2022年3月5日 弁理士試験 代々木塾 特許法 その2
(特許要件の特例)第百八十四条の十三
第二十九条の二に規定する他の特許出願又は実用新案登録出願が国際特許出願又は実用新案法第四十八条の三第二項の国際実用新案登録出願である場合における第二十九条の二の規定の適用については、同条中「他の特許出願又は実用新案登録出願であつて」とあるのは「他の特許出願又は実用新案登録出願(第百八十四条の四第三項又は実用新案法第四十八条の四第三項の規定により取り下げられたものとみなされた第百八十四条の四第一項の外国語特許出願又は同法第四十八条の四第一項の外国語実用新案登録出願を除く。)であつて」と、「出願公開又は」とあるのは「出願公開、」と、「発行が」とあるのは「発行又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開が」と、「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。
(1)184条の13は、29条の2に規定する他の出願が国際特許出願又は国際実用新案登録出願である場合の特例について規定している。
(2)184条の13の趣旨
特許協力条約に基づく国際出願は、国際出願日が認められると各指定国において国際出願日から正規の国内出願としての効果を有するものとなり、国際出願日は各指定国における実際の出願日とみなされること(PCT11条(3))及び国際出願は優先日から18箇月を経過した後速やかに国際公開がされること(PCT21条)から国際公開をもって出願公開に代えることとし、出願公開の対象とはしないこととしたこと(184条の9第4項)から、日本国を指定国に含む国際出願であって国際公開がされたものについては、その国際出願日後の後願を拒絶することを認めることとした。
ただし、平成6年改正前の規定では、外国語特許出願については、「出願翻訳文」(現在廃止)に記載されていない事項については国際出願当初から記載されていなかったものとみなしていたことから、外国語特許出願が29条の2に規定する他の出願(先願)である場合に、後願を排除できる範囲は、その外国語特許出願の国際出願日における明細書、請求の範囲若しくは図面(図面の中の説明に限る。)に記載された発明であって、これらの書類の「出願翻訳文」に記載された発明又は国際出願日における図面(図面の中の説明を除く。)に記載された発明とされ、外国語実用新案登録出願についても同様の取扱いとされていた。
しかし、平成6年改正において、外国語書面出願(36条の2)については外国語書面に記載された発明について後願を排除できることとしたため(29条の2)、外国語特許出願及び外国語実用新案登録出願についても、国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明又は考案について後願を排除できることとした。
(3)29条の2において規定する他の出願(先願)として取り扱われるのは、外国語特許出願又は外国語実用新案登録出願のうち日本国に明細書及び請求の範囲の翻訳文が提出されたものに限られ、これらの翻訳文を提出せず、184条の4第3項又は実用新案法48条の4第3項の規定により取り下げられたものとみなされた出願は、29条の2の規定の適用からは除外することとした。
その理由は、次のとおりである。
(a)PCTに基づき日本国を指定国とする国際出願は、正規の国内出願としての効果を有することになるが、その効果を日本国において維持することが手続的に確定するのは、翻訳文の提出及び手数料の納付等の所定の手続をした時点であるからである。
(b)29条の2は、39条の規定により先願が後願を排除できる範囲を拡大する効果を与える規定でもあるが、日本国に対し翻訳文を提出しない外国語特許出願は、36条2項に規定する願書に添付した明細書等が存在しないため、39条の先願としての地位を有しておらず、このような出願に対してまで拡大された先願の地位を与えることは適当でないと考えられるからである。
(4)国際特許出願又は国際実用新案登録出願は、出願公開がされないので(184条の9第4項)、国際公開がされたことが29条の2の適用の要件となる。
外国語特許出願について国内公表がされることは、29条の2の適用の要件とはならない。
(5)日本語特許出願については、国際公開時に特許庁に係属していれば、その後、特許庁に係属しなくなっても、29条の2の適用には影響を与えない。
(6)外国語特許出願については、国際公開時に特許庁に係属しており、かつ、翻訳文不提出によりみなし取下げとならない限り、その後、特許庁に係属しなくなっても、29条の2の適用には影響を与えない。
(7)外国語特許出願又は外国語実用新案登録出願が29条の2の他の出願(先願)に該当する場合は、国際出願日における明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明(原文に記載された発明)と同一発明の後願を排除することができる。翻訳文の記載は、29条の2の適用において、考慮されない。
