Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

エンパイア・レコード

2013-09-18 | 映画(あ行)

■「エンパイア・レコード/Empire Records」(1995年・アメリカ)

監督=アラン・モイル
主演=アンソニー・ラパグリア リヴ・タイラー マックスウェル・コーフィールド

 真夜中まで開店している老舗レコードショップ”エンパイア・レコード”を舞台に、個性的な店員たちの青春群像が描かれる佳作。90年代青春組映画ファンからは、落ち込んだ時にみて元気をもらういわゆる”喝入れ映画”として支持されているとか。80年代組の僕ですがこの評価は納得できた。主人公たちが抱えている悩みは観客にも共感できるものだし、演じている若手俳優もとにかく元気がいい。

 個性が強くて、時に道を外れそうになるけれど、それを暖かく見守るような視線がここにはある。優等生のリブ・タイラー、ちょっとお尻の軽いレニー・ゼルウィガーを始め、自殺未遂までやっちゃうヤツ、買収されかかってる店を救う一心とはいえカジノに売り上げ持っていくヤツ、それで危機に陥る店長アンソニー・ラパグリア等々悩める人ばかり。それが、店の一日だけを描く90分、奇跡的なまでにハッピィに解決。実に都合がいい話なんだけど、観ていて気持ちがいい。これが一番の魅力だ。

 レコード店が舞台の映画だけにサントラは重要。それに関しては、選曲にしても使うタイミングにしてもセンスの良さが光る。エンドクレジット前のキスシーンで流れる 'Til I Hear It From You は短いながらも印象に残るし、チャリティパーティで演奏される Sugarhigh もいいね。80年代組の僕には バグルスの Video Killed The Radio Star やダイアーストレイツの Romeo & Juliette が店内で流れるのは嬉しかった。そうそう、キャンペーンで店に来る元アイドル歌手レックスは、「グリース2」のマックスウェル・コーフィールド!。腰を振りながら Say No More Mon Amour なーんて歌う姿、しばらく記憶に残りそう。店の危機が最後はチャリティで救われるという結末。これはコミュニティの結束とか、経済的強者よりも大衆の方が良識があるということを大前提として信じているアメリカ映画だからこそできる物語なんだろうね。それにしても思うのは、この映画をミュージカルにしたらさぞかし面白いだろうに、ということ。誰か舞台にしないかな。

(2002年筆)





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