天然居士の独り言

主に日記主体のブログです。

先制不使用・・・

2021年10月31日 18時24分38秒 | 日記
 昨日の共同通信の記事によると、
 イギリスのフィナンシャル・タイムズは29日、
 バイデン政権が「核兵器の先制不使用」政策を検討していると懸念を強めた
 日本や英国、オーストラリアなどの同盟国が、
 同政策を断念するようバイデン政権に働き掛けていると報じたとの事です。

 核兵器の先制不使用は、
 相手方の核攻撃に対する反撃の場合を除き、
 核兵器を使用しないという核保有国の政策です。
 通常戦力、化学・生物兵器による攻撃に核兵器では応酬しないことで、
 核兵器の役割を核対核に限定することを目的とするもので、
 1980年代、マクナマラ元アメリカ国務長官や
 ゴルバチョフ元ソ連書記長らが提唱していました。
 日本を含む同盟国は、
 先制不使用政策によって核保有国の中国やロシアに対する
 抑止力が低下することに危機感があるとして、この政策には懸念を表明しています。
 オバマ元大統領当時も検討されていましたが、
 やはり抑止力の低下を懸念する声から断念した経過があります。
 オバマ政権で副大統領だったバイデン大統領は、
 改めてこの政策の採用を進めようとしているようで、
 大統領就任前、核保有の目的を核攻撃抑止と報復に限るべきだとの考えを
 外交専門誌で語っています。
 なお、核拡散防止条約で核兵器保有が認められている
 アメリカ・ロシア・フランス・イギリス・中国のうち、
 中国のみが先制不使用を宣言しています。

 核兵器の廃絶に向けて、核兵器禁止条約があり、
 今年1月22日に批准国が50に達し条約が発効しています。
 しかしながら、唯一の被爆国である日本は批准していません。
 それはアメリカの核の傘によって守られていると言うのが大きな理由です。
 ご承知の方も多いかと思いますが、
 核の傘は、実際の核攻撃を防ぐものではありません。
 相手国に、もしアメリカの同盟国を核攻撃をすれば、
 自国も攻撃されてしまうと思わせることで、攻撃を抑止しようとするものです。
 言い換えれば、日本が核攻撃をされた場合には、
 アメリカが核兵器で報復してくれると言っていますが、
 最初の攻撃で被害が出る事は間違いないと思います。
 更に言えば、日本が核攻撃を受けた場合に報復の核攻撃を行えば、
 アメリカが今度は核攻撃を受ける可能性が高くなる訳で、
 そこまでして本当に報復してくれるのかとの基本的な疑問もあります。

 したがって、核の傘は完全に核攻撃を防ぐものではありません。
 本当に核兵器の被害を受けないようにするためには、
 迂遠なようですが、核兵器を廃絶する以外ないものと考えています。
 核兵器禁止条約も、今回のアメリカの先制不使用の考え方も、
 そうした核廃絶に向けた一歩なのだと思っています。

 ペリー元アメリカ国防長官や元ホワイトハウス高官など核軍縮の専門家らが
 長崎原爆の日の8月9日に、
 バイデン米政権が検討を進めている「核の先制不使用」を軸とした政策の採用に
 反対しないと宣言するよう求める公開書簡を、
 菅元総理をはじめ、日本の主要政党党首に送っています。
 書簡には、
 「核廃絶に向けた小さな、しかし重要な一歩を、
  核攻撃を受けた唯一の国の日本が阻止することになれば悲劇だ」と書いてあります。

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総選挙の予測・・・

2021年10月30日 17時38分49秒 | 日記
 総選挙も明日が投票日になりました。
 既に投票を済ませられた方もいるかも知れませんね。
 僕は、明日行く事にしています。
 これまで期日前投票は2度ほど行きましたが、それぞれ用事があったからで、
 特に用事のない明日は散歩がてら行こうと思っています。