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第二十九条の二に規定する他の特許出願又は実用新案登録出願が国際特許出願又は実用新案法第四十八条の三第二項の国際実用新案登録出願である場合における第二十九条の二の規定の適用については、同条中「他の特許出願又は実用新案登録出願であつて」とあるのは「他の特許出願又は実用新案登録出願(第百八十四条の四第三項又は実用新案法第四十八条の四第三項の規定により取り下げられたものとみなされた第百八十四条の四第一項の外国語特許出願又は同法第四十八条の四第一項の外国語実用新案登録出願を除く。)であつて」と、「出願公開又は」とあるのは「出願公開、」と、「発行が」とあるのは「発行又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開が」と、「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。
(1)184条の13は、29条の2に規定する他の出願が国際特許出願又は国際実用新案登録出願である場合の特例について規定している。
(2)184条の13の趣旨
特許協力条約に基づく国際出願は、国際出願日が認められると各指定国において国際出願日から正規の国内出願としての効果を有するものとなり、国際出願日は各指定国における実際の出願日とみなされること(PCT11条(3))及び国際出願は優先日から18箇月を経過した後速やかに国際公開がされること(PCT21条)から国際公開をもって出願公開に代えることとし、出願公開の対象とはしないこととしたこと(184条の9第4項)から、日本国を指定国に含む国際出願であって国際公開がされたものについては、その国際出願日後の後願を拒絶することを認めることとした。
ただし、平成6年改正前の規定では、外国語特許出願については、「出願翻訳文」(現在廃止)に記載されていない事項については国際出願当初から記載されていなかったものとみなしていたことから、外国語特許出願が29条の2に規定する他の出願(先願)である場合に、後願を排除できる範囲は、その外国語特許出願の国際出願日における明細書、請求の範囲若しくは図面(図面の中の説明に限る。)に記載された発明であって、これらの書類の「出願翻訳文」に記載された発明又は国際出願日における図面(図面の中の説明を除く。)に記載された発明とされ、外国語実用新案登録出願についても同様の取扱いとされていた。
しかし、平成6年改正において、外国語書面出願(36条の2)については外国語書面に記載された発明について後願を排除できることとしたため(29条の2)、外国語特許出願及び外国語実用新案登録出願についても、国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明又は考案について後願を排除できることとした。
(3)29条の2において規定する他の出願(先願)として取り扱われるのは、外国語特許出願又は外国語実用新案登録出願のうち日本国に明細書及び請求の範囲の翻訳文が提出されたものに限られ、これらの翻訳文を提出せず、184条の4第3項又は実用新案法48条の4第3項の規定により取り下げられたものとみなされた出願は、29条の2の規定の適用からは除外することとした。
その理由は、次のとおりである。
(a)PCTに基づき日本国を指定国とする国際出願は、正規の国内出願としての効果を有することになるが、その効果を日本国において維持することが手続的に確定するのは、翻訳文の提出及び手数料の納付等の所定の手続をした時点であるからである。
(b)29条の2は、39条の規定により先願が後願を排除できる範囲を拡大する効果を与える規定でもあるが、日本国に対し翻訳文を提出しない外国語特許出願は、36条2項に規定する願書に添付した明細書等が存在しないため、39条の先願としての地位を有しておらず、このような出願に対してまで拡大された先願の地位を与えることは適当でないと考えられるからである。
(4)国際特許出願又は国際実用新案登録出願は、出願公開がされないので(184条の9第4項)、国際公開がされたことが29条の2の適用の要件となる。
外国語特許出願について国内公表がされることは、29条の2の適用の要件とはならない。
(5)日本語特許出願については、国際公開時に特許庁に係属していれば、その後、特許庁に係属しなくなっても、29条の2の適用には影響を与えない。
(6)外国語特許出願については、国際公開時に特許庁に係属しており、かつ、翻訳文不提出によりみなし取下げとならない限り、その後、特許庁に係属しなくなっても、29条の2の適用には影響を与えない。
(7)外国語特許出願又は外国語実用新案登録出願が29条の2の他の出願(先願)に該当する場合は、国際出願日における明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明(原文に記載された発明)と同一発明の後願を排除することができる。翻訳文の記載は、29条の2の適用において、考慮されない。
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