京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

夢の扉 『子供たちの伝統工芸品を』

2013-08-23 06:33:23 | 美術・博物館



連日の猛暑にかなりうんざりしています。
先日夕刻ひさしぶりに雨が降りましたが、すぐに上がってしまいました。
もう少し降ってほしかったです。
今日は雨が期待できそうですが、はたしてどうでしょうか。

今回見た夢の扉は、いままでの放送分と少し色合いが違いました。
いままでのはどちらかと言えば、新しい技術で夢の扉を開ける内容でしたが、
今回(8月18日放送)は、長い日本人の生活に根付いてきた伝統技術の市場を、
従来の発想を変えて、新たに切り開いていくというものです。

今回の主人公は、株式会社 和える(aeru)代表の矢島里佳さん、
今年大学院を卒業したばかりの25歳のお嬢さんです。
彼女は中学生の頃、茶華道部で日本の伝統産業品の魅力 に目覚めましたが、
わずか30年で、生産額・職人 の数ともに、3分の1まで激減している、
日本の伝統産業の現実にも危機感を覚えます。

何とか伝統産業を守りたい。 日本の伝統工芸品を未来に繋げたい。
身近な存在にならないと未来に残っていかない。
未来に残すには、伝統工芸品を子供たちへという発想が生まれます。
大人向けの商品ではなく、職人が一つ一つ手作りする、
子どものための伝統工芸品に着目します。

化学薬品は一切使わない徳島県の「本藍染の産着」、愛媛県の砥部焼き、
石川県の山中漆器の技術で作られた「こぼしに くい器」など、
100年以上続く伝統と、現代のライフスタイル をミックスした、
新たな育児用品が生まれていました。

伝統産業、伝統工芸品を子供たちにというのは、確かに新しい発想だと思います。
それが消費者に支持され、実際に消費に結び付けばいいと思いますが、
道のりは大変だと思いました。



伝統産業といえば、京都の西陣産業の衰退も同様です。
かつて応仁の乱に山名宗全が陣をかまえたことから発した西陣。
織物の町として栄えたこの町も、着物離れ・職人の高齢化がすすんでいます。
私が京都に来た、1971年頃はまだまだ活気がありました。
西陣の地では、朝から遅くまで機織りの音が絶えませんでした。
最近はめっきり聞こえなくなっています。
西陣の衰退の大きな要因は、日本人全体で着物ばなれが進んだことでしょう。
私の周囲でも、とんと見かけなくなりました。
なんとか歯止めをかけようと、業界、行政が一生懸命努力されています。
京都きものパスポートが一例です。
これは、商工会議所・和装関係団体が一体となって、
きもの姿の方々にやさしいまちをつくろうとする取り組みです。
京都は観光地でもあるので、例えば二条城などでは着物であれば、
入場料が無料になるなどしています。
二条城意外にも観光寺院の割引、協力飲食店のワンドリンクサービスもあります。
そういう効果もあってか、若い男女連れの着物姿もみかけるようになりました。
やはり、伝統産業の継承には、官民の協力もかかせないと思います。


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