忘却への扉

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おのろけ話に

2015-03-21 | 共に
 傘をさし橋を渡り親戚の初彼岸に行く。彼の死を知り来た日も雨が降っていたなと思い出す。玄関の外から呼びかけるが返事は聞こえず、留守のはずはないと引き戸を開けた。女物の靴が一足だけあるのを見て、また声をかける。
 どうやら気づいてもらったようで、足音がし顔を覗かす。「あれ!○○ちゃん ありがとう。早よ上がって」彼の○○ちゃんと呼びかけが同じなのも、うれしい。「お参りというより 顔見に来たがよ」。
 座敷の上座に笑顔の写真。その周囲にお供え物や花、左右に置かれた提灯の絵柄と中で回転している灯りがなければ、3人で座っているかと感じる気分。 
 手を合わせ写真の彼に挨拶をすると、2人で彼との想い出話に花が咲く。○○ちゃんと下の名で呼ばれていた私も、10歳から年上の彼を○ちゃんと呼び、奥さんは○ちゃんとおとうさんの使い分け。
 ○ちゃんへのこれまでの暮らしでの心配りにも大好きな気持ちが見える。市内の病院で亡くなり自宅に帰ったと聞き訪問した時も、県庁所在地病院への日々、自宅からの通院可能な病院への転院とその後の出来事にも、○ちゃんの笑顔や、おとうさんにとって良かったこと喜んだことなど沢山聞いた。
 若い頃からずっと一番身体が弱かった○ちゃんなのに、兄弟姉妹で一番の長生き。15年余り病気で苦しんだけど楽になれた。子どもたちもよくしてくれ、孫たちも会いに来た。幸せだったと私も思う。初彼岸で半分はおのろけ話を聞きながら私も笑顔をもらう。

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