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2019年6月8日 弁理士試験 代々木塾 特184条の8第4項 趣旨

2019-06-08 09:25:24 | Weblog
2019年6月8日 弁理士試験 代々木塾 特184条の8第4項 趣旨

【問題】特184条の8第4項
 特許法第184条の8第4項において、「第二項の規定により外国語特許出願に係る願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について第十七条の二第一項の規定による補正がされたものとみなされたときは、その補正は同条第二項の誤訳訂正書を提出してされたものとみなす。」と規定することとした趣旨について説明せよ。

【解答】
 PCT34条(2)(b)は「出願人は、国際予備審査報告が作成される前に、所定の方法で及び所定の期間内に、請求の範囲、明細書及び図面について補正をする権利を有する。この補正は、出願時における国際出願の開示の範囲を超えてしてはならない。」と規定している。
 かりに外国語特許出願に係るPCT34条(2)(b)の補正書の翻訳文を特許庁長官に提出したときに手続補正書を提出して補正がされたものとみなすこととしたときは、国際出願日の明細書等に記載された事項の範囲内であっても、国際出願日の明細書等の翻訳文に記載されている事項の範囲を超えているときは、17条の2第3項違反(184条の12第2項)の不適法な補正となってしまい、PCTで許容される補正が日本国では不適法となり、PCTに適合しないこととなる。
 そこで、PCT34条(2)(b)で認められる補正は、日本国でも認められることとするため、誤訳訂正書を提出して補正がされたものとみなすこととした(184条の8第4項)。