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お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

X-ファイル:真実を求めて 

2010-05-22 | 映画(あ行)

■「X-ファイル:真実を求めて/The X-Files : I Want To Believe」(2008年・アメリカ)
監督=クリス・カーター
主演=デビッド・ドゥカブニー ジリアン・アンダーソン アマンダ・ピート ビリー・コノリー

 「Xファイル」テレビシリーズが始まった頃、特に地上波で放送されていた頃は真剣に見ていた。物語が複雑になっていく最後のシーズンはレンタルしてまで見るには至らなかったものの、このTVシリーズが扱った題材はとても魅力的だった。かつて妹を異星人に連れ去られた主人公フォックス・モルダーがその謎を追うべく、FBIで怪事件に挑み続ける。あまりに突飛な行動をとるもんだから、お目付役として超現実派の美女ダナ・スカリーが配属される。二人は数々の事件を通じて、お互いよき理解者となっていく。そのうち二人は結ばれるんじゃないの?とファンはやきもきしながら見ていたものだ。最初に映画化された「Xファイル ザ・ムービー」(98)が公開されるときには、二人のキスシーンがあるだの、モルダーが遭遇したUFO事件が明らかになるだのいろいろな憶測が流れたものだ。その映画化から10年を経た2008年に再び劇場版が製作される。それが本作「Xファイル:真実を求めて」だ。

 FBI捜査官が失踪して、その生存を予言する神父が現れたことから、サイキックに詳しいモルダーの手を再び借りようとFBIが彼を捜し始める。モルダーはFBIから追われる身。何故こうなったのかは、テレビシリーズの最後の方を見ていないだけによくわからない。今は小児科医として働くスカリーがFBIの依頼をモルダーに伝えに行く。FBI同僚でなくなっても二人は信頼しあえる関係であるようだ。モルダーはFBIの申し出を受け、二人は再び怪事件に挑む・・・というお話。小児性愛の過去がある神父の予言をうさんくさいと感じる捜査官と、信じようとするモルダーの対立がある一方で、スカリーも担当する難病の子供の治療をめぐって対立していた。厳格なキリスト教系の病院は、スカリーの先進的な治療法を認めようとはしない。スカリーもまた、モルダーと同じく自分の考えと周囲との対立の渦中に立たされているのだった。この物語の設定は見事。これまで理解されないのは常にモルダーという構図だったが、スカリーもまた同じ。

 途中でモルダーとスカリーが同じベッドで寝てる場面が出てきて、途中の展開が頭にない僕は「いつしかそういう仲になっていたのか・・・」と妙に感慨深くなってしまう。でも、それは数々の事件を通じて、二人が本当の意味でよき理解者になっていたということなのだろう。映画の最後で「闇から二人で逃げよう」と言うモルダーに、絆の深さを感じてじーんときてしまった。

 ・・・という物語自体はよいのだが、肝心に事件がよくわからない。人を誘拐して人体実験に用いようとする悪人どもの目的やら動機やらがどうもよくわからない。最後の手術シーンはかなり気持ち悪いし・・・全体を通じて好きな映画か?と尋ねられれば好きとは言えない。映画化第1作の方がヒッチコック映画へのオマージュも感じられたし、単独の映画としては成功作だろう。「真実を求めて」は、その後の二人をみせる為に製作されたファンサービスと思えばよいのだろう。二人ともちょっと老けたなぁ・・・とは思ったが、それでもモルダーとスカリーを見られて嬉しい映画。

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