 総選挙の情勢について、マスコミ各社が報じています。
 26日付の朝日新聞は、「自民が過半数確保の勢い 立憲ほぼ横ばい」
 同じ26日付の産経新聞では、「自民が過半数へ攻防 立憲140議席の勢い」
 27日付の共同通信は、「自公で絶対安定多数 立憲は伸び悩み」
 28日付の日本経済新聞は「自民が単独過半数の攻防 与党で過半数の勢い、」
 29日付の読売新聞は、「自民の単独過半数は微妙 立憲は議席増の公算」
 なお、毎日新聞は、共同通信の記事を報じていました。

 こうして並べてみると、与党に批判的な朝日や共同通信が、
 自民党が堅調に過半数を確保するのに対し、
 立憲民主党が伸び悩みとなっています。
 これに対し、与党寄りの産経新聞や読売新聞は、
 自民党の単独過半数が微妙で、立憲民主党が議席を伸ばすとの見方です。

 それぞれの新聞社は政権との距離感が違いますし、
 読者層も自ずと違うような感じがします。
 政権に批判的な新聞社は、政権に批判的な読者に対しで危機感を煽り、
 政権寄りの新聞社は、同じように政権を支持する読者に
 危機感を煽っているように感じます。
 それはそれで新聞社の政治的なスタンスの問題でもありますから、
 必ずしも悪い事ではないような気がします。

 マスコミの予測報道では、決まり文句のようになっていますが、
 まだ態度を明らかにしていない有権者が何割かいるので、
 情勢が変化するかも知れないとの言い訳が必ず書かれています。
 期日前投票をする人の数が回を追うごとに増えていますから、
 態度を明らかにした人も増えているはずなのですが、
 その辺は、やはり予防線を張るものなのでしょうね。

 さて、明日はどのような結果になるでしょうか?
 今回の総選挙、漠然とした感じなのですが、
 マスコミ報道などを見る限り、
 序盤は与党が堅調だったのに対し、次第に野党が力を伸ばしている感じがします。
 自民党が議席を減らすのは間違いなさそうですから、
 その幅がどの位か、そしてその議席をどの党が獲得するのかが、
 ポイントだと思っています。

 与野党逆転はなさそうな感じがしています。
 与野党が拮抗し、
 これまでの自民党政権のような
 無責任で独善的な政治にならないようになれば良いがと思っています。
 併せて、自民党内では、安倍元総理のような右翼的な政治家が減り、
 復古主義的な流れが止まると良いと思っています。

 僕は以前から選挙の開票速報を楽しみにして来ました。
 最近は、投票締め切りと同時に開票も始まっていないのに、
 バタバタと当選確実者を発表する、所謂ゼロ打ちが多くなっています。
 これは開票速報の楽しみを著しく減らすものだと思っています。
 少しずつ当選確実が出るようになると、観ていて面白いのですが、
 
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昼飯・・・

2021年10月29日 17時52分59秒 | 日記
 一昨日の事です。
 高校の同級生で、現役の頃同じ職場だった友人から連絡があり、
 美味いと評判のラーメン屋に行くのだけど、一緒に行かないかとの誘いがありました。
 彼の外に、もう一人同じような経歴の友達も一緒です。
 時々誘ってくれて、蕎麦かラーメンか焼きそばを食べに行っています。
 家の近くで、電話をくれた友人の車に拾ってもらい、
 宇都宮市北部のラーメン屋に行きました。
 もう40年近く営業している、ご夫婦で営んでいる感じの中華屋で、
 ラーメンと半チャーハンを食べて、そのまま家の近くまで送ってもらいました。
 誘ってくれた友人は、情報通なので、色んな人の噂を聞きました。

 昨日、馴染の蕎麦屋に行く途中、中学の同級生が営む和菓子屋の前で、
 その主人ともう一人の同級生が立ち話をしていました。
 声を掛けたら、後2人和菓子店にいて、一緒に和食屋に食べに行くのだとの事で、
 一緒にどうかと誘われました。
 4人とも男なので一瞬、どうしようかと思いましたが、
 前日に続き人と昼飯を食べるのも悪くないかと思い、同行させてもらいました。
 1台の車に5人乗って、駅東の和食の店に連れて行ってくれました。
 しばらく刺身など食べていなかった事も行きたくなった理由の1つです。
 美味しい海鮮丼を食べました。
 そこから更に、チョッと離れたコメダ珈琲に行って、
 コーヒー飲んで帰って来ました。
 友人たちの内2人とは、以前何度か昼飯に行った事があり、
 どこかの店からコメダ珈琲に行くのが定番のコースになっているのを思い出しました。

