彼との会話は船酔いどころか、スキンダイビングの疲れを吹っ飛ばしてくれていた。