tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

麦の穂をゆらす風

2007-08-31 19:49:58 | cinema

このタイトルは、アイルランドの伝統歌の名曲「The wind that shakes the barley」から来ている。妖精と神話の国、神秘的なケルト文化、幻想的な風景。映画で垣間見るアイルランドの神秘的な印象の影には、英国による侵略と弾圧、そして抵抗の歴史が秘められている。12世紀にイギリスに征服されて以来、アイルランド人は土地を奪われ、作物を搾取され続けてきた。彼らはしばしば反乱を起こしたが、そのたびにイギリス側から厳しい弾圧が行われた。
1800年、アイルランドと英国との間で連合法 Act of Union が成立し、両国は政治的に1つになり合同議会が発足する。アイルランドでは、当時、人気のあった政治家ダニエル・オコネル Daniel O'Connell がカトリック教徒協会 Catholic Association を設立してアイルランド自治の権利を主張した。これが功を奏し、制限つきながらもアイルランドには自由が与えられた。しかし、それ以上の抵抗は、大飢饉 Great Famine(1845-51年)が発生したため、しばらく止まる。
1916年4月、独立と自由を求めて急進派がダブリンで武装蜂起(復活祭蜂起 Easter Rising)を起こす。これは英軍に鎮圧されてしまうが、首謀者の処刑や市民の無差別逮捕などが人々の反感を買い、アイルランド独立を求める声はますます強まった。そして1918年の総選挙でアイルランド共和軍(IRA)の政治組織、われら自身の意味のシン・フェイン (Sinn Fei) 党が圧勝する。同党はアイルランドの独立を宣言。処刑を免れていた復活祭蜂起の英雄イーモン・デ・ヴァレラ Eamon de Valera の指揮のもと、ドイル (Dail Eireann;アイルランド国民議会(下院))が発足する。こうした動きはアイルランド独立戦争へと発展し、戦いは1919年から1921年の半ばまで続いた。1921年に英愛条約 Anglo-Irish Treaty が結ばれ、アイルランドの26州がついに独立。一方、プロテスタント教徒の多いアルスター地方6州(北アイルランド)は、それに加わらない選択肢が与えられて、北アイルランド議会が発足する。

この映画は、1920年当時の若者たちの闘いの日々を追ったものだ。登場するのはマイケル・コリンズのような歴史の中心人物ではなく、無名で消えていったアイルランドの運動家たちだ。村一番の秀才で、ロンドンで医学の道を究めようとした若者が、英語名を名乗らなかったという理由だけで家族の目の前でイギリス軍に惨殺される。その惨殺される17歳の仲間を目の当たりにして、何にも抵抗ができないことに悲痛な思いを覚える。その日から彼は兄と共にIRAに参加して独立運動の活動家になる。本来ならば医師となって人の命を救うはずの人間が、命を奪いあう戦いに身を投じていくのだ。映画はこの兄弟の対立と葛藤を通して、アイルランド独立の悲劇を描いている。
裏切り者はたとえ幼馴染でも赦さず、死を与える。これが戦争の不条理さだ。英国軍を襲撃し、隊列を組む彼らは、いつしか敵対する英国の軍隊のようになっていく。貧しさゆえ勝算のない戦いに勝利するために資本家の味方をする兄と、違法な利子に罰金を課そうとする民主裁判の対立。そして、やっとのことで手に入れたかに見えた自由も、さらなる悲劇を生むきっかけにしかすぎない。アイルランド自由国条約の批准に対して賛成派と反対派に分裂し、兄弟や、昨日までの仲間が敵味方に別れて内紛への悲惨な道のりを歩むこととなる。

共に戦い、精神的に支えあった仲間が撃たれて死んでいくことのどうしようもない心の痛み。かつては自分の身代わりになろうとした、最愛の弟を殺さなければなら ない兄のもがくような心の苦しさ。そして、死を告げられた弟の恋人の悲痛な慟哭で、物語は幕を閉じる。
アイルランドの自由は、こうして得えられた。自由を得るには、奇麗事では済まされず必ず死の代償をともなう。平和ボケした日本で、われ等は前の戦争で亡くなった人たちの命の重さに思いを込めて、自由を守るために声を出し続けなければならない。世界を揺らす風のように。