 一昨日の友人たちは、コロナを気にする方ではなく、
 緊急事態宣言下でも、誘われた事がありますが、
 昨日の友人には、コロナに神経質になっているのもいるので、
 27日、栃木県内で、今年2月22日以来、8か月ぶりに感染者がゼロだった事も、
 影響しているのかも知れません。
 いずれにしても、栃木県内では警戒レベルが最下級に引き下げられ、
 誘ったり誘われたりが楽になりました。

 昨日は、そのような次第で、帰宅後やる事もあったりしたので、
 日記などは休んでしまいました。
 申し訳ありませんでした。

 2度ある事は3度あると言いますし、
 3度目の正直で、今日は女性と行き会ってランチが出来るかと思い、
 昼前の散歩コースを街中にして繁華街を歩いていましたが、
 残念ながらそう上手くは行かず、
 昨日行くつもりだった蕎麦屋に行って食べて帰って来ました。

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アベノマスク・・・

2021年10月27日 18時00分54秒 | 日記
 今日のネットのニュースを見ていたら、
 新型コロナウイルス対策として国が全世帯や福祉施設などに配った
 通称「アベノマスク」を含む布マスクについて会計検査院が調べたところ、
 国が調達した計2億9千万枚のうち3割近い
 約8300万枚(約115億1千万円相当)が、今年3月末時点で配布されず
 倉庫に保管されていたことが分かったとの記事がありました。
 しかも、保管にかかった費用は、昨年8月~今年3月で約6億円に上るとの事です。
 僕が読んだのは、朝日新聞デジタルの記事でしたが、
 これは日経新聞が今朝の朝刊で報じた事だったようです。

 ご承知の通り、国は新型コロナ感染拡大に伴うマスク不足を受け、
 当時の安倍晋三総理の肝いり政策として、
 2020年4月以降に全世帯向けの布マスク約1億3千万枚を調達し配布しました。
 その事から、安部元総理の経済対策であったアベノミクスにちなんで、
 アベノマスクと呼ばれ、多くの国民を怒らせ、嘲笑されました。
 配布した布マスクに汚れなどの不良品の指摘があり、
 納入元が未配布分を回収、検品するなどのトラブルも起きました。
 検査院がこれらの布マスクについて調べたところ、
 全世帯向けのアベノマスク約400万枚と、
 福祉施設や妊婦向けの約7900万枚の計約8300万枚が配布されず、
 倉庫に保管されていたとの事です。
 その後、磯崎仁彦官房副長官は今日午前の記者会見で、この事実を認め、
 磯崎氏は「必要に応じて検討したい」と語ったと報じられています。

 我が家にも昨年5月30日にアベノマスクが届きました。
 その時の日記に、
 「このまま使わずに取っておいて、
  2020年春の新型コロナウイルスによる騒動の時に、
  466億円もの巨額の税金を使って、このようなマスクを各家庭に送り、
  世界中から冷笑され、国民からも呆れられた
  馬鹿な総理大臣がいた事の歴史の証拠として
  残して置いても良いかなと思いました。」と書きましたが、
 今も家にアベノマスクは残っています。

 このマスク、どうして政府は残していたのか不思議でなりません。
 使わないものならば処分すれば良いと思いますが、
 処分すれば税金の無駄遣いとして叩かれるのが見えていますから
 決断できなかったのでしょうか?
 それとも、安倍元総理が発案したマスクなので、
 その顔色を窺い、ともかく黙っていようとしたのでしょうか?
 その保管料が8か月で約6億円との金額も驚きですが、
 それだけの保管料をこれからも支払い続けるのでしょうか?
 正に国民は踏んだり蹴ったりだと思います。

