何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

品質管理に真心を

2009-12-07 23:04:15 | 薬害は人災だ
〈経済気象台〉品質管理に真心を 朝日新聞 2009.12.1

 企業経営において、未知の新技術を開発する姿は勇ましく、ロマンがある。対照的に、品質管理を中心とした生産管理技術を定着させ、改善する活動は、静かで地味。しかし、企業を陰で支える大事な力だ。改善活動に終わりはない。

 昨今は、国際的にも品質管理とそのマネジメントに対する評価が厳しい。そこで各企業は、QC活動や品質管理の国際規格「ISO9000」の認証取得を目指している。ただ、認証を取得いたからといって、品質の安定的向上を保証するものではない。

 不良品をつくらないことは、品質管理の絶対条件。この製造工程上の能力が乏しいようでは、生産管理そのものが成り立たない。

 完全な品質保持を実現するには、最適な生産設備をそろえ、それらを完全にメンテナンスすることが条件。加えて、完璧な作業標準が存在し、それを実行できる技術を持ったオペレーションが不可欠だ。こうした能力を整えたうえで、ISOなどのマネジメントシステムを導入しないと、意味がない。

 いかなる管理活動も、すべて人間が行っているということを忘れてはいけない。どんなに高度な管理システムを導入しても、そこで働く人たちに誠意が無いようでは、絵に描いた餅になりかねない。

 会社に愛着を持った社員が、真心こめて行なう生産活動。これが不良品発生ゼロの原点だ。リストラが日常的に行なわれている企業で、社員の帰属意識が低いことは、想像に難くない。そのような企業では、品質管理の活動にも限界がある。

 「誠心誠意、真心込めて」。これがものづくりの原点であり、品質管理システムを支える土台だ。
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 ISO9001を認証取得していることが、ただちに企業の質やその高さを保証するものではない。その考え方に基づいて、経営方針や改善が適切に行なわれているかだ。

 それは見せかけのものではなく、真からそうであるかどうかだ。それは外部からはなかなか見通せるものではない。だから内部からサービスの品質やそれを維持する仕組みや取り組みのありかたを適正に保つことに意味がある。

 顧客の視点に乏しい企業は、おそらく見せかけに近い認証だろう。真から顧客のほうを向くからには、真心が込められているに違いない。
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逆境経営 7つの法則

2009-12-07 21:10:34 | Book Reviews
会社が甦る――逆境経営7つの法則」 水尾順一・著、朝日新書、2009年9月30日

p.9 誰もが逆境に立ち向かう意思はあったのですが、それを発揮できる「場」がなかっただけのことだったのです。
 改革委員会での議論をもとに再生案をつくって実行し、そして社長には交代してもらいました。変わろうとしている組織にとって、自らは変わろうとせず権力と地位だけ振り回すような存在は邪魔でしかなかったからです。

p.14 「必要な分野にはカネを惜しまない」、これこそ伸びる会社の必須条件です。

p.21-2 大事なことは状況が変わったら過去の成功体験は通用しないということを知ることです。それが理解できていないと命取りになってしまうおそれさえあります。

p.31 「経営改革の基本原理は簡単だ。これまでは社員がみんな上だけを見ていた。その視線を90度横にして、社会とお客様を見るようにしよう」

p.36 必要とされているのは、会社人間から社会的な人間に脱皮して器を大きくすることです。

p.39 逆境で経営が苦しくなると、まっさきに教育・研修費の削減を唱える企業が少なくありませんが、逆に、そういうときだからこそ教育・研修に時間と資金をかけ、社員の心の中に眠っている「柔軟性と創造性」を引き出してくる努力が必要です。それができる企業こそが、逆境を乗り越えて次なる成功のステージに立つことができるのです。

p.42 「何も変えないことが最も悪いことだ。それができない人は何もしなくてもよいから、せめて邪魔だけはしないでほしい」

p.56 逆境に陥ると、とかく出費を抑えようとします。不安から手元にカネを残しておきたいと思ってしまうのです。しかし手元に残しておいても、おカネが増えることはありません。逆境を跳ね返す大きな成果が欲しいなら、投資を惜しんではいけません。

p.62 逆境のときには目先のことだけにとらわれてしまい、極端にコストを削ってみたり人を減らしたりしたがるものです。しかし、それはやってはいけないことです。逆境から脱出するには、むしろ「新たな戦力」が必要になります。

p.64 逆境を跳ね返してさらなる発展につなげるには、「成長エンジン」が必要なのです。

p.72 たとえ逆境であっても顧客ニーズがゼロになることは絶対にありえません。そのニーズに素直に耳を傾け、それを実現するための行動を起こせば、逆境を打開する道は必ず開けます。顧客満足優先の姿勢は、そのまま逆境に負けないための法則なのです。

p.73 パナソニックには『汗・勘・足』という言葉があります。汗をかき足を動かして、その結果として始めて素晴らしい勘が得られることを示した言葉です。

p.80 何でも数字にしないと気の済まない傾向がある昨今んだら、「帽子に使った金額に見合うだけの売上増があったかどうか確認しろ」などと言い出す社長がいるかもしれません。いや、その前に、「帽子に使う金額に見合うだけのリターンがあるか証明しろ。そうでなければ、帽子をつくる許可は出せない」という社長がいないとも限りません。売上に直接結びつかないことにコストをかけたくないのが今の風潮だからです。