Bread - If (1971)


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消えた $1(2)

2007-08-30 20:02:01 | lesson

英語で書かれていたメールだが、覚えてるそのメールの内容はこうだ。
<3人の男がホテルに泊まって、フロントでホテル代の30ドルを一人10ドルづつ支払った。部屋はシャワーの出が悪く、3人は部屋の交換を依頼するが空いている部屋はない。翌朝、ボーイが申し訳ないと言って、一人につき、部屋代を1ドルづつ返してきた。しかし、実は、ボーイはホテル側が3人の男に返金すべき5ドルの内、2ドルをネコババしていたのだ。
さて、部屋代は、3人が10ドルづつ支払ったうち1ドルづつ返金されたので一人9ドル。合計27ドルだ。これにボーイがネコババした2ドルを足すと29ドル。あとの1ドルはどこに?>

この手のチェーンメール。海外のサイトをよく訪問する人や、文通している人は1度以上目にしているに違いない。この<あと1ドルはどこに>は、算数の問題と言うよりも、国語の問題と言った方がいいかもしれない。
ぼくのところに相談に来た彼女は、その解答を導き出して相手のメル友をギャフンと言わせてやりたいみたいだ。
<だったら、自分で考えなよ>と言いかけて、彼女が手にしている六花亭のマルセイバターサンドに釣られた。
しょうがないから、解説してあげることにした。

「お金の動きは、こうだろう」
客→ホテルのフロント: 30ドル
ホテルのフロント→ボーイ: 5ドル
ボーイ→男たち:3ドル.
「で、男たちが払った部屋代はいくら」
「えーと。30ドルから3ドル引いて27ドル?」
「しぇーかい」
「で、本当の部屋代は?」
「25ドルでしょう?」
「ボーイがくすねたのは?」
「2ドル」
「2つを足すと?」
「え?25ドルと2ドルだから27ドル?」
「合ってんじゃん」
「・・・・・・」
「いいか、男たちが払った部屋代は27ドル。ホテル部屋代は25ドルに加えて、ボーイがくすねたのが2ドルで合計27ドル。合ってんじゃんん」
「え゛ー?もう一回言って!」
「あのね。部屋代の27ドルにボーイの2ドルを加えるから変になるわけ。要するにその計算は根本から間違っているんだ」
「・・・・・・?」
ということで、昼休みはブログの記事を書く予定を変更して、カップヌードルを食べながら、彼女の英文メールの作成を手伝わされた。
結構、昔から出回っているチェーンメールなのだが、いまだにしぶとく出回っている。消えた1ドルのからくりがわかるかどうか、相手のメル友は挑戦のつもりなのかもしれない。しかし、彼女は結構かわいいので、そうそうたるブレインがたくさんついている。簡単になめられるようなヤツではけっしてない。かわいそうだが、どんな難問だろうが、そいつの負けは確実だ。

おわり
How many more lonely years, must meander by, until I learn the lesson, it does no good to cry.

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消えた $1

2007-08-29 20:11:52 | lesson

最近、昼休みはブログの記事をまとめていることが多い。netや雑談で過ごす人が多い中で、シコシコ、キーボードを叩いていると、<論文でもまとめてんのか>と、わざわざのぞきに来る連中も多い。しかし、机の上に広げた本が加島祥造の『求めない』だったりするので、プライベートとして見逃してくれる。おかげで、じっくりと記事をまとめることができる。
今日も机でシコシコ、キーボードを叩いていたら、肩を叩かれた。驚いて振り向くとそこに北海道の土産を持った総務の女の子。

「メル友からまた意味深なメールが来たんです」と彼女が言う。
「メル友って、このあいだの?」
「そう」
「で、今度はどんなメール?」

実は、2ヶ月ぐらい前に、彼女とは同じ会話(http://pub.ne.jp/tetujin/?entry_id=689681)をしていた。その時も、海外のペンパルから意味深なメールが来たとのことで、どうすれば良いかという相談だった。前の時は、別におかしなところがない普通の英文のメールだった。
あやしいところはないから気にすることないよと言って、彼女を納得させたのだが、今回は一体なんだろう。
彼女から手渡されたプリントアウトしたそのメールにぼくは目を走らせた。
そのメールは、チェーンメールに類するものだった。内容自体には特に引っかかるようなところはない。
「別にただのチェーン・メールだと思うが?」
「そうですよね。でも・・・・・・」