 政府は、これから処分方法を検討すると悠長な事を言っていますが、
 一番良いのは発案者である安倍元総理に
 引き取ってもらう事のような気がします。
 政治家は自分が決めた事でも責任を取りません。
 そのため、単なる思い付きでマスクを配布し、
 多額の税金の無駄遣いをさせても
 平気な顔で各地の立候補者を応援して歩いています。
 そうした無責任体質を改めさせる意味からも、
 残ったマスクを引き取らせ、国庫の負担を減らすべきだと思いますが、
 いかがでしょうか?
 もっとも、マスクに限らず、
 安倍元総理の発案による無駄遣いは他にもありそうな気はしますが。

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軽石・・・

2021年10月26日 18時33分56秒 | 日記
 沖縄県の海に、大量の軽石が流れ着き、
 既に漁業に大きな被害が出ていますし、
 綺麗な沖縄の海が茶褐色に変色し、
 マリンレジャーなどの観光業にも影響が出ているとの事です。

 この軽石は、8月13日、
 小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」で噴火が発生した事によるものです。
 産業技術総合研究所などの研究グループは、
 噴出したマグマの量などの分析から、
 明治以降の国内の火山噴火としては最大クラスの規模だったとしています。
 軽石は今月4日頃から、沖縄県の北大東島の海岸に流れ着き、
 10日頃には、鹿児島県喜界島に流れ着き、
 15日頃には、鹿児島県奄美大島でも確認され、
 漁船が軽石を吸い込んで停止するトラブルも起きました。
 沖縄本島には、17日頃漂着したようで、
 20日以降、沖縄本島の各地で軽石の漂着が確認されているとの事です。
 23日の夜には沖縄県糸満市の南方およそ55kmの海上で、
 海上保安部の巡視艇「しまぐも」が軽石を吸い込んで航行不能になっています。
 昨日25日には、国頭村の漁港の生けすで、
 サバの仲間200匹余りが死んでいるのが見つかりましたが、
 エサと間違えて軽石を食べたとみられたとの事です。
 今日も、さらに広い範囲で漂流・漂着が確認されているとの事です。

 海底火山を研究している琉球大学の加藤祐三名誉教授は、
 「一気に流れ着くわけではなく、今後、漂着する軽石は増えていくだろう」と述べ、
 「人間が撤去するのはやれないと思う。
  自然現象として1年から2年してきれいになると思う」とも語っています。
 更に、海洋研究開発機構の専門家のシミュレーションによると、
 11月には、四国から本州に達する可能性もあるとの事です。

 沖縄県や政府は、迅速な復旧に努めるとしていますが、
 まだ現状把握の状況で、どのような対策が出来るのかは明らかになっていません。
 現在、台風20号が発達しながら小笠原諸島に向けて進んでいます。
 海が荒れて、軽石が被害を出さないように拡散されれば良いですが。
 ともかくも、改めて自然の威力を感じています。

 軽石は、多孔質のため保水性が良いので園芸用土として使われています。
 その代表的なものが栃木県鹿沼市から産出し盆栽等に使われる鹿沼土です。
 また、切り出して小判型に加工したものが、
 踵の角質化した皮膚をこそげ落とすために使われていて、
 愛用されている方もいらっしゃるかと思います。
 不謹慎かも知れませんが、思い出してしまったので書いて置きます。
 作家の山口瞳は、謹厳実直な人で、浮いた話が1つもありませんでした。
 そのため仲間たちから軽石と呼ばれていました。
 その意味は、「かかとするばかり」と、当人が随筆の中で書いていました。

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参議院補欠選挙・・・

2021年10月25日 18時47分15秒 | 日記
 総選挙の選挙戦が行われている最中ですが、
 昨日、山口県と静岡県で参議院議員の補欠選挙がありました。
 結果はご承知の通り、山口県は自民党の公認候補が当選し、
 静岡県では、無所属で立憲民主党と国民民主党が推薦した候補が当選しました。
 山口県では、午後8時に当選確実が出たとの事ですが、
 静岡県では、深夜まで結果が判明しない接戦だったようです。

 今回の補選は、いずれも自民党議員の辞職によるもので、
 ある意味、自民党が勝って当然だったと思います。
 特に静岡県は、岸田総理が2回も応援に訪れたとの事ですし、
 選挙前には、自民党有利の予想でした。
 政権にとっては、大きな痛手になるとの見方が報じられています。

 総選挙への影響ですが、どうなるでしょう?
 最新の時事通信の予想では、
 自民党が単独過半数の233議席をうかがう情勢で、
 公明党と合わせて、260議席程度になるような予想になっています。
 今回の参院補選、特に静岡県の結果は、
 野党側に追い風になり、自民党の議席を減らす事になるでしょうか?
 それとも自民党は、この結果を踏まえて、全力を挙げて組織選挙を行い、
 上記の予想を超えるでしょうか?

