鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第1252回】 雇っていただいているという、感謝の気持ち

2014年06月05日 | 住宅コンサルタントとして
今、私は経営者ですが、3年半前までは雇っていただいておりました。

これは起業して、自分で経営して初めてわかることですが、
経営陣サイド(雇う側)と社員サイド(雇われる側)では全く価値観や考え方が異なります。

私が初めて務めさせていただいた企業は、業界一の大企業でしたが、20代の私は完全の世の中をナメていて、

「ウチの会社の経営陣や商品開発部隊はアホばっかりやん!
俺に任せれば、こうするのに・・・」

という考えを持ち、更にそれを堂々と口に出すような、まあ、鼻っぱしの強い社員でした。
(もちろん、営業マンとして結果を出していましたが・・・)

ただ、日々働く中で、

「ライバル会社から声がかかるくらいのビジネスパーソンにならなくてはならない。
自分が勤めている会社から、『お前は明日から来なくていい』と言われても、困らない自分でありたい」

という気持ちで日々、仕事に取り組んでいました。

会社に対してちゃんと物事を言うために、自分の結果を出し続けなくてはならない、という気持ちは
常に持って働いていました。

当時は、それが正しい考え方だ、というように思っていましたが、
今の自分からすれば、勘違いはなはだしいですね。

多分、今の自分が15年前の自分に会えば、ぶん殴っていると思います。

「雇用していただいている」という感謝の気持ちが圧倒的に足りないのです。

そもそも、どれだけ優秀な営業マンであったとしても、売る商品がなければ、お客様に選んでいただけません。

更に育てていただいたことに対して、何とも思っていないのです。
まるで自分一人で勝手に育ったみたいな勘違いをしていたと思います。

今から思うと、ちょっと情けないですね・・・。

ただ、当時の自分が思っていたのは、
いつ会社にクビを通告されても困らないくらい、自分に力をつけておくこと。

そして、雇用する側も雇用される側もフィフティー・フィフティーで、
対等な関係であること(要するに、依存しすぎないことが理想だと思っていました)。

でも、そんなちっちゃいことよりも、もっと考えなくてはならなかったのは、
今、自社から商品を買って下さっているお客様にもっとお役に立つためには
何をしなくてはならないのか、ということ。

それから、自身が成長して認められるようになれば、
より会社をより良い方向に改革出来るということ。

今、経営者になって気づくことです。

その当時はお互いが依存し合わない関係が理想だと思っていましたが、
今の自分なら、こう思います。

理想の関係は、「我が社で働いてくれて、ありがとう!」と経営サイドが社員さんに思い、
社員さん側が「こんな私に働く環境を与えて下さって、ありがとうございます!」と
社員さんサイドが思うこと。

要するに、お互いに感謝の気持ちを持って、良い信頼関係を築くことです。

そんな感謝の気持ちに溢れた会社さんを一社でも増えていけば・・・。

そのために、非力ながら私も頑張っていきたいです。
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