20代から30代の前半までは、
プレーヤーとして自身の実務能力を高めることに
邁進することは、間違ってはいません。
というか、やはり実務が出来ないというのは
自身がマネジメント層になった際、説得力が欠けるので、
営業なら年間18棟以上、
意匠設計だけなら年間24棟以上、
意匠+実施設計なら年間12棟、
現場監督であれば年間18棟以上、
高いレベルでこなせるようになっておくべきです。
ところが、30代後半以降は、
実務がどれだけできようが、
チームをまとめることができる人格と人望、
それから問題点を把握して対策が打てるような
論理的な思考力を身につけておかないと、
成長した組織の中で居場所がなくなっていく可能性が高いです。
営業マンとして優秀だったのに、
いざマネージャーとなり、複数の拠点を任されたりすると、
ポンコツなマネージャーとなる方を
これまで結構見てきました。
軍隊で言えば、1人の兵士に対し、
具体的なアドバイスするのは得意なのですが、
戦況を分析し、1か月後にはこうなるだろうから、
今からこういう準備をしなくてはいけない、
というような視点が持てないのです。
目先のことしか見えていない。
目先の一手しか打てないのです。
部隊をこういう人が率いると、
間違いなく長い戦争では負けますよね?
個人としての実務力があるだけでなく、
科学的に現状を分析したり、市場を調査したりして
問題点を発見し、対策を打つ。
こうした論理的思考に基づいた分析と対策が打てないと
マネージャー職は務まらないのです。
また今の若い方で優秀な方は、
本当に能力が高く、しかも謙虚ですなおです。
大谷翔平さんの影響を受けている、
今、若くて優秀な方は、
能力だけ高くともダメで、そこに人間性も伴わなければ、
一流とは言えない、ということをわかっておられると思います。
(ちなみに私くらいの年代は、一流の能力があれば、
俺流で好き勝手やっていい、という価値観)
能力だけでなく、人間性も一流のスタッフさんをまとめるには、
リーダー自身の人格も一流でなくてはなりません。
年齢と共に、立場は変わり、
求められる能力も変わってくるのです。
こういうことは、歴史を勉強したり、
ビジネス書を読んでいる人は理解できるのですが、
個人の能力と馬力だけで乗り切ってきて
勉強していない人は理解できていなかったりします。
だからビジネスパーソンは学び続けなくてはならないのです。