何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

こころを動かすマーケティング

2009-12-17 22:06:19 | Book Reviews
「こころを動かすマーケティング コカ・コーラのブランド価値はこうしてつくられる 魚谷雅彦・著、ダイヤモンド社、2009年8月6日

p.28 売れているのは、単にそこに自販機があったからにすぎないのではないか。ブランド力と物販販売力の整合性、連動性がとれていない。

p.36 ブランドづくりの発想が「心に感じて商品を選んでもらう」という「お客さまとの絆づくり」にフォーカスしたものである。

p.37 ブランドの価値を分解すると、「intrinsic value」と「extrinsic value」に分けられます。「intrinsic value」とは基本的な価値、すなわち「機能やスペックの価値」であ
り、「extrinsic value」とは、そこから付帯的に加わる価値、すなわち「エモーション、情緒や感性の価値」と表現できます。マーケティングには、実はこの両方が必要になります。理屈だけではなかなか共感は生まれない。

p.38 そのときどきの時代の変化とともに、日本人の価値観と行動は大きく変わっていきました。その気持ち、すなわち、生活者のインサイトに合わせ、ブランドというものと人々との絆のあり方は、大きく変わっていくものです。インサイトを見つけ、常に働きかけをして、ブランドを変化させ、進化させていく。実はこれこそ、「extrinsic value」=心が動かされる価値の創出であ
り、コカ・コーラがこだわってきたものでした。

p.84 気持ちを前向きにする「リフトアップ」、そしてちょっと小腹を満たす「インダルジェンス」

p.116-7 人と同じことをしていたのでは、大きな成果は得られません。似たような商品を出したところで、消費者からの大きな支持は得られない。買うに足る飛び抜けた価値や意味を見出せなければ、消費者にとっての感動もありません。

p.118 モノづくりをするときに、最も陥りがちなある危険が潜んでいる、と教授は言いました。それは、これぞ消費者のニーズではないか、と平均的で汎用的なモノをつくってしまうということです。

p.146 商品やサービスの受け手は、間違いなくお客さまです。お客さま発のビジネスをしていかなければ、受け入れられるはずがありません。しかし、多くの会社で、本社からビジネスが始まってはいないでしょうか。本社の戦略部門が、各部門に戦略を「落とし込む」ようなことが行われていないでしょうか。そうすると何が起きるのかと言えば、お客さまが戦略に「落とし込」まれてしまったりするのです。過分なノルマが発生したり、最前線の営業担当者が無理をしなければいけなくなるのは、こういうビジネスプロセスだからです。

p.154 結局のところマーケティングとは、人の心を動かせるかどうか、に尽きると僕は思っています。しかし、それは商品を買っていただくお客さまの心だけではありません。社内のスタッフであり、取引先であり、いろいろな人の心を動かすことで、それが大きな原動力になっていくのです。

p.169-170 日本の会社では、テレビCMをはじめとした広告予算は「費用」と考えられることが多いようです。しかし、日本コカ・コーラでは、そうは考えません。費用ではなく、「投資」なのです。ブランドを育てていくための、マーケティングは投資活動なのです。

p.172 ビジネスパートナーに、「買ってやっているんだ。オレたちの言うとおりにしろ」という態度で接せられたとしたら、やはり気持ちは萎えてしまいます。ときには反感さえ覚えます。
 そうではなくて、「こんなことがやりたい。こんな悩みがある。これを一緒に考えてほしい」というパートナーとしての位置づけで対応してもらえたとするなら、どうでしょうか。

p.218 その「お客さま」とどう向き合うか、その理念を表すのがブランドであり、その企業活動それこそがマーケティングです。そして「お客さま」とどう向き合うかということこそ、実は経営の中枢である、と僕は思っています。

p.228 仕事でも、講演でも、何でも、「よかった」「面白かった」「楽しかった」「びっくりした」など、何でもいいのですが、他人に喜んでもらえる反応があることがうれしいのです。そしてこの反応があるからこそ、頑張れる。もっと、やってみようと思う。

p.230 市場の変化に対応することが重要だ、という話がよくされます。でも、それが意味しているのは、お客さまが変わったから、自分たちも変化するというのではなく、何かそのヒントになるような現象を見て、自分たちからその変化を先取りすることです。

p.232 マーケティングとは何か。世の中は人を中心にできています。人の行動や心理、そういうものに興味を持ち、そこに何かの新しい価値をつくっていこうという思いであり、こだわり、志だと思うのです。そこから、人の喜びや楽しさ、便利さ、感動など、人の心を揺さぶり、動かすようなものを考えていきたい、と思う気持ちです。
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寛容力

2009-12-16 22:04:01 | Book Reviews
「寛容力 ~怒らないから選手は伸びる~ 渡辺久信・著、講談社、2008年11月10日

p.24 今の選手たちはこちらの意図を「理解」してくれさえすれば、それを現実にするための方法をを考える能力は、昔の選手たちより優れているように思います。

p.30 今の若い選手たちを動かすためには、なぜそれをやるのかをちゃんと説明し、動機付けを行い、目標を与えることが重要だと僕は考えています。

p.52 「ミスをしてしまった。取り返さなければ」というのは、僕らがいうまでもなく、当の選手たちが誰よりもわかっているのです。それをコーチ陣が耐え切れずに責めたりすると、逆効果になりかねない。

p.56 現代の若い選手は非情にシャイなところがあり、闘志を表に出すのが恥ずかしいという思い込みがあるだけ。ハングリーさが外に出ていなくても、まったく心配することもないし、僕がそのことで選手の扱いを変えることはありません。

p.63 若手は精神的に弱く、ミスもします。でもそんなミスを恐れて試合で使わなければ、原石は原石のまま。成長を見せているのなら、多少の失敗は恐れずどんどん使うべきです。

p.88 また、そういう立場を与えられ、仕事をさせるkとおで、「人」というものは非常に力を伸ばせるものです。本来その人が持っている実力が、立場に合わせて伸びていくこともあるのだな、ということを感じたのは、この経験からです。

p.108 解説者としての仕事において、僕が心に決めていたことがあります。それは「結果論でものをいわないこと」。選手にとって、結果でものをいわれることは、非常につらく、ときに腹立たしいものだと思います。

p.126 「こうでなければならない」という“お約束”や“凝り固まった考え方”は敵だと考える

p.138 常識や固定観念に従った決断ばかりしているようでは、成功しても失敗しても成長は望めません。

p.149 「失敗を恐れずに、どんどん挑戦していけ」

p.197 しかし、僕はあの1球とその後の体験から、今、若手の選手が悪い結果を出したときも「なぜ、あそこでこうしないのか」と、結果だけを見て話すことは絶対にしないという考え方を持つに至りました。