p.102 販売が不成功だったということは、顧客が満足しない何らかの不満足要因があったことを表しています。
 販売不成功には販売成功のヒントが隠されているのです。それを、そのまま捨ててしまうのは、ビジネスチャンスを逃していることにほかなりません。

p.103-4 「権限委譲」の問題です。組織が大きくなればなるほど、権限は組織の上の方に集中します。
 ところが伊勢丹では、第一次分析の直後に現場に改善策がフィードバックされmただちに実行される仕組みになっています。それは、権限がセールスマネジャーに委譲されているからこそできるのです。的確な権限委譲が素早い行動につながっているのです。

p.109-10 いち早く問題を解決して被害を最小限に抑えるためには、できるだけ早いレベルで把握し、素早く処置しなくてはなりません。それには、偉そうにしているだけのマネジャーは役に立たないどころかジャマでしかありません。
 もしも経営を正常化させたいならどの企業も同じ事をやらなければなりません。つまり、「威張るだけの上司」を放逐することです。

p.113 「ヒラメ人間ではない人材」を増やすためには、考えながら仕事ができる環境を整えることこそが大事になってきます。その最高の環境こそが「サーバント・リーダーシップ」を上司が発揮している現場なのです。

p.114-5 モノを販売するときに、「売れれば自分の利益」ということだけを考えていると、「どうにか誤魔化してでも買ってもらおう」をいう発想につながりかねません。顧客が必要としているかどうかなどは二の次で、「お買い得ですから、ぜひお買いになるべきです」とモノを押し付けてしまうことも出てきてしまいます。

p.115 顧客に満足してもらうには「顧客のためになる」ことを優先しなければいけません。

p.118 サーバント・リーダーシップには、「相手のことを受け入れる心の広さ」と「互いの思考や行動を共有できる組織」が必要になってきます。一言でいってしまえば、「威張らない態度」が重要です。
 いくら「あなたの成長のため」と口で言ってみても、相手のことを受け入れられず、思考や行動も共有できなければ、ただの押しつけにしかならないからです。

p.131 “人は責任を与えられると伸びる”
 責任を与えるというのは権限を与えることです。

p.136 その結果、社員はじゅうぶんに教育されないまま、即戦力を期待されることになります。即戦力ですから結果を求められます。となると、無理をするしかありません。無理をしてどうにかなっている間はまだいいのですが、無理しても結果とむすびつかなくなった場合は悲惨です。上からは怒鳴られ、結果をだせない自分を責めるようになる。やがては正常な精神状態を保てなくなり、心の病にかかってしまいます。

p.144 「今日の目標が10万円とすると、10万円売れたらあとは気分的に楽でした。でも、これからはそうはいきません。最後のお客様までご満足いただくように、徹底したカウンセリングをするとなるとたいへんです。まさに一期一会そのものですから」

p.145 企業の成長に必要なものは、社員にノルマを押しつけることではありません。社員が自分の仕事の意味を考えながら、精神的にのびのびと働ける環境こそが必要なのです。

p.147 企業そのものに社員にプレッシャーをかける体質があったとすれば、その上司は企業文化を忠実に再現しているだけともいえます。1人の上司を放逐しても、次から次へと同じように嫌な上司がでてくるだけのことです。企業にとって阻害要因となってしまうような上司を完全に放逐するためには、企業体質そのものを変えることが必要です。

p.164 新しみを重ねていく流行性こそが、結局は不易の本質でもあります。時代にあわせて新しみを重ねていかなければ、不易の部分は正しく理解されません。新しみを重ねてこそ、ほんとうに不易の部分を大事にすることになるのです。

p.180 「社会の常識と会社の常識のあいだにギャップがあった」
 不祥事が発覚したときに企業トップがよく口にする言葉です。企業は社会のなかで存在しているわけですから、「常識」も社会と同じでなければならないはずです。しかし、違ってしまっている企業がよく現れます。きっと、「企業は利益を追求するもの」という常識を優先しすぎるからでしょう。確かに利益は重要ですが、そればかりを優先すると社会の常識とのあいだにズレが生じてしまいます。

p.200 会社経営とは「改革」の積み重ねにほかなりません。


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【ジェネリック】 未知の作用への不安について考える

2009-12-07 00:35:44 | ジェネリック de リ・スタート!
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ★ ジェネリック de リ・スタート!
┃  -治療レベルを下げずに、支払いはリーズナブルに-
┠────────────────────────────
┃       2009.10.25 Sun.   通巻32号
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 みたキタ企画、薬剤師のsukeです。

 このメールマガジンは、ジェネリック医薬品(後発医薬品)が
適切に使用されることを目的とするものです。

──────────────────────────────

 今月になって、これまでにない新しい薬理作用を有する高血圧治療薬
が新発売になったことでMR氏が来訪され、説明を受けました。

 海外でも2年ほど前から使用し始められた程度にすぎず、
それほど使用例は多くない、これからの薬剤です。

 そのメーカーは期待でいっぱいのