【 地 軸 】 2014/10/13 地方紙1面下段記事より
[「傘1ツあつかひかぬる野分哉」 正岡子規。「野分」にはどことなく風情もあるが、昨今の「台風」は恐ろしい。今日はしっかり備えて身を縮め、過ぎるのを待ちたい。
▲横浜で昔、台風の「目」に入ったことがある。雨風が突然なぎ、青空も見えたがすぐまた暴風雨に。一瞬の静寂は、自然の畏怖すべき「ひとにらみ」だった。今回の台風も、遠く国際宇宙ステーションから見えた巨大な目が不気味。通過後の吹き返しも要注意。
▲臨時国会は連休明けから重要法案が審議入りする。政府与党は、逆風強い安保法制や増税の論議は避け、大荒れの閣僚失言も頭を低くしてやり過ごすばかり。目を離しては、台風のように異論をなぎ倒し、速度を上げて進む政治の行方を見失う。
▲中でも「カジノ法案」は迷走中。刑法が禁じる賭博を、一国の首相が「成長戦略の目玉」と明言し、日本人の負けを前提に経済効果をはじく。解禁への懸念は強まるばかり。
▲さすがにカジノ合法化を目指す議員連盟で「利用を外国人に限定する」修正案が出された。だが「法の下の平等」との理由で3日で元通りに。さらに首相は「ギャンブル依存症に取り組む立場なので」、推進はするがカジノ議連の最高顧問は辞するとか。おかしな議論をいくら重ねてもそれは十分な説明とは言わない。
▲「台風の心支ふべき灯を点ず」加藤楸邨。台風一過、吹き返しの議論を心待ちに、雲行きを見つめる。]
[「傘1ツあつかひかぬる野分哉」 正岡子規。「野分」にはどことなく風情もあるが、昨今の「台風」は恐ろしい。今日はしっかり備えて身を縮め、過ぎるのを待ちたい。
▲横浜で昔、台風の「目」に入ったことがある。雨風が突然なぎ、青空も見えたがすぐまた暴風雨に。一瞬の静寂は、自然の畏怖すべき「ひとにらみ」だった。今回の台風も、遠く国際宇宙ステーションから見えた巨大な目が不気味。通過後の吹き返しも要注意。
▲臨時国会は連休明けから重要法案が審議入りする。政府与党は、逆風強い安保法制や増税の論議は避け、大荒れの閣僚失言も頭を低くしてやり過ごすばかり。目を離しては、台風のように異論をなぎ倒し、速度を上げて進む政治の行方を見失う。
▲中でも「カジノ法案」は迷走中。刑法が禁じる賭博を、一国の首相が「成長戦略の目玉」と明言し、日本人の負けを前提に経済効果をはじく。解禁への懸念は強まるばかり。
▲さすがにカジノ合法化を目指す議員連盟で「利用を外国人に限定する」修正案が出された。だが「法の下の平等」との理由で3日で元通りに。さらに首相は「ギャンブル依存症に取り組む立場なので」、推進はするがカジノ議連の最高顧問は辞するとか。おかしな議論をいくら重ねてもそれは十分な説明とは言わない。
▲「台風の心支ふべき灯を点ず」加藤楸邨。台風一過、吹き返しの議論を心待ちに、雲行きを見つめる。]