 今回の静岡県の野党側候補は、立憲民主党と国民民主党の協力体制で、
 共産党は別に候補を立てていました。
 総選挙の野党共闘は、立憲民主党と共産党を中心にしています。
 その違いが何か出るのかは気になります。

 国政選挙の時には、風が吹くような気がしています。
 最近は、安倍政権の一強ムードで自民党が圧勝して来ましたが、
 長期の安倍政権に対する批判の声は根強く、
 それを岸田総理が引き継ぐ形になっているように感じています。
 今回の静岡県の補選は、
 到底敵わないだろうと思っていた野党側の候補が当選した事で、
 野党側に風が吹きそうな気がしていますがどうなるでしょう?

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天皇制・・・

2021年10月24日 18時24分53秒 | 日記
 ここのところ、眞子様のご結婚や自民党総裁選の際の女系天皇問題など、
 天皇制が話題になっています。
 だからと言う訳ではありませんが、
 先日から、青山学院大学名誉教授だった吉田孝さんの
 「歴史のなかの天皇」を読んでいました。
 吉田教授は日本の古代史が専門ですが、
 日本史の流れに沿って、
 古代から中世、近世、明治、そして戦後までの天皇制について述べていて、
 とても良い本だと思いました。

 日本国憲法の基本原則は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義ですが、
 現在の天皇制は、憲法で定められてはいるものの、
 この基本原則からすると、例外的な存在だと考えています。
 吉田教授は、アメリカでは戦争中から日本の占領政策の研究が行われていて、
 昭和天皇と天皇制を区別して、
 それぞれにどのように対処するのか検討され、
 これによって、昭和天皇を戦犯としなかったと述べています。
 ポツダム宣言を受諾するに当たって、日本では国体護持を強く求めていましたが、
 そうした日本側の意向との政治的な妥協の上に、
 現在の象徴天皇制が出来たものと僕も考えています。

 日本史の中で、天皇が持っていた権能なども変化していきます。
 全体的に見た場合、天皇が政治の主体であった時期は短かった感じがします。
 平安時代の摂関政治では、実質的に政治を行っていたのは、摂関家ですし、
 朝廷の煩雑な儀式から逃れるため、院政が行われます。
 武家社会になると、実質的な政治は武家が行う事になり、
 これを覆そうとした後醍醐天皇の建武の新政も失敗します。
 戦国時代、戦国大名は天皇の権威を利用しようとしますが、
 実体的な権能を天皇に渡す訳ではありませんでした。
 江戸時代の天皇は、将軍の権威を高める役割を果たします。
 将軍の代替わりには、勅使が派遣され、将軍宣下を読み上げますが、
 その場合、将軍が上座、勅使が下座でしたから、
 建前と実態を鮮やかに映し出していました。

 皇室の宗教は神道と考えがちですが、これは明治以降の事で、
 奈良時代以来、朝廷は仏教を取り入れて来ました。
 それが排除されたのが、明治になってからの神仏分離で、
 維新政府は、天皇の現人神化を目指し、神道国教化と仏教抑圧を進めます。
 宮中でも、宮中に安置されていた、仏像・位牌・仏具などが、
 近世の皇室の菩提寺である泉湧寺に移されています。
 その他、「歴史のなかの天皇」には、多くの興味深い事が述べられていました。

 天皇制について、色々な議論がありますが、
 現在右派の人たちが主張する天皇制は、
 極端な尊王思想に基づいて、明治政府が作った制度のような気がします。
 少し冷静に議論すべきテーマのような気がします。