英語で書かれていたメールだが、覚えてるそのメールの内容はこうだ。
<3人の男がホテルに泊まって、フロントでホテル代の30ドルを一人10ドルづつ支払った。部屋はシャワーの出が悪く、3人は部屋の交換を依頼するが空いている部屋はない。翌朝、ボーイが申し訳ないと言って、一人につき、部屋代を1ドルづつ返してきた。しかし、実は、ボーイはホテル側が3人の男に返金すべき5ドルの内、2ドルをネコババしていたのだ。
さて、部屋代は、3人が10ドルづつ支払ったうち1ドルづつ返金されたので一人9ドル。合計27ドルだ。これにボーイがネコババした2ドルを足すと29ドル。あとの1ドルはどこに?>

続きは明日

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宮崎あおいはいきていた。(2)

2007-08-28 20:02:33 | 日記

宮崎あおい、最高っすね。ところで、彼女はどんな愛を知ってるんだろうか?
”私はかつて愛を知った”ってことは、さすがに彼女は仏文科なので、恋愛小説や、テレビの恋愛ドラマや、その手のDVDやエッチなビデオを、かつて見たり読んだりしたことがあることを表している。だからこそ、特定のオトコがエッチの時にニュルニュルのクスリを使うという事を知っているのだ。でも、彼女がニュルニュルのクスリを何に使うと思ったのかは見当もつかないのだが。
また、"I know"と現在形ではなく"I have ever known"と過去分詞なのは、現在、自分が知りえているかどうかは自信がないのだ。つまり、彼女がかつて知った愛は、その後失われてしまったのだ。事実、彼女は小さい頃に母親を亡くし、父親と弟と3人で暮らしてきた。家族の食事や弟の面倒は彼女がみていたのだ。さらに彼女が大学4年の時に、弟を病気で亡くしている。つらい青春時代だったに違いない。愛を求めてビデオやテレビにのめりこむ日々。彼女がクスリに走ったのも、避けられない事だったのかもしれない。
さて、問題はここだ。愛を失った人や、愛を知らずに育った人は、映画”パフューム/ある人殺しの物語”で描かれていたように、凶悪人になることが多い。もっと、端的に言うのなら、映画”羊たちの沈黙”で出てきたFBI心理分析官バリの心理分析を行うと、彼女のような人は凶悪な犯罪に走りやすいとするほかない。というのも、こないだの米銃乱射大量無差別殺人の犯人と経歴がかなり近いからである。この間の犯人は、こんなメッセージを米NBCに送っている。
「お前らはあらゆる物を手にしていた。メルセデス・ベンツにも満足しなかった。このガキどもめ。お前らは金のネックレスでも満たされなかった。この俗物どもめ。お前らは投資信託の資産にも満足せず、ウオツカやコニャックでも満たされなかった。あらゆる歓楽の限りを尽くしても物足りなかった。これだけあっても、お前らの快楽主義的欲求を満たすことはできなかった。お前らはあらゆる物を持っていたというのに」
宮崎あおい様。あなたはきっと凶悪な心を持つと私はここで断言する。もし、違うというのなら、メールで反論を寄せて欲しい。メールをたくさんもらえるのなら、私は非常に幸福だ。

と、ここまで書いた時、昼休みに外出していた同僚達が戻ってきた。私は、その一人に聞いた。
「ねえ、『ただ、君を愛してる』の続編が作られているって知ってる?」
「え?」
問いかけられた彼女が振り向いた。
「……そんなハズないでしょ。だいたい、どうやって続編なんて作るのよ」
「いや、ストーリーは知らないけど。でも、タイトルは既に決定しているらしい」
「ふうん。……んでタイトルは?」
「『ただ、君を愛してる2――宮崎あおいは生きていた!』」
「なに、3年前のネタを言ってんのよ」
「ほ、本当なのに……。インターネットで調べたんだから間違いない」
「どこのサイトよ、それ」
「どこだか忘れたが。それとも『ただ、君を愛してる――いま、会いにゆきます』だったかな」
「それって、別の映画でしょ!」
「私に言われても困る。他にも『涙そうそう2――にいにいの病死なんてなんくるないさ』とか、『世界の中心で愛を叫ぶPart2――アキ復活』とか」
「もしかして、夢でも見てたの……?」

