Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ボルサリーノ

2024-08-20 | 映画(は行)


◼️「ボルサリーノ/Borsalino」(1970年・フランス=イタリア)

監督=ジャック・ドレー
主演=アラン・ドロン ジャン・ポール・ベンモンド ミシェル・ブーケ

2024年8月18日の午後。アラン・ドロンの訃報が届いた。ドロン全盛期の頃、僕はまだお子ちゃまだが、美男の代名詞として多くの場面で名前が挙がるのを聞いて育っただけに特別な存在だった。ドロンがナレーションで参加したダリダの「甘い囁き」(ぱろーれぱろれぱろーれ♪って歌ね)を聴いたのも、ドロン映画を初めて観た頃だと記憶している。初めて主演作をちゃんと観たのは「ブーメランのように」だと鑑賞ノートに書いていたが、実は「ショック療法」が初ドロン映画(恥)。「太陽がいっぱい」は数えきれないくらい繰り返し観てる大好きな映画。親父に何度もビデオで観させられたのは「シシリアン」と「スコルピオ」。

訃報を聞いて「ボルサリーノ」を改めて観た。子供の頃に断片的に観てると思うのだけど、実はちゃんと観てなかったようだ。出所間もないロックは元カノが今付き合っているフランソワと出会う。派手に殴り合った後、お互いを認め合い相棒となった2人が、機転と度胸で裏仕事からマルセイユの大物に成り上がっていく物語。

この頃のドロンは、アメリカ進出したがうまくいかずにフランスに戻り、自身のプロダクションを設立している。そして製作されたのが「ボルサリーノ」。プロデューサー業に乗り出すと自分をうまく魅せることが思い通りにできるようになる。今のトム・クルーズがええカッコしいしてるのと同じ(一緒にするなw)。

改めて観て男として惚れ惚れしてしまったのが衣装🤩。各場面で着るスーツがカッコいいのはもちろんだけど、帽子のヴァリエーションがすごい。タイトルのボルサリーノはイタリアの帽子ブランドの名前。2人が被ってる中折れ帽がそれ。麻生太郎が被ってる中折れ帽もボルサリーノ製。お値段気になる。仲間を連れてドライブに行く場面のハンチング姿もカッコいい。個人的にハンチング大好きなので、真似してみよっかな。

ジャック・ドレー監督とドロンというと犯罪映画のイメージだけど、改めて「ボルサリーノ」を観ると他のギャング映画とはどこか違う。あれこれ観た今の目線だからかもしれないけど、この前年に製作された「明日に向かって撃て!」と重なって見える。三角関係とも違う男女の構図といい、女子そっちのけな男の友情といい、同年代スタア共演と共通点多数。そうした点がいわゆるフレンチノワールとは違う雰囲気になっている。ジャズピアニスト、クロード・ボリングによるホンキートンクピアノがいい。そのどこかコミカルな響きがこの映画の印象を明るくしてくれる。これ弾けたらカッコいいだろな、と元鍵盤弾きの僕は妄想してしまう。

ベルモンドがコイントスで方針を決める場面、ローラが食事で2人をつなぐ場面、素敵な場面がたくさん。アラン・ドロン、ベルモンドの陰と陽の魅力を再認識。そんな僕は帽子を被りたがる男子になりそうw。そうやってドロンの残したイメージはみんなに受け継がれていくんだから。小遊三師匠かww

ご冥福をお祈りします。




コメント
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