p.208 選手と話していて「少々この選手は、鼻が高くなっているな」と気づくことも時折あります。そういう場合は、その鼻をへし折ってやりたくなってしまうのが人情かもしれません。しかし指導者としては、その選手のプライドを必要以上に傷つけるような言動は、可能な限り避けるべきです。それをやってしまうと、選手のほうが無意味に不信感を抱いてくるのです。

p.209 試合の勝敗を左右するのは、選手の力がほぼ100%。監督は、その力を引き出してあげる手助けをするだけ。それが僕の中の「監督の力」です。

p.210 「試合に勝つこと」と「選手が成長すること」、どちらが嬉しいかと問われたら、「両方です」と答えます。勝つことで選手も伸びるし、選手が成長することが、直接的に勝つことにつながるわけですから。
 でも「どうしてもどちらかひとつを選んでください」と言われるならば、僕は「選手が成長すること」を選ぶかもしれません。
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平凡を極める生き方

2009-12-15 12:16:33 | Book Reviews
「平凡を極める生き方 小さな実践が生み出す非凡な力 鍵山秀三郎・著、致知出版社、2008年9月19日

p.11 与えられた条件を生かしてやっていくしかないのです。そうして至誠を尽くしていけば、必ず見えてなかったものが見えてきます。どっちが東か西か分からないような真っ暗闇の中でも、いつか薄明かりが見えてくるものなのです。これは私の体験から確信をもっていえます。

p.13 惰性を断ち切る一番の方法は、変化を求め続けることです。

p.29 業績を支える人は、顔が見えて声の聞こえる範囲の人々とは限りません。見知らぬ所の見ず知らずの人々もそも一員であります。そこまで包み込んでの好業績であれば諸手を挙げて大喜びもしますが、声の届かない人々の犠牲によってなされたものである限り、日本の社会は間違いなく崩壊していくことでしょう。

p.35 誇りある生き方を一言で表せば「働くこと多くして、得ることの少ない」生き方でありましょう。いくら多くのことをしても、働くことと得るものが等しい「等価交換」のような生き方をしている人には、誇りが生じないと思います。また自分に備わった力を、すべて自分のためにだけしか使わない人にも、真の自信と誇りが生まれることはありません。

p.45 人間の体に栄養が必要なように、心にも栄養が欠かせません。体の栄養は食物ですが、心の栄養は自分の得にならないことをやることです。得することしかやらない人は、心の栄養が欠乏して人間が卑しくなるのです。

p.55 「生きてて死んでいるような人が多い中にあって、あなたは死んでもなお生き続けるのですね」

p.66 人間に与えられる期限の基準は、その人が他の人から信頼され、かつ社会に貢献しているかどうかにかかっています。
 “自分さえよければ、それでよし”とする生き方をしている人は、期限切れといえましょう。

p.74 「真の幸せとは、他人の幸福を奪うことなく、自分自身の幸福を追求することである」

p.94 無知、未熟であるがゆえに犯してしまった過ちはカバーできます。しかし、知っていて犯した過ちは、回復不可能なくらい大きなダメージとなって跳ね返ってきます。

p.94-5 いま会社がそのような危険な道を歩んでいないかどうかを確認する方法があります。それは、当たり前でないことを当たり前にしていないか、ということです。本当は常識に反するようなことであるにもかかわらず、いつの間にか会社の中では普通になってしまっていないかということです。

p.102 “素交”の三原則
 一、友の過ちに対しては、それを見過ごさず、真心を込めて忠告する
 二、友のよきことに接した時、心の底から喜ぶ
 三、友が困難に陥り、災難に遭った時、決して見捨てない
(『過去現在因果経』より)

p.162 子どもたちがいろんな問題を起こすのは、実は親に対して、あなたたちの生き方は間違っているよ、というメッセージなんです。

p.173 私は人生とは魂の修行のゲームだと考えていて、人間性、人格を楽しみながら高めるのが人生の目的だと思っているんです。
 人間性を高めて人格を向上させるのが一つ。二つ目はその能力を世のため人のために使うことだと考えています。
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星野リゾートの事件簿

2009-12-14 21:23:24 | Book Reviews
星野リゾートの事件簿 なぜ、お客様はもう一度来てくれたのか? 中沢康彦・著、日経BP社、2009年6月22日

p.5-6 星野は、再生を実現するためには、社員のモチベーションアップが不可欠だと考えている。だから社員の自由なコミュニケーションを重視する。
 星野リゾートでは、若いスタッフが上司に向かって、遠慮することなく「自分はこう考える」と主張する姿を目にする。星野は、「誰の主張か」ではなく、「どんな主張か」が重要だと考える。

 どんな意見でも上司の意見は尊重する、たとえ現実にそぐわなくても、賛同が得られなくても、としたら、誰が建設的な意見を述べるというのか。地位のある者の考えは、常に正しいのか、尊重されなければいけないのか、判断能力があるといえるのか。

p.14 星野はスタッフに直接、「リゾート運営の達人を目指す」「コンセプトを明確に定め、顧客満足度を上げよう」「全員が自由に意見を出そう」と自分の考えを明快に語りかけた。

 自由に意見が出せて、主体的に取り組める環境が与えられたスタッフは、動きたくて仕方がない、働きたくて仕方がない。

p.33 基本的な方向が定まると、具体的なサービスの中身はスタッフに任せる。それが星野のやり方だ。「現場を知るスタッフが、『お客様に喜んでいただきたい』と思うようになったとき、大きな力が生まれる。その力にはどんな専門家も勝てない」と考えるからだ。

p.40 星野リゾートには「言いたいことは、言いたい人が、言いたいときに言う」という文化がある。青森屋のスタッフが星野リゾート流に慣れるには時間が必要だった。

p.43 「青森屋のスタッフが、自分たちの取り組みに自信を持ってほしいと思った。企業にとって目標達成は大事だが、それにこだわりすぎないほうがいいときがある。今回はプロセスを重視し、『ここまで来たのだから、出そう』と決めた」

p.59 星野は「同じリゾートに再び訪れてもらうのは、それだけ難しい。だからこそ、リピートしてもらえるように顧客満足度を高めることが必要だ。それだけ顧客満足度を上げるのは大切なことだ」と語った。

p.100 「WHAT(=何をするか)を決めたら、HOW TO(=どう実現するか)は現場に任せる。そんな星野リゾートのやり方を実感した」と松沢は振り返る。

p.141 「旧経営陣のときは、上から命令され、それに従うだけだった。仕事はやりがいのないものだった。それが星野リゾートになった途端、『自分たちでコンセプトを作ろう』と、大きく変わった。何だか面白そうだと思った。だから20代だった自分も迷わず参加した」

p.205 社員が辞める最大の理由は「組織に対する不満」だった。星野はトップダウンで改革を進めたが、社員は命じられて動くことに疲れていた。社員は不満を募らせていたが、自分の意見を主張する場がなかった。

p.208 「社員の気持ちや都合に会社が応えていないところにこそ、問題があるのではないか。会社の仕組みに辞める原因があるに違いない」「社員に『あるべき姿』を強要することが、退職につながっている」
 考え続けていくうちに、星野は会社の制度を社員のニーズに合わせるべきではないか、と気づいた。

 会社の仕組みに社員をあてはめるのではない。社員ひとりひとりの事情にあわせた仕組みを用意すればいいじゃないか。個々のニーズなんて聞いていられない、それが誤りの始まりだ。

p.212-3 星野リゾートは、社員一人ひとりの希望に応じて、多様な働き方を実現する仕組みを用意している。会社の都合で社員に押しつけたりしない。

p.214 星野は「社員が定着してこそ、一人ひとりが業務の習熟度を上げることができる。それがサービスの質を高め、顧客満足度の向上につながる」と解説する。
 仕事に対する社員の多様な姿勢を認めることで、会社と社員は結ばれる。

p.218-220 私は星野リゾートで発生するこうしたコンフリクトを「事件」と呼んでいる。
 事件が起きた時には、何よりも解決に向かって動き出すことが大切である。ただし、私にとってそれは「その場が収まればそれで良い」という意味ではない。
 事件が発生するのは、何らかの原因があるからである。そこには、スタッフが気がついていなかった「何か」がある。
 その「何か」をつかむために、星野リゾートでは事件をその場限りにしない。事件を通して、しっかり考え抜くことで、新しい発想が生まれ、スタッフが成長する。つまり、事件こそが新しいサクセスストーリーを生むのである。

p.221 私は社内向けのブログや研修を通じて、これまでに起きた事件のあらましと対応を紹介している。過去に社内で起きた事件を知っていれば、似た出来事が周囲で起きたとき、事件化を防ぐ対応を取ることができる。万が一、事件に発展してしまったとしても、正しい判断をするポイントを過去の事例から知り、最善の策を打つことができる。
 事件への対応は、手間がかかるが、それによって得られるリターンは大きい。だから、私は事件をうやむやにしない。私はある意味で、楽しみながら事件に対応している。事件が起きて、のたうちまわっている社員の姿を見ると、私は楽しくなってくる。
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【ジェネリック】 1錠飲んでみたけど効かない

2009-12-13 13:10:56 | ジェネリック de リ・スタート!
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ★ ジェネリック de リ・スタート!
┃  -治療レベルを下げずに、支払いはリーズナブルに-
┠────────────────────────────
┃       2009.11.1 Sun.   通巻33号
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 みたキタ企画、薬剤師のsukeです。

 このメールマガジンは、ジェネリック医薬品(後発医薬品)が
適切に使用されることを目的とするものです。

──────────────────────────────

 今日から11月、だいぶ涼しくなりました。秋晴れもいっそう爽やかです。

 しかし気がつくと今年もあと2カ月、ただ通り過ぎた1年にしないため
にも、これからを有意義に過ごしましょう。

 今月は、2009年度2回目のジェネリック医薬品の薬価収載があります。
正式な収載日は未定ですが、早ければ今週末かという噂もあります。

 7月に収載されたムコスタやクラビットのジェネリックも、特許訴訟が
決着して、さらに他の製薬メーカーから収載されるようです。
 
------------------------------------------------------------

 先日、ある抗菌剤についてジェネリックに変更し、服用されたかたが、
1錠飲んだ時点で「効かない」と仰られ、元に戻して欲しいと訴えて
来られました。

 残念ながら分割調剤をしていたわけではないので、今後処方があれば
元に戻すことができても、本処方の残余を交換する(=元に戻す)ことは
できません。
 
 今回の処方を経験して、そのジェネリックは自分に合わないという印象を
お持ちになられたとしたら、今後、服用する機会があっても、そのかたには
そのジェネリックをお勧めしにくいことになります。

------------------------------------------------------------
|
|  保険薬局では、患者さんの印象、感触で、変更したジェネリックを 
| 次の処方から元に戻すことがありますが、それはさておき、元に戻した
| というエピソードとその薬剤を、薬歴簿に記録を残しておく必要があります。
|  真偽にかかわらず、「合わない」と判断した事実を今後の参考にする
| ためです。ぜひ忘れないように記録しておきましょう!
|
──────────────────────────────

 ですが、「1錠飲んだが効かない」という訴えについて、みなさんは
どのように思われるでしょうか・・・。

 たった1回の、それも1錠の服用で効果を判断するというのは、ちょっと
性急すぎる感じは否めないと思われるのですが、いかがでしょうか。

 これから2回目、3回目、そして処方日数を飲み続けることで効いてくる
のではないかと期待されます。
 また運悪く、その抗菌剤が病気に合わなかった可能性もあります。
 併用薬等の関係で、効果が不十分だったのかもしれません。
 
 早く効いて、体調が楽になりたい気持ちはわかります。
 1錠飲んで全快しないまでも、これで快方に向かうという感触を得たい、
そういう気持ちが相当あったのではないかと推察しています。
 
 「少しでも早く治りたいお気持ちはわかりますが、たった1回の服用で
効かない、と判断されるのは少々、早すぎると思われます。
 効いてくるのはこれからです。
 この薬は他の患者さんもお使いですが、効かないとか、効き目が悪い
などと仰られるかたは、ほとんどおられないのですが」

 毅然と、かつやんわりと、そう言ってみるとよかったのかも・・・。
 
------------------------------------------------------------

 入院中だったら、1回飲んだ段階で、「まだ、効いてきた感じはしません」
と言うことがあっても、「この薬、効かないから違うものに変えてほしい」
とまで申し出ることはまれだと思います。おそらく、しないでしょう。
 
 この患者さんは、既に慢性疾患でジェネリックをお使いなので、
ジェネリックに理解がないわけではないと思われます。

 この抗菌剤に対しては、いつも以上の期待をしていたのでしょうか。
 それほど、その疾病が辛かったのでしょうか。

★みなさんはどう思われますか。

★また薬剤師のかたは、「1錠飲んだが効かない」と言われたとしたら、
どのように対応されていますか。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ご意見、ご感想等がございましたらお知らせください。

 取り上げてほしい話題、感想等、些細なことでも構いません。

 お送り先は、 tamsuke@gmail.com です。
(@は小文字の「@」に変えてお送りください)

 お待ちしています!
 それではまた次回! (^^)/

============================================================
◇本メールマガジンをお読みになられて、ご感想やご質問等があれば
 お知らせください(下記参照)。
  本メールマガジンを通じて、応えていきたいと思います。

 また、プライベートな質問であったり、複雑な背景であったり、
メルマガで取り上げられるのではなく、直接相談したいという場合
でも構いません。お答えできる範囲でお答えいたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 メールマガジン 【ジェネリック de リ・スタート!】

■発行 : みたキタ企画
■発行人: suke
■ご感想やご質問等の宛先 --> tamsuke@gmail.com
 (@は小文字の「@」に変えてお送りください)
------------------------------------------------------------
■発行システム:『まぐまぐ!』  http://www.mag2.com/
■購読希望(メールアドレス登録・変更)・配信停止はこちら
     http://www.mag2.com/m/0000286496.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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儲けないがいい

2009-12-13 12:31:35 | Book Reviews
「儲けないがいい」 中島セイジ・著、アチーブメント出版、2009年11月2日

p.6-7 人のためにすることとなったとき、初めてそこに「仕事」という概念が生まれる。みんなのために、という責任が生まれたことで、3人は自分が得意な仕事にさらに磨きをかけ、より生産性を上げ、よりスキルアップを図ったのです。

p.7-8 それまで個人の生活の営みだったものが「仕事」となったとき、得意だった技術にますます磨きがかかり、効率が上がり、より“生産性が高い”ものとなりました。
 さらに「仕事」が人にもたらしたものは、自分のためでなく、人のために行うという決定的な変化です。自分の仕事で人を喜ばせたい、人を感心させたいという“モチベーション”が生まれました。そして同時に、他人に対する“責任”も負うようになりました。

p.43 【勝ち組=儲ける企業、市場を占有する企業】という公式にとらわれている限り、不毛な経済論争に終わりはありません。

p.44-5 従来の数字や効率を求める企業経営とはまったく異なる方法で成功した会社に共通するものは、儲けるシステムから見れば非効率と思われることを会社一丸となってコツコツと続けていることでした。こうした地道な活動は、期間限定の企業キャンペーンで行うものではありません。
 彼らが獲得したものは、たんなる「儲け」ではないからです。効率やシステムでは獲得できないもの。一朝一夕には獲得できないもの。それは、企業としての信頼感や地域社会との絆、そしてスタッフの成長です。

p.50 「経済効率を目指す手法は、人を育てるためではなく、企業の数字を上げるためにある」ことです。そこで働く人間は、効率というシステムの中で、過不足なく働くことだけを求められます。しかし、義を重んじる経営手法は、社員一人ひとりを育て、企業とともに成長していくのです。
 「効率を目指す企業が得るのは利益だけで、その利益も簡単に消えてしまうもの」ということです。しかし、義を重んじる企業では、人や地域社会に認められ、大きな信頼という絆が築かれます。信頼や絆は簡単に消えることはありません。こうした会社で働く人たちは、大きな使命感と誇りを持つことができ、仕事への達成感や一体感が生まれます。
 システムの駒ではなく、個人の能力や人間性が会社と一体になって発揮され、「利」よりさらに大きな「徳」という財産を会社に残すのです。

p.51 「利」を求める会社より、「義」を重んじる会社のほうが、人に信頼され、認められる存在であることを。企業の目的は「儲ける」ことではなく、地域社会とともに「成長」すること、「継続」していくことだということを。

p.80 ヒューマン効率を目指す経営は、人間が成長することを前提に考えています。
 これは、日ごろから掃除や整理整頓など凡事を徹底しながら、優れた先輩から技やノウハウだけでなく、人間的な常識や人への思いやりなども身につけることの結果です。

p.85 とはいえ、3年経っても人を成長させられない会社こそ将来が危ない、と言ったほうがいいかもしれません。成長しないことをすべて従業員のせいにしている会社こそ問題です。

p.100-1 利益を生み出す以上に、会社にとって大切なこと。働く人たちの成長と幸せをつくり出しているのです。

p.106 目先の利益のために、大切な社員の成長やシナジーをないがしろにすれば、会社として継続する力が阻害されてしまいます。もうそろそろ、人を優先する経営に転換していくときではないでしょうか。

p.111 偶然に出会った人。偶然に出会った本。偶然に出会った仕事。偶然に出会ったチャンス。それを自分の中に受け入れるかどうか。その判断力と度量が試されるのが、セレンディピティなのです。

p.125 企業における土台づくりとは、信頼性のある企業づくりと、人づくりと言っても過言ではないでしょう。一人ひとりの社員が成長することで、その企業全体の可能性をより大きなものにすることができるのです。

p.129-130 「研ぎはすべての基本。自分で研いだよく切れる刃物があれば、その刃物を十二分に活かしたい、いい仕事をしたいと思うようになる。研いで研いでいくと、だんだん嘘がつけなくなってくる。企業も研ぐべきものを持っているところが強いんでしょう」

p.130 度重なる企業の不祥事や不正、経営者による責任逃れなどは、目先の数字や結果を優先したがために、自分を研ぐこと、会社を研ぐことを忘れてしまっや人たちがどんなに多いかを物語っています。

p.134 「ゼロ円の仕事」はまさに根づくりです。この根づくり行為を継続することが、プロフェッショナルクラウンとしてのスキルアップと経営者としてのレベルアップにつながっているのです。
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イチローの流儀