「なにっ、私は夢を見ていたのか……っorz」
世の中には半覚醒とか白昼夢とか妄想狂とか色々な言葉があって、寝ているか起きているかの区別というのはなかなか難しい。どうやら、私は夢を見ながら文章を作って、それをタイプするという離れ業をやってのけたようだ。ここで私は気がついた。あの映画のヒロインの名前は、宮崎あおいではなく里中静流だった・・・・・・orz。でも、昼休みが終わっちゃったから、この文章を書き直す時間はない。なんてドラマチックなんだろう。2日間の昼休みをかけて書いた文章が、ゴミだったなんて・・・・・・。

I look up as a tear rolls slowly down my cheek
I think about better days and wonder if I'll feel that way again

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宮崎あおいはいきていた。

2007-08-27 19:44:10 | 日記

分泌科。いやもとい、文筆家というものどんな一文からも、それを元に掘り下げてドラマを作り出すことができる。だから、言葉の奇術師を自称している私にもそれぐらいのことはできるはずだ。これは、”できたらいいなあ”という私の夢の話ではない。現実にできるという話だ。絶対に妄想なんかではない。今回はプライドを賭けてこれに挑戦してみたいと思う。

ここに、有名な宮崎あおいのダイイング・メッセージがある。
It was the only kiss, the love, I have ever known... 
この英文を解説してみよう。まずは"the only kiss"のtheだ。なにしろ「あのキス」なのである。英語では特定されるものにtheをつけるのが一般的だ。誰もが知っているはずの「あのキス」とは、どのキスのことだろう。映画「シネマパラダイス」でたくさんの映画のキスシーンがあった。この場合の「あのキス」は、そのうちのどれかなんだろうか?残念ながら、すぐに思いうかぶものはない。
そして、「あのキス」にはonlyという単語が間についている。どう訳すのだろうか?
私の考えでは、これは「オンリー・キス」、すなわち、「キスだけよ。それ以上のオイタしちゃだめよ」というメッセージだと思うのだが、なにかまちがっているだろうか。このようにさりげなく、エッチを断られると、大抵のオトコどもは萌えるのである。そうなんだよなあ、宮崎あおいは多くのオトコどもを萌えさせてるんだよなあ・・・・・・。いかん。妄想は置いておく。

アメリカのキラーズと言うバンドは、80年代風のシンセを駆使して恍惚感を重視したサウンドで人気だが、デビュー作のアルバムにMr. Brightsideと言う曲があり、その歌詞に”Yeah it was only a kiss (oh yeah)”というフレーズがある。これは、”ただのキスだったね”、あるいは、”たった一回きりのキスだったね”という意味なのだが、宮崎あおいが書いたメッセージとは構文が異なることがおわかりであろう。

次に、難解なのは、kissのあとの ”,the love”の部分だろう。この”,the love”という言葉がどこにかかるのかが不明だ。私の考えでは、これは次に来るのがI have ~だから、そちらにかかっていると考える。つまり、"The love, I have ever known..."文法的には関係代名詞のwhichが省略されている。つまり、"The love which I have ever known...(私がかつて知った愛)"だ。
宮崎あおいは仏文科だった。だから、彼女は英語があまり得意ではないのかもしれない。まあ、それでよく1人でニューヨークまで行けたと疑問に思う点がないわけではないが。

私の推測をもとに彼女のダイイングメッセージを正しい英文に書き直してみよう。
"It was the only kiss. I have ever known the love.(キスだけよ。それ以上のオイタしちゃだめよ。私は愛を知ってるんだから)"
 ・・・・・んー。萌える。宮崎あおい、最高っすね。ところで、彼女はどんな愛を知ってるんだろうか?

(明日へ続く)

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