Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ラスト・ブラッド

2010-06-28 | 映画(ら行)

■「ラスト・ブラッド/Blood : The Last Vampire」(2008年・香港=フランス)

監督=クリス・ナオン
主演=チョン・ジヒョン 小雪 アリソン・ミラー 倉田保昭

 プロダクションI.Gが手がけたアニメ「BLOOD The Last Vampire」はインパクトのある作品だった。押井守の弟子ともいえるスタッフによるこの映画は、多くの人々に影響を与えた。海外でもその反響は大きく、タランティーノ監督作「キル・ビル」のアニメパートがI.Gに依頼されたのもこの作品が原因だし、日本刀を持つヒロインや戦う女子高生という発想もここからきているのだ。

 さて、香港とフランス資本で製作された本作は「BLOOD The Last Vampire」の実写版。大部分はオリジナルに沿ったつくりになっているが、主人公サヤのルーツを描くパートが追加され、まるでカンフー映画のような”復讐劇”になっているところが特徴かな。父親をオニゲン(オニの首領にあたる存在)に殺された主人公が、復讐を遂げるために父に仕えたカトウから武術を学ぶ。カトウを演ずるのは倉田保昭!この配役はナイス!こういう格式ばった役柄をやらせると日本人俳優はビシッと決まるね。主役のサキの配役は何故か韓国のチョン・ジヒョンなのだが、年齢不詳なキャラクターを考えると適任だったのかも。

 オリジナルでは、ベトナムの戦地に飛び立つ飛行機にオニが乗ろうとするのは、戦争で人が殺し合うことを邪悪なオニの存在とダブらせることを狙っていたのだろうと思われる(押井守による小説版では安保で揺れる日本を舞台にしてる)。人間のダークサイドを描くことが根底にあったと考えられるのだ。この「ラスト・ブラッド」では人間を超越した悪の存在としてだけが描かれて、オリジナルにあった物語の深みが感じられないのはちと残念。「ラスト・ブラッド」は、香港映画らしい「復讐」と「宿命」をテーマにしているのは、エンターテイメントとしては狙い所はよいのかもしれないが。それにしても小雪の活躍が少ないのが寂しいところ。ラストのジヒョンと小雪の対決に「スターウォーズ」を重ねてしまったのは僕だけでしょうか?

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