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暗殺の幕末維新史・・・

2021年10月23日 18時17分17秒 | 日記
 先日、一坂太郎さんの「暗殺の幕末維新史」を読みました。
 一坂さんについては、今年の1月25日に書きましたが、
 信頼出来る幕末維新史の研究者だと思っています。
 https://blog.goo.ne.jp/tennenkozi/d/20210125

 幕末から明治維新にかけて、多くの暗殺が横行します。
 一坂さんが「はじめに」で書いている事によると、
 ペリー来航から王政復古までの僅か10数年の間に、
 その数は100件を超える暗殺事件との事です。
 西洋人と言う異分子を排除し、天皇と言う古くとも新しい価値観を
 力任せに押し通そうとした人々の存在が
 その理由と浮かび上がって来るとの事です。
 また、さらし首に興味津々で、血まみれの写生画を流行らせる
 歪んだ民衆の残忍さも見えて来ると述べています。
 そして、政権交代としての「明治維新」を正当化するため、
 靖国神社への合祀や贈位が便利なシステムとして利用されたとも指摘しています。

 本文では、こうした暗殺事件の詳細を、その背景、実行者の名前やその後、
 更には明治政府が名誉回復のために贈位したか、靖国神社に祀られたかを、
 多くの資料に当たりながら、コンパクトに記述しています。
 この時代については、多くの作家が歴史小説を描いていますが、
 その中の主人公の多くは、実際に殺害に加わらないまでも指示するなど、
 暗殺事件に関与していない人はいないような感じがします。
 吉田松陰も当初はペリーの暗殺を企み、
 それが叶わないとペリーの艦船で世界中を見て回ろうとしますが、捕らえられます。
 野山獄にいる間に、門下生に紀州藩付家老の暗殺を指示します。
 もっとも、これは実行されませんでしたが。
 自らも老中間部詮勝殺害を計画した事を自白してしまい、これで処刑されています。

 こうした暗殺事件を思想的に支えたのが、
 水戸学から起こった復古主義の尊王運動であり、
 神国思想の狂信者によって暗殺が行われ、
 更に海防論から生まれた攘夷運動によって、多くの外国人が殺害されました。
 そして明治維新後には、不平士族や狂信者が今度は政府高官を暗殺します。
 尊王攘夷で蒔いた暗殺の種は、明治維新後にも惨劇を起こしたと思いました。

 また、土佐の岡田以蔵など実際に手を下すのは下級武士が多く、
 長州藩では、薩摩藩の船舶を攻撃する加徳丸事件が起こり、
 この解決策として、無実の下級武士2人を無理やり切腹させてしまいます。
 こうした例を挙げながら、
 いわゆる志士たちの冷酷さも述べているような感じがしました。

 とにかく、「明治維新」の実態を明らかにしていて、
 若干血生臭い感じもしますが、好著だと思いました。

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忘年会・新年会・・・

2021年10月22日 18時57分36秒 | 日記
 昨日は所用により上京していました。
 緊急事態宣言中も、不要不急ではない事から上京していましたが、
 確実に人出が増えていると思いました。

 今日のネットにニュースを見ていたら、
 『忘・新年会離れが深刻、企業の7割が「開催しない」』とのニュースがありました。
 東京商工リサーチが発表した記事のようです。
 飲食業界からは、
 一部地域の飲食店(認証店)の時短営業が10月25日から解除され、
 飲食店の忘年会、新年会への期待はこれまでになく高まっている中で、
 10月1日~11日、全国の企業を対象に
 忘・新年会の開催意向のアンケート調査を実施した結果との事です。

 その調査(有効回答8174社)では、
 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に関係なく
 忘年会、新年会を「開催しない」と回答した企業は
 70.4%(5760社)に達したとの事です。
 都道府県別では、「開催しない」は奈良県が84.3%(51社中、43社)でトップ。
 また、大分県81.8%(66社中、54社)、栃木県80.7%(140社中、113社)、
 高知県80.5%(36社中、29社)、富山県80.0%(70社中、56社)の5県が
 80%台だったとの事です。
 一方、「開催しない」の最低は
 時短営業の要請が続く沖縄県で、48.5%(70社中、34社)だったとの事です。
 少し調査対象が少ないような気がしますが、
 回答しなかった企業が多いのかも知れません。

