tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

グリーンシャワー

2008-05-06 08:38:57 | プチ放浪 山道編

安比高原に広がるブナの二次林。ブナの駅から出発するトレッキングコースを歩けば、二次林を間近に観察できる。日本の森林浴百選の一つだ。悠久の時を刻むやさしい渓流美、なだらかな山々と麓に広がる深い森。地元に人たちに豊かな水と安らぎを与えてくれている。
このブナの二次林は、軍馬補充のため、大正から昭和にかけて林間放牧が行われていた名残らしい。開発と伐採のツケは、100年にもおよぶ。林間放牧とは、森を完全に伐採して牧草地にするのではなく、馬や牛たちが休める日陰を作る程度に、いくらか樹を残した林にして放牧する方法。その後の放牧の衰退により、残されたブナの樹が森を修復し、今の二次林になっている。放牧された動物たちがブナの稚樹の成育をさまたげるササ等の競争相手を採食したことも、生育にとって好都合だったようだ。

60年ほどの若い森だけあって、原生林とは奥行きが異なる。多くの老木や大木を必要とするキツツキ類のさえずりは、ほとんど聞こえないし、野生動物なども少ない。キノコとかもあまり採れないらしい。ブナ林の中を歩いていても、木に付けられた爪の痕などクマや鹿の気配とかまるでしない。ただし、トレッキングすればこんなに気持ちのいい道はない。そういえば、ヨーロッパの森も二次林だった。

八幡平という名の由来は、坂之上田村麻呂の奥州征伐の伝説から来ているようだ。
敗走する大猛丸一族の追撃の際、八幡平山頂にある八幡沼付近に到達した田村麻呂は眼前に広がる神秘の風景に感銘し、ここに八幡大菩薩を奉じて戦勝を祈願したとのこと。