東京都で都知事選が行われた7月7日、
フランスでは、国民議会(下院議会)選挙が行われました。
国民議会の選挙制度は、1区1人選出の小選挙区制で、
有効得票の50%超かつ登録有権者の25%以上の得票を得た
候補がいない場合には、
登録有権者の12.5%以上の得票を得た候補による決選投票が行われます。
6月29日に行われた第1回目の投票では、
マリーヌ・ルペン氏率いる極右野党国民連合の得票率は
29.25%で第1位となり、
そのまま圧勝するかと大方が予想していましたが、
決選投票では、577議席の内、
最大議席を獲得したのは左派連合の人民戦線で188議席、
2番手は大統領中道派のアンサンブルで161議席、
1回目の投票で1位だった国民連合は142議席で3番手と失速しました。
今のヨーロッパ社会はどこの国でも、極右勢力が台頭していて、
フランスでも、そうなるのかと思ったのですが、
フランス国民の中にも、極右勢力への危機感があったのでしょうか、
左派連合とアンサンブルの選挙協力が本格的に行われたようです。
フランスは1789年に人権宣言を定めた国ですし、
ナチスに国土が蹂躙された歴史もあります。
そんな事もあるのかなぁと思ったのですが、どうでしょうか?
極右勢力の台頭は、
難民問題が大きなきっかけだったような気がしています。
中東や北アフリカからの難民がヨーロッパに殺到し、
就労問題などの様々な問題を引き起こしました。
そのため、
外国人の排斥、自国第一主義などを唱えるようになったと思っています。
アメリカのトランプ前大統領もこれに近いものがあるような気がします。
極右勢力は3番手になりましたが、
フランス国内では、3つの勢力で過半数を得たところがありません。
現在の第五共和政では、
執行権は、国民から直接選挙される大統領と、
議会に責任を負う首相とが分有しています。
大統領は外交を、首相は内政を担当するとされていますが、
これまでも、
ミッテラン大統領(フランス社会党)とシラク首相(保守)など、
大統領の出身政党と首相が所属する政党が異なる場合がありました。
それでなくても、それぞれの3つの勢力は、小党の集合体です。
パリオリンピックが行われている中ですし、
フランスではバカンスのシーズンでもありますが、
これから難しい駆け引きが行われるのでしょうね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます