京都近代美術館で『明治150年展 明治の日本画と工芸』が開催中です。
会期は3月20日(火)~ 5月20日(日)。
明治時代に入ると政府主導の殖産興業や輸出振興政策が推し進められ、海外での日本美術への関心が高まりました。
京都では地場産業の振興を目的の一つとして京都府画学校が設立され、多くの日本画家が工芸図案制作に携わることで、時代に即した図案の研究が進められました。
今回の展示会では明治の工芸図案、美術工芸作品や工芸図案を描いた日本画家たちの作品を一堂に展示されています。
近代化していく社会の中で生み出された明治の貴重美術品です。
幸野楳嶺、今尾景年、田村宗立、竹内栖鳳などの日本画は見ごたえがあります。
竹内栖鳳の作品は「羅馬古城図」、「池塘浪静」、「魚樵山水図」、「雨」です。
「池塘浪静」
若い頃の作品ですが、跳び跳ねた魚の一瞬を切り取った絵です。
「羅馬の図」 展示されている「羅馬古城図」ではないですが。
岸竹堂 細地孔雀に花文様型友禅染裂下絵
明治の工芸では三代清水六兵衛、超絶技巧で有名な宮川香山、並河靖之、安藤緑山、明珍などの自在置物などはすばらしいものです。
並河靖之 桜蝶図平皿 明治時代
「自在置物」
錫や銅など金属で作られた工芸品です。
どれも本物そっくりで、しかも関節なども曲がります。
蛇 作 明珍 全長 84.4cm
安藤緑山 「竹の子、梅」象牙の作品です。
安藤緑山 「蜜柑牙彫り物置物」
超絶技巧で日本の近代工芸を牽引した、宮川香山の作品も展示されています。
展示作品とは違いますが、以前大阪市立東洋陶磁美術館で開催された『没後100年宮川香山』の作品です。
高浮彫蛙武者合戦花瓶
高浮彫桜二群鳩三連壺
高浮彫灯籠二猿花瓶
高浮彫四窓遊蛙獅子ツマミ蓋付壺
近代日本の素晴らしい日本画と工芸です。