tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

サンセットディナークルーズ

2008-05-10 17:09:04 | 日記

数あるオプショナルツアーの中で、これだけは行ってみたいと日本を出る前から決めていた。雨季に当たるこの時期。気まぐれなスコールを覚悟しなければならないのだが、骨折した足に不安を抱えている今、少々天気が悪くても動けるうちに参加したかった。
ということでバリに着いた翌朝、ホテルのツアーデスクに行き、受付にいた目がキラキラ輝く賢そうなバリニーズの女性に、バリハイクルーズのサンセットディナークルーズを予約。彼女には、この旅が終わるまで、いろいろ世話になった。
船はデンパサールのべノアハーバーから17:45に出港し、20:45に帰港する。デンパサールインドネシア国際空港を横手に見ながら、波の少ないべノア湾内を何度も往復する間に、ビュッフェの食事がもてなされる。そして、何といってもクルージングの最大の呼び物は、パリのナイトクラブを彷彿させるようなナイトショーだ。インドネシアの女性シンガーのライブが聴ける上に、オカマのショーもあるらしい。

ピックアップのため、17:00にホテルのエントランスに現れたのは、TOYOTAのキジャンに乗ったアデサという人の良さそうな30歳前後の若者だった。ロビーのソファーには、何人かの客が他のツアーの送迎待ちで腰掛けていたのだが、やってきた彼は、まっすぐにぼくのところへ来ると、はじけるような笑顔で「バリハイクルーズ?」と聞く。
今、考えれば、1人でツアーを申し込んだ上に、群れたがる日本人観光客たちから離れてポツンと座っていたから、すぐにぼくとわかったのかもしれない。例によって、車に乗り込むや窓を全開に。エアコンは、ドライバーのアデサにはかわいそうだけど止めてもらう。
車は20分ほどでべノアハーバーに到着。途中、ものすごい数の退勤する人々のバイクの群れとすれ違いながら、道路に設けられた検問を抜け、さらに、ハーバーに設けられたゲートをくぐり抜けて桟橋に到着。インドネシア衣装を身にまとった女性から花のレイを首にかけてもらい、受付を済ませるとウェルカムドリンクのもてなしがあった。
ほどなくしてボーディング。そして17:45ジャストに離岸。これで、ぼくは片足に体重をかけてはいけない松葉杖の状態で、タクシー、バス、電車、飛行機、船と、ほぼ主要な乗り物を制覇したことになる。残るは、自転車だ。

船内の移動は、2階のデッキに上がるために狭い階段を登っていかななくてはならないが、松葉杖をついていても特に問題はない。
デッキの先頭に座って日が暮れていく様子を眺めていたら、船のクルー達による救命具のつけ方のインストラクションがあった。

そのクルーの一人の女性ナディアが、松葉杖のハンディキャップを背負いながら、多くの白人グループや、日本や韓国のカップルに混じって、一人だけポツンとデッキの長イスに腰掛けているぼくに、いろいろ気を使って英語で話しかけてくれた。これも、松葉杖ハンディキャッパーの役得だ。彼女は結婚して子供もいるのだが、ロシア語会話の学校へ週に2日ほど行って、ロシア語を勉強中らしい。近年、観光客で増えつつあるロシア人を相手にガイドをしたいという、しっかり者だった。

空は、あいにく曇り空。残念ながら西の空は厚い雲に覆われて夕日は見えない。というよりも、明るく見えた水平線の方向をダイビングウォッチにくっつけてあるコンパスで確かめると、そっちは東。デッキの大勢の観光客は、東の空に顔を向けて日の暮れる様子を楽しんでいた。