忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

なんでこんな日に

2009-11-18 | 共に
 許可をもらって予約の電話をした。夕方のその時間前になり、車で送ってと頼み一緒に車庫に向かう。その時になって『なんでこんな寒い日に、行かなくても‥‥』
 理髪店に行くようにと繰り返し言っていたのは誰だ。明日からは別の予定が入っているし、もっと寒くなるのが当然の季節。「ほんとは来年まで行きたくないんだけど、それでいいのなら」私も小声で開き直った。
 返事は戻ってこず、そのまま当日理髪店に到着する。先客は洗髪も終わったところで、私の待ち時間は短そうだ。店主が全てをこなす1人だけの店。どんな人だかもう1人が、店の入口近くの長い椅子に座って店主と元気な声で話している。
 棚の漫画週刊誌を読むのは諦めて、予備の椅子に座る。ふとその時気がついた。雨降りだからできれば昼間に散髪だ…予約がとれた…時間に15分前には店に着くこと…散髪だ…散髪だ…散髪だ…覚えていなければと考えすぎて財布を忘れた。
 持って来たのはケータイだけとは情けない。丸い筒型のストーブのある店内から寒い外に出て、家に電話する。笑われも叱られもせず『はい』の言葉が聞けてほっとした。後日でも店は大丈夫とは思うが、お金が無いと自分が心細い。
 マッサージをしてもらいながら「お金を忘れたから持って来るまで居させて」と頼む。2人だけになった店で、先ほどの先客はどちらも町外からの人だと知った。田舎の理髪店までやってくる人いるのも嬉しい。