2009-12-12 12:43:30 | Book Reviews
「イチローの流儀」 小西慶三・著、新潮文庫、2009年4月1日

p.43 そこで考えたのは、外的な要因のプレッシャーを感じているとモチベーションは保てなくなるということ。モチベーションが自分の中から生まれていればある程度保てるのではないか、と。

p.63 「今日は味付けが今ひとつだったかもしれない」と自信の持てなかった一品をほめられて、本物のシェフは心の底から喜べるのか。手ごたえのない作品が思いのほか高く売れたとして、それで芸術的探究心を満たすことができる画家は本物と言えないのではないか。

p.64 オリックスでも(仰木)監督が、“チームが勝つことばあkりを考えて野球をしなくていい、自分のベストプレーだけを考えてやりなさい”とずっと言い続けてきました。一人一人がやることをやり、それを束ねる人がいて、それで初めて戦えるようになるんです。

p.74 同じアプローチを続けていれば好結果が続くとの考えは、同じ工程、同じ材料でほぼ一定の品質が保たれる、という大量生産の発想である。
 だが、打者と投手があの手この手で日々競い合う世界で、あらゆる駆け引きののちに放たれるヒットは一本一本が手作りの工芸品だった。

p.131 不安はいつもあります。私がどれだけいいものを作ったと思っても、いいか、悪いかはそれを使う人が決めること。

p.133 選手がエラーしたら半分は自分の責任だと思っている。恐れ多い言い方になるかもしれませんが、彼らと一緒に戦っているつもりです。

p.148 道具も設備もいろんなものが進化しているのに選手が変わらないのはおかしい。古いものは大切にして、でも新しいものもそこに加味されてもっと大きなものになる。

p.157 「僕は(純粋に野球を)やりたい人。(野球をすることで偉く)なりたい人ではない」と言った。野球は、名声を得る手段ではない。やりたいことに専心して、結果的にそれがついてくる。

p.177 周りにはやばい、と思われながらやっていく。そんな感じがちょうどいいんじゃない? あいつなら心配ないよ、と思われているなんて自分としては全然面白くない。

p.181 そうやって陰でコソコソ言われることが僕は性に合っている。そうでなくちゃいけない、とさえ思っている。

p.205 ヒットはいつでも欲しいときに打てるとは限らない。しっかり準備して、やっとその可能性が出てくるからこそ面白い。

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テクニシャン、のようなもの

2009-12-11 22:42:29 | 薬局経営
 DRUG magazine 11月号 p.9 を読み、その中の「今年に入ってからは登録販売者制度を6月に導入し、薬剤師職能の一部を他職種に譲り渡し、テクニシャン制度の間口をこじ開けた」という一文を目にし、はっとさせられた。テクニシャンというものを、調剤の場面でしか意識していなかったからだ。迂闊だった。

 テクニシャンというものを、その役割か業務で考えていた。そうでなく機能でとらえておかねばいけなかったのだ。アメリカで言われているような、ズバリそのような業務をしないまでも、同じ概念の職種が導入されたら、そのコンセプトが追って調剤にも導入されてくる可能性があるわけだ。それが“間口をこじ開けた”という意だ。

 同じDRUG magazine 12月号では、テクニシャンについてシリーズ記事が始まった。今後、どのような意見が出てくるかはお楽しみとして、とりあえず感想を残しておくことにする。

 テクニシャンについて、調剤業務においていわゆる“ピッキング”と称される部分をどう捉えるかということ、そして取り揃えと処方鑑査・薬学的管理を分離するか、同時並行で行うことに意味があると考えるかどうかがポイントのように思われた。

 現在行なわれているピッキングを、取り揃えに特化した機械的な作業と位置付け、それと処方鑑査・薬学的管理は分離して分業しておこなうとすれば、ピッキングはテクニシャンに任せることが可能となる。
 一方、ピッキングとはいうものの、それは調剤の外見的表現であって、頭の中は処方鑑査をしながらの行動であると考えると、薬剤師でない職種には任せられないということになる。テクニシャンの業務はそれとは別になる。

 これまで自分は後者の考えでやってきた。薬歴を見ながら、取り揃えてきた。だから最終鑑査によって複数の薬剤師の目が入れば、二重に安全確保が強化されるのだと理解していた。そう教わってきたと言ってもよい。

 しかし取り揃える動きは、手足を動かす部分はどう見ても機械的な動きである。機械化されないものの、取り揃えるだけであればそれほどの専門性は不要である。そこはもう割り切って、他のスタッフに任せて、薬剤師は服薬管理に十分時間をとったらどうかと言われると、それもそうだなと思えてくる。つまり取り揃えがいかに正確に行なわれるかがポイントだ。現実には、その取り揃えですら、しばしば間違えがある。だから取り揃えの側面だけで、鑑査が欠かせない。

 取り揃えの鑑査(確認)と薬学的な鑑査(服薬管理)。現行では、それを最終鑑査者が一人で受け持つこともあり、たいへん荷の重い業務だ。後者に専念できれば、少しは違うのかもしれない。取り揃えの確認から解放されれば、専念できる。

 薬剤師は員数規定があるから、薬学的管理の充実をタテマエにして、本音は経営的視点でテクニシャンを歓迎する経営者はゴマンといる。人件費を浮かしつつ、もし何か問題があれば係わった薬剤師の責任を問うこともできて、経営者にとっては余計に都合がよい。現在のような組織的防御では管理的責任が不可避であるが、個人にその任務が一手にかかるのなら、違った展開にもなる。であれば、テクニシャン制度は薬学的管理の充実を図る取り組み、教育等への投資を十分に伴う組織において成立する可能性のある仕組みではないだろうか。

 現状、ピッキングは機械化できない。無人では成り立たない。どんなに機械化されても、それを操作するのはヒトでもある。だから、機械の動きにとって代わるヒトが求められる。それがテクニシャンだろう。よほど正確で、さらに日本人的には“気の利いた”形で、彼らの機能が必要とされる。

 機械のようなピッキングをしてきたつもりのない薬剤師には、そこに戸惑いもあるが、目指すところは同じで、いかに専門職能が活かされるかどうかである。テクニシャンの取り揃えたものを確かめることなく、そのまま持って服薬指導・管理に臨めるかどうか、さてどうだろうか。
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トヨタの正体

2009-12-11 21:55:34 | Book Reviews
マスコミ最大のパトロン トヨタの正体 トヨタの前に赤信号はないのか  横田一・佐高信・著、金曜日、2006年6月21日

