忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

自民の中立でない「密告」のすすめ

2016-07-18 | 共に

 【 地 軸 】 2016/7/13 地方紙1面下段コラムより

[ 参院選当日、松山で「全国高校生未来サミット」が開かれた。初の18歳選挙権。主権者としてどう政治参加するか。安全保障関連法制は、沖縄基地は…。議論は熱かった。
 ▲例えば原発。「大学で安全な発電技術を研究します」 「ロボット技術の開発で人為ミスを減らす」 「無いなりの生き方を考えたい」。賛否を超え、自分はどうしたいか表明する様子に、会場の大人も考えさせられた。
 ▲最初はたどたどしかった高校生。4時間近く意見を交わすうち、思考が深まるのが見えた。「考え、話し合い、行動する場があれば活躍できる」。自身と喜びに満ちた表情が印象的だ。
 ▲主権者教育の重要性が増す今。水を差すように、自民党は「政治的中立性」を逸脱する教師の情報をホームページで募っている。当初掲げていた逸脱例は「子どもたちを戦場に送るな」の主張。名前や学校名を求める書式に、時代が戻ったかと背筋が凍る。
 ▲主張を押し付けない教師の配慮は当然必要。だが、政治家が自らにとって不都合な価値観を変更と決めつけ「密告」させるのは、むしろ中立ではない。もの言えぬ空気は断固お断り。
 ▲おりしもサミットの登壇者が語った言葉が胸に響く。「一人一人に意見がある。考え方がいっぱいあり、尊重することが中立」 「気に食わんと思った時、なんでこんなことを言うんやろと考えたら視野が広がる」。で大人は大丈夫?真っすぐな瞳で問われた気がする。]

 ( 忘却への扉 ) 18歳は過ぎていたがまだ選挙権がないころから市長選や国会議員の地域での選挙運動に若者仲間の大人と一緒に関わっていた。保守乱立戦でカネが動き飲み食いする場も見たが、子ども?は無報酬のタダ働き。だが選挙事務所や外部での動きをじかに見ることができたのは、反面教師として役に立つ。
 安倍権力政権の始めた自分たちの都合の悪いことを「政治的中立性の逸脱」で封じ込めるやり方は、戦時中の日本や戦後の占領軍によるレッドパージの不気味な陰湿さを彷彿させる。
 君が代の口パク監視に始まり歴史や道徳の実質国定教科書化のなどに加え、戦争する国づくりには教育の場(学校)を国が支配することが必要。
 自民党がホームページで「密告の勧め」。政権与党の集めた情報は文部省に流れる。国民総背番号制(マイナンバー)に秘密法、各個人のプライバシーは一まとめに国家によって管理=監視され、場合によっては処罰対象にもされる時代がすぐそこに。
 秘密法や「密告の勧め」などから集まる個人情報は、国家の管理ではとどまらず、政権与党や官庁その他に大企業など特定側には情報流出優遇も暗黙の了解済みだろう。知る権利をまず消し、一般国民のもの言えぬ日本、再び。
  地 軸 にある最後のサミット登壇者の言葉が生きる。君たちが育ち立ち上がり、今の利権と邪念で腐敗した政治社会を清掃してほしいと期待する。