 今でも国の広報では、多人数での会食は避けるように言っていますので、
 こうした政府の方針に従っているような気がします。
 あるいは、多くの企業が、社員の感染などで、
 職場の閉鎖や消毒などの負担を強いられたのでしょう。
 更に、企業の対外的な評判にも影響を及ぼしたのかも知れません。
 その辺で、敢えて危険な事はしないと言うのも理解できます。

 また、何の調査だったか覚えていないのですが、
 以前、新型コロナウイルスの感染拡大で良かった事に、
 職場の飲み会が減ったとする事を挙げる人が多かった記憶があります。
 今の若い人には、何かと言うと酒飲みを行う職場は嫌われるのかも知れません。
 新型コロナウイルスによって、社会の様々な事が変化しそうに感じていましたが、
 職場の飲み会もその1つになるのでしょうか。

 かつて、東日本大震災の直後、自粛ムードが広がって、
 年度替わりの色々な酒飲みが無くなった時がありました。
 その時は、行政が復興を進める観点から飲み会の実施を勧めた事で、
 次第に元に戻りました。

 今回の調査結果を見ると、以前として飲食業界は深刻な影響を受けそうですし、
 酒類の関係業界、素材を提供する農林水産業界も
 完全に元に戻らない事も考えられます。
 総選挙が終わった後の政権にとって、
 どのような方針で忘年会・新年会に臨むのかは、
 コロナ対策の課題の1つになりそうな気がします。

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勝敗ライン・・・

2021年10月20日 17時31分53秒 | 日記
 昨日、総選挙が公示されました。
 新しい総理大臣が決まって、1か月も経たない総選挙は異例です。
 どのような結果になるでしょうか?

 岸田総理大臣は、勝敗ラインを「与党過半数(233議席)」と言っています。
 マスコミは勝ったか負けたかをハッキリさせるために、
 勝敗ラインにこだわるのかも知れませんが、
 今の議席数を減らしても勝ったと言うのは変なのではないかと思います。
 解散の時点で、自民党は276議席で、公明党が29議席ですから、
 与党は305議席になります。
 233議席が勝敗ラインとすると、
 72議席、概ね4分の1減らしても負けてはいないと言う事になります。

 自民党内では、
 276議席から「20~30議席は減らす」との見方があると報じられていますので、
 減少するのは織り込み済みなのでしょう。
 岸田総理の責任問題に繋がらぬよう、
 低目の勝敗ラインを設定したのだと思いますが、
 保身に走っているようで、覇気を感じられません。

 一方の立憲民主党は今回、定数465議席の過半数を上回る240人を擁立しました。
 共産党が候補者を取り下げ、野党共闘が進展した結果だと思います。
 議席の獲得目標を問われて、枝野代表は、
 「人生をかけて仲間が立候補の決意をしている。
  私の立場からは全員当選を目指すとしか言いようがない。」と述べています。
 枝野代表の言う事の方が、仲間を思う気持ちを込めた意気込みを感じます。

 今日から期日前投票が始まったとは言え、
 圧倒的多数の人が投票していないのにも関わらず、
 多くのマスコミが獲得議席数の予想を発表しています。
 これにどれだけの意味があるのか、僕には分かりません。
 この予想や、これから報じられるであろう、選挙区ごとの情勢などを
 見極めて投票する人もいるのかも知れませんが。

 期日前投票は選挙の度ごとに利用する人が増えているようです。
 各選挙管理委員会が投票率のアップのため、様々な取り組みをしているので、
 そうした効果も出ているのでしょう。
 もちろん、棄権するよりは、はるかに良いとは思っています。
 しかし、期日前投票は再投票が出来ません。
 極端な話、立候補者が死亡した場合、その候補者に投じられた票は無効になります。
 その他、これから10日余りの間の情勢の変化にも対応できません。
 僕は、今の所予定がないので、31日に投票するつもりでおります。

 明日は、所用により日記などは休ませて頂きます。
 お含み置き下さい。

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