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Twitter社会論

2009-12-10 22:20:43 | Book Reviews
「Twitter社会論 新たなリアルタイム・ウェブの潮流 津田大介・著、洋泉社、2009年11月21日

p.4 基本的には、今現在自分が何をしているのかを140字以内で投稿し、同じように投稿された他人の他愛ない日常を読む、たったそれだけのサービスだからだ。

p.23 実は「ツイッターには明確なビジネスモデルがない」という指摘がサービス開始時から繰り返されている。

p.29 すなわち、「1.リアルタイム性」、「2.伝播力が強い」、「3.オープン性」、「4.ゆるい空気感」、「5.属人性が強い」、「6.自由度が高い」。

p.41 相互非対称な関係性が前提となっているツイッターは、さほど現実の人間関係を気にする必要がない。

p.51 実はネットを流れる情報の多くはタイトルが付いている必要性がない

p.55 タイムラインをじっくり眺めていたときに、各々のユーザーのつぶやきが筆者が思っていたほど「いまなにしてる?」に縛られていないことに気づいたのだ。

p.55 ブログのような形でまとまっていない、140字以内で表現される他人のむき身の「思考の断片」

p.56-7 筆者のツイッターの基本的な使い方は以下の5通りに固まった。1つ目は「いまなにしてる?」に準じた日常報告。2つ目は時事ニュースやネットで話題になっていることに対する感想や解説。3つ目は日々生活している中で突如思いついた提案や教訓、冗談など。4つ目はツイッターを使ったイベントの中継、いわゆる「tsudaる」だ。そして5つ目は、自分の活動に関する告知だ。

p.59 つまり、セミナーやシンポジウムなどの会場にノートパソコンを持ち込み、登壇者の発言や議論の流れをツイッターで中継する行為が「tsudaる」と呼ばれているのだ。

p.72-3 今後ツイッターユーザーが増えていくことによって、ツイッター中継によるトラブルが増えることも予想される。まず考えられるのは、発言を要約する過程で発言者の思った意図とは違うニュアンスの発言になってしまうことによるトラブルだ。

p.73 リアルタイムで要約するのが難しい発言の場合は、無理に要約する必要はない。「話に追いつくこと」より、「話されている内容を正確に伝える」ことを意識することが、トラブルのない中継につながるはずだ。

p.87 投稿された真偽の不確かな1次情報――本書ではこれを「0.5次情報」と表現したい――に対して、どのような検証を行い、どう信頼性を担保して1次情報にするか。その過程で生じる「0.5→1」のプロセスが重要になってくるということだ。

p.103 だからこそ、コストがかかる部分についてはツイッターなどを通じてCGM(ネットを通じて消費者が内容を生成していくメディアのこと)的に各々のユーザーが得意分野で「監視作業」を行い、ちょっとでもおかしな気配を感じたらツイッター上で騒いで影響力の大きい人物やメディア、ジャーナリストにコンタクトし、彼らにその問題を深く「掘ってもらう」というやり方が、次世代の「事後チェック・調査報道的ジャーナリズム」として成立するのではないかと個人的には思っている。

p.108 要は、「ツイッター時代のジャーナリストは情報に対して謙虚でなければならない」ということだ。

p.112 政治家が官僚的答弁で逃げようとしても、ツイッターの「公開インタビュー」の場合、リアルタイムで「ヤジ」を飛ばすことのできる観客が大量に存在する。

p.117 ブログ時代は「メイン=マスメディア」と、「サブ=ブログ」という明確な力関係があったが、ツイッター時代になり、両者は徐々にフラットな立ち位置に向かっている。その方向に向かえるのは、ひとえにツイッターの持つ強烈な属人性とリアルタイム性が個人の情報発信を最大化させているからだろう。

p.143 09年3月、米調査会社ガートナー(Gartner)が企業のツイッター活用法には「直接型(Direct」「間接型(Indirect)」「内部型(Internal)」「情報収集型(Inbound Signailing)」という4つのパターンがあるという調査結果を発表した。

p.144 日本はツイッターどころか社員にブログを禁じている会社も少なくない。内部情報漏洩や機密保持契約との関係を恐れてのことだろうが、一律に禁止するくらいならむしろ最初から「業務を通じて知り得た取引先の情報は書かない」、「同業他社のネガティブな情報は書かない」、「業界の内部事情や裏話を書くときはできるだけ具体的な情報はぼかし、固有名詞や対象が特定されないようにする」といったガイドラインを自主的に設けた上で個人による情報発信を認めた方が長期的なメリットがあるのではないだろうか。

p.152 同社ではツイッターの企業活用について、3つの「m」が大事であるとしている。それは「monitor(モニターする)」「mingle(会話に混じる)」「measure(効果測定する)」だ。顧客の不満をカジュアルに吸い上げ、押しつけがましくないちょうど良い距離感でコミュニケーションを図ることができる。

p.154 今まで紹介した成功事例は、今後ツイッターを使って新しい成功を目指している企業にはあまり参考にならない。なぜかと言えば、これまでの成功例はツイッターが海のものとも山のものともつかない初期から導入し、試行錯誤しながら「自力」でツイッターを企業活動に活かすよう生み出されたものだからだ。実際にツイッターを特定の目的で使い始めて、それに対する顧客からの反応を分析し、自社のサービスや商品にフィードバックし、ツイッターのスピード感に後れを取らない迅速な意思決定を行い、その効果を測定する――そうした地道な試行錯誤のプロセスがない状態で単に他社の真似をしてツイッターを始めたところで、期待する効果は得られない。

p.157-8 どれだけ企業アカウントの活用が進んだところで、ツイッターという空間の主役が「個人」であることは今後も変わらない。ならば、企業アカウントは単なる便利なbotとしてツイッター上に情報提供だけを行うと割り切るか、個人用のコミュニケーションプラットフォームと理解したうえで、その特殊な場所に自分たちが合わせていくか、どちらかしかないのだ。

p.189 ツイッターの独自性が理解できるのは、知り合い以外も含めて100人以上フォローするあたりからだ。そうすると、新聞やテレビなどのメディアを見るような感覚でツイッターを楽しめるようになってくる。
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儲かるお店の「すごい!」見せ方

2009-12-09 22:13:02 | Book Reviews
『儲かるお店の「すごい!」見せ方 「心地よく目立つ」ための店舗、看板、POP作りの秘訣 高橋芳文・著、PHPビジネス新書、2009年4月6日

p.30 絞り込むということは、今あるお客さんの一部を捨てるということです。しかし、絞り込みができなければ、特徴のないお店になってしまいます。それでは選ばれません。

p.64 この周囲とのバランスを考えるとき、私は自然界を手本にしています。自然界の風景はどこを見渡しても違和感がありません。

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外科医、薬局に帰る

2009-12-08 23:45:46 | Book Reviews
「外科医、薬局に帰る 浪花のあきんどクターの「医薬協業」への挑戦 狭間研至・著、薬局新聞社、2005年4月11日
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品質管理に真心を

2009-12-07 23:04:15 | 薬害は人災だ
〈経済気象台〉品質管理に真心を 朝日新聞 2009.12.1

 企業経営において、未知の新技術を開発する姿は勇ましく、ロマンがある。対照的に、品質管理を中心とした生産管理技術を定着させ、改善する活動は、静かで地味。しかし、企業を陰で支える大事な力だ。改善活動に終わりはない。

 昨今は、国際的にも品質管理とそのマネジメントに対する評価が厳しい。そこで各企業は、QC活動や品質管理の国際規格「ISO9000」の認証取得を目指している。ただ、認証を取得いたからといって、品質の安定的向上を保証するものではない。

 不良品をつくらないことは、品質管理の絶対条件。この製造工程上の能力が乏しいようでは、生産管理そのものが成り立たない。

 完全な品質保持を実現するには、最適な生産設備をそろえ、それらを完全にメンテナンスすることが条件。加えて、完璧な作業標準が存在し、それを実行できる技術を持ったオペレーションが不可欠だ。こうした能力を整えたうえで、ISOなどのマネジメントシステムを導入しないと、意味がない。

 いかなる管理活動も、すべて人間が行っているということを忘れてはいけない。どんなに高度な管理システムを導入しても、そこで働く人たちに誠意が無いようでは、絵に描いた餅になりかねない。

 会社に愛着を持った社員が、真心こめて行なう生産活動。これが不良品発生ゼロの原点だ。リストラが日常的に行なわれている企業で、社員の帰属意識が低いことは、想像に難くない。そのような企業では、品質管理の活動にも限界がある。

 「誠心誠意、真心込めて」。これがものづくりの原点であり、品質管理システムを支える土台だ。
---------- ---------- ---------- ---------- 

 ISO9001を認証取得していることが、ただちに企業の質やその高さを保証するものではない。その考え方に基づいて、経営方針や改善が適切に行なわれているかだ。

 それは見せかけのものではなく、真からそうであるかどうかだ。それは外部からはなかなか見通せるものではない。だから内部からサービスの品質やそれを維持する仕組みや取り組みのありかたを適正に保つことに意味がある。

 顧客の視点に乏しい企業は、おそらく見せかけに近い認証だろう。真から顧客のほうを向くからには、真心が込められているに違いない。
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逆境経営 7つの法則

2009-12-07 21:10:34 | Book Reviews
会社が甦る――逆境経営7つの法則」 水尾順一・著、朝日新書、2009年9月30日

p.9 誰もが逆境に立ち向かう意思はあったのですが、それを発揮できる「場」がなかっただけのことだったのです。
 改革委員会での議論をもとに再生案をつくって実行し、そして社長には交代してもらいました。変わろうとしている組織にとって、自らは変わろうとせず権力と地位だけ振り回すような存在は邪魔でしかなかったからです。

p.14 「必要な分野にはカネを惜しまない」、これこそ伸びる会社の必須条件です。

p.21-2 大事なことは状況が変わったら過去の成功体験は通用しないということを知ることです。それが理解できていないと命取りになってしまうおそれさえあります。

p.31 「経営改革の基本原理は簡単だ。これまでは社員がみんな上だけを見ていた。その視線を90度横にして、社会とお客様を見るようにしよう」

p.36 必要とされているのは、会社人間から社会的な人間に脱皮して器を大きくすることです。

p.39 逆境で経営が苦しくなると、まっさきに教育・研修費の削減を唱える企業が少なくありませんが、逆に、そういうときだからこそ教育・研修に時間と資金をかけ、社員の心の中に眠っている「柔軟性と創造性」を引き出してくる努力が必要です。それができる企業こそが、逆境を乗り越えて次なる成功のステージに立つことができるのです。

p.42 「何も変えないことが最も悪いことだ。それができない人は何もしなくてもよいから、せめて邪魔だけはしないでほしい」

p.56 逆境に陥ると、とかく出費を抑えようとします。不安から手元にカネを残しておきたいと思ってしまうのです。しかし手元に残しておいても、おカネが増えることはありません。逆境を跳ね返す大きな成果が欲しいなら、投資を惜しんではいけません。

p.62 逆境のときには目先のことだけにとらわれてしまい、極端にコストを削ってみたり人を減らしたりしたがるものです。しかし、それはやってはいけないことです。逆境から脱出するには、むしろ「新たな戦力」が必要になります。

p.64 逆境を跳ね返してさらなる発展につなげるには、「成長エンジン」が必要なのです。

p.72 たとえ逆境であっても顧客ニーズがゼロになることは絶対にありえません。そのニーズに素直に耳を傾け、それを実現するための行動を起こせば、逆境を打開する道は必ず開けます。顧客満足優先の姿勢は、そのまま逆境に負けないための法則なのです。

p.73 パナソニックには『汗・勘・足』という言葉があります。汗をかき足を動かして、その結果として始めて素晴らしい勘が得られることを示した言葉です。

p.80 何でも数字にしないと気の済まない傾向がある昨今んだら、「帽子に使った金額に見合うだけの売上増があったかどうか確認しろ」などと言い出す社長がいるかもしれません。いや、その前に、「帽子に使う金額に見合うだけのリターンがあるか証明しろ。そうでなければ、帽子をつくる許可は出せない」という社長がいないとも限りません。売上に直接結びつかないことにコストをかけたくないのが今の風潮だからです。

p.102 販売が不成功だったということは、顧客が満足しない何らかの不満足要因があったことを表しています。
 販売不成功には販売成功のヒントが隠されているのです。それを、そのまま捨ててしまうのは、ビジネスチャンスを逃していることにほかなりません。

p.103-4 「権限委譲」の問題です。組織が大きくなればなるほど、権限は組織の上の方に集中します。
 ところが伊勢丹では、第一次分析の直後に現場に改善策がフィードバックされmただちに実行される仕組みになっています。それは、権限がセールスマネジャーに委譲されているからこそできるのです。的確な権限委譲が素早い行動につながっているのです。

p.109-10 いち早く問題を解決して被害を最小限に抑えるためには、できるだけ早いレベルで把握し、素早く処置しなくてはなりません。それには、偉そうにしているだけのマネジャーは役に立たないどころかジャマでしかありません。
 もしも経営を正常化させたいならどの企業も同じ事をやらなければなりません。つまり、「威張るだけの上司」を放逐することです。

p.113 「ヒラメ人間ではない人材」を増やすためには、考えながら仕事ができる環境を整えることこそが大事になってきます。その最高の環境こそが「サーバント・リーダーシップ」を上司が発揮している現場なのです。

p.114-5 モノを販売するときに、「売れれば自分の利益」ということだけを考えていると、「どうにか誤魔化してでも買ってもらおう」をいう発想につながりかねません。顧客が必要としているかどうかなどは二の次で、「お買い得ですから、ぜひお買いになるべきです」とモノを押し付けてしまうことも出てきてしまいます。

