何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

こころを動かすマーケティング

2009-12-17 22:06:19 | Book Reviews
「こころを動かすマーケティング コカ・コーラのブランド価値はこうしてつくられる 魚谷雅彦・著、ダイヤモンド社、2009年8月6日

p.28 売れているのは、単にそこに自販機があったからにすぎないのではないか。ブランド力と物販販売力の整合性、連動性がとれていない。

p.36 ブランドづくりの発想が「心に感じて商品を選んでもらう」という「お客さまとの絆づくり」にフォーカスしたものである。

p.37 ブランドの価値を分解すると、「intrinsic value」と「extrinsic value」に分けられます。「intrinsic value」とは基本的な価値、すなわち「機能やスペックの価値」であ
り、「extrinsic value」とは、そこから付帯的に加わる価値、すなわち「エモーション、情緒や感性の価値」と表現できます。マーケティングには、実はこの両方が必要になります。理屈だけではなかなか共感は生まれない。

p.38 そのときどきの時代の変化とともに、日本人の価値観と行動は大きく変わっていきました。その気持ち、すなわち、生活者のインサイトに合わせ、ブランドというものと人々との絆のあり方は、大きく変わっていくものです。インサイトを見つけ、常に働きかけをして、ブランドを変化させ、進化させていく。実はこれこそ、「extrinsic value」=心が動かされる価値の創出であ
り、コカ・コーラがこだわってきたものでした。

p.84 気持ちを前向きにする「リフトアップ」、そしてちょっと小腹を満たす「インダルジェンス」

p.116-7 人と同じことをしていたのでは、大きな成果は得られません。似たような商品を出したところで、消費者からの大きな支持は得られない。買うに足る飛び抜けた価値や意味を見出せなければ、消費者にとっての感動もありません。

p.118 モノづくりをするときに、最も陥りがちなある危険が潜んでいる、と教授は言いました。それは、これぞ消費者のニーズではないか、と平均的で汎用的なモノをつくってしまうということです。

p.146 商品やサービスの受け手は、間違いなくお客さまです。お客さま発のビジネスをしていかなければ、受け入れられるはずがありません。しかし、多くの会社で、本社からビジネスが始まってはいないでしょうか。本社の戦略部門が、各部門に戦略を「落とし込む」ようなことが行われていないでしょうか。そうすると何が起きるのかと言えば、お客さまが戦略に「落とし込」まれてしまったりするのです。過分なノルマが発生したり、最前線の営業担当者が無理をしなければいけなくなるのは、こういうビジネスプロセスだからです。

p.154 結局のところマーケティングとは、人の心を動かせるかどうか、に尽きると僕は思っています。しかし、それは商品を買っていただくお客さまの心だけではありません。社内のスタッフであり、取引先であり、いろいろな人の心を動かすことで、それが大きな原動力になっていくのです。

p.169-170 日本の会社では、テレビCMをはじめとした広告予算は「費用」と考えられることが多いようです。しかし、日本コカ・コーラでは、そうは考えません。費用ではなく、「投資」なのです。ブランドを育てていくための、マーケティングは投資活動なのです。

p.172 ビジネスパートナーに、「買ってやっているんだ。オレたちの言うとおりにしろ」という態度で接せられたとしたら、やはり気持ちは萎えてしまいます。ときには反感さえ覚えます。
 そうではなくて、「こんなことがやりたい。こんな悩みがある。これを一緒に考えてほしい」というパートナーとしての位置づけで対応してもらえたとするなら、どうでしょうか。

p.218 その「お客さま」とどう向き合うか、その理念を表すのがブランドであり、その企業活動それこそがマーケティングです。そして「お客さま」とどう向き合うかということこそ、実は経営の中枢である、と僕は思っています。

p.228 仕事でも、講演でも、何でも、「よかった」「面白かった」「楽しかった」「びっくりした」など、何でもいいのですが、他人に喜んでもらえる反応があることがうれしいのです。そしてこの反応があるからこそ、頑張れる。もっと、やってみようと思う。

p.230 市場の変化に対応することが重要だ、という話がよくされます。でも、それが意味しているのは、お客さまが変わったから、自分たちも変化するというのではなく、何かそのヒントになるような現象を見て、自分たちからその変化を先取りすることです。

p.232 マーケティングとは何か。世の中は人を中心にできています。人の行動や心理、そういうものに興味を持ち、そこに何かの新しい価値をつくっていこうという思いであり、こだわり、志だと思うのです。そこから、人の喜びや楽しさ、便利さ、感動など、人の心を揺さぶり、動かすようなものを考えていきたい、と思う気持ちです。

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