忘却への扉

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虫たちのともす赤信号

2014-10-31 | 共に
 
【 地 軸 】 2014/10/28 地方紙1面下段記事より

 [モミジやケヤキ、ナナカマドの赤色。イチョウやハルニレの黄色。多様な樹木による高揚が山を彩る美しい季節だ。11月にかけ、紅葉前線は慌ただしく駆け下る。
 ▲この時期、山行きのたびに、ある現象を観察する。はらはらと舞い散った落ち葉の「行方」だ。紅葉は美しいが、実はその後にこそ、生物学的に重要な自然の営みがある。生態系の物質循環システムだ。
 ▲落葉したまま地面に張り付けば、地上は早々に枯葉で埋もれてしまう。そこで登場するのが土壌生物。ミミズやトビムシなど微小な生き物が、見事に落ち葉を分解する。かれらのおかげで落ち葉は土となり、多様な森を維持しているのだ。
 ▲その巧妙な自然のサイクルに最近、異変が起きている気配が濃厚だ。豊かなはずの自然林に分け入っても、分解されずに、干からびて積もった枯れ葉の山に出くわす。かき分けても掘り下げても、肝心の土壌が存在しない。ミミズも少ない。
 ▲ミミズ食に特化した昆虫として、オサムシの仲間が知られる。その昆虫が、激減しているのも気になるのだ。かつては頻繁に見かけたが、今はむしろ珍しい昆虫になってしまった。循環システムが危ないと、虫たちも赤信号をともしている。
 ▲原因は酸性雨とも、急激な気候変動とも推測されるが、謎だ。美しい紅葉は、健全な森があってこそ。森は、健全な土があってこそ。自然の恵みを受けてきた人間の営みも、今が恐らく瀬戸際だ。

 いつも私が歩く山道にある雑木のトンネル下にたまる落ち葉にも、近年柔らかい土壌ができないなと不思議だった。腐葉土は畑などの養分としても大切なもの。イノシシがミミズや草の根を探すため野山や畑に道までも連日のように掘り荒すからだろうかとも思っていた。「生態系の循環システム」の赤信号と知ると怖くなる。TPP問題もだが日本農業の危機だけでなく地球の自然が危うい。これも人間が原因を増産しているのだ。
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