p.115 顧客に満足してもらうには「顧客のためになる」ことを優先しなければいけません。

p.118 サーバント・リーダーシップには、「相手のことを受け入れる心の広さ」と「互いの思考や行動を共有できる組織」が必要になってきます。一言でいってしまえば、「威張らない態度」が重要です。
 いくら「あなたの成長のため」と口で言ってみても、相手のことを受け入れられず、思考や行動も共有できなければ、ただの押しつけにしかならないからです。

p.131 “人は責任を与えられると伸びる”
 責任を与えるというのは権限を与えることです。

p.136 その結果、社員はじゅうぶんに教育されないまま、即戦力を期待されることになります。即戦力ですから結果を求められます。となると、無理をするしかありません。無理をしてどうにかなっている間はまだいいのですが、無理しても結果とむすびつかなくなった場合は悲惨です。上からは怒鳴られ、結果をだせない自分を責めるようになる。やがては正常な精神状態を保てなくなり、心の病にかかってしまいます。

p.144 「今日の目標が10万円とすると、10万円売れたらあとは気分的に楽でした。でも、これからはそうはいきません。最後のお客様までご満足いただくように、徹底したカウンセリングをするとなるとたいへんです。まさに一期一会そのものですから」

p.145 企業の成長に必要なものは、社員にノルマを押しつけることではありません。社員が自分の仕事の意味を考えながら、精神的にのびのびと働ける環境こそが必要なのです。

p.147 企業そのものに社員にプレッシャーをかける体質があったとすれば、その上司は企業文化を忠実に再現しているだけともいえます。1人の上司を放逐しても、次から次へと同じように嫌な上司がでてくるだけのことです。企業にとって阻害要因となってしまうような上司を完全に放逐するためには、企業体質そのものを変えることが必要です。

p.164 新しみを重ねていく流行性こそが、結局は不易の本質でもあります。時代にあわせて新しみを重ねていかなければ、不易の部分は正しく理解されません。新しみを重ねてこそ、ほんとうに不易の部分を大事にすることになるのです。

p.180 「社会の常識と会社の常識のあいだにギャップがあった」
 不祥事が発覚したときに企業トップがよく口にする言葉です。企業は社会のなかで存在しているわけですから、「常識」も社会と同じでなければならないはずです。しかし、違ってしまっている企業がよく現れます。きっと、「企業は利益を追求するもの」という常識を優先しすぎるからでしょう。確かに利益は重要ですが、そればかりを優先すると社会の常識とのあいだにズレが生じてしまいます。

p.200 会社経営とは「改革」の積み重ねにほかなりません。


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【ジェネリック】 未知の作用への不安について考える

2009-12-07 00:35:44 | ジェネリック de リ・スタート!
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ★ ジェネリック de リ・スタート!
┃  -治療レベルを下げずに、支払いはリーズナブルに-
┠────────────────────────────
┃       2009.10.25 Sun.   通巻32号
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 みたキタ企画、薬剤師のsukeです。

 このメールマガジンは、ジェネリック医薬品(後発医薬品)が
適切に使用されることを目的とするものです。

──────────────────────────────

 今月になって、これまでにない新しい薬理作用を有する高血圧治療薬
が新発売になったことでMR氏が来訪され、説明を受けました。

 海外でも2年ほど前から使用し始められた程度にすぎず、
それほど使用例は多くない、これからの薬剤です。

 そのメーカーは期待でいっぱいのようです。しかし飲むのは患者さんです。
安心して使用できるでしょうか。

------------------------------------------------------------

 新薬というのは、例えば車などと違って、新車がそれまでの経験を元に
性能が改良されて発売されてくるのと異なり、多分に使ってみないと
わからない部分がたくさんあります。

 たとえ同系統の薬理作用を有する薬剤に分類される薬であっても、
細部の作用はその物質が持つ特有の作用であり、わざわざその作用を
持つように開発者が仕組んだものではありません。

 薬の作用は、機械のように開発側がその機能を自由に制御できるわけ
ではありません。

 新薬の中でも、新しい薬理作用を有するものほど未知の部分が多いの
は言うまでもありません。

 開発時に臨床試験を行っているといっても、限られた状況下において
使用されたにすぎず、市販後にあらゆる状況下で使われると、ときに
予想外の重篤な副作用等が見つかることはいくらでもあります。

 臨床試験をしたうえで市販されているといっても、
改めて試運転をしているにすぎないのが「新薬」です。

──────────────────────────────

 それに比べて、ジェネリックはどうでしょう・・・。

 薬理作用を有する主成分は、先発品とまったく同じです。
 だから、その作用もわかっており、使用経験が十分にあります。
安全性に関するデータもかなり揃っています。

 それは発売直後の新薬と比べると、大きな違いです。

------------------------------------------------------------

 先発品と同じ薬効成分を用いて製剤化するにあたり添加物が異なると
いっても、医薬品に用いる添加物は、多くの薬剤に用いられている、
既定の範囲のものばかりです。

 添加物が作用に影響を及ぼすことはありません。ないから、添加物への
使用が認められているわけです。

 また製剤として、その効き目は「生物学的同等性試験」によって、
先発品と同じ効き目(時間の経過に伴う血液中濃度の変動の様子)で
あると、同等であると評価されているのがジェネリックです。

 新薬が未知の部分が多いのに比べたら、ジェネリックはほとんど既知の
薬剤であるといってよいでしょう。

 新薬には過去の薬剤にはない期待もあるとはいえ、未知の不安も
大きい・・・。
 ジェネリックは先発品と同等の作用が期待でき、未知の不安は少ない。

 こんな対比ができると思います。

------------------------------------------------------------

 新薬にそれほどの懸念を覚えず、次々と使い始める一方、
ジェネリックに慎重になっているというのは、安全性感覚がアンバランス
ではないかと思われます。

 未経験なものにトライする際の不安はあると思いますが、ならば新薬を
使う際には、相当の警戒感をもって使用したほうがよいでしょう。

──────────────────────────────
 
 さて、すっかり秋らしくなってきました。食欲の秋、読書の秋、スポーツの
秋、そのほか、何をするにも絶好のシーズンです。
 
 今日、10月25日は『第11回薬害根絶フォーラム』が行われました。
http://homepage1.nifty.com/hkr/yakugai/forum/forum11-chirashi(1).pdf

 この内容は次回、お知らせしたいと思います。

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 本メルマガをご覧になられて、ご意見等がございましたらお知らせください。
取り上げてほしい話題、感想等、些細なことでも構いません。

 お送り先は、 tamsuke@gmail.com です。
(@は小文字の「@」に変えてお送りください)

 お待ちしています!
 それではまた次回! (^^)/

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 お知らせください(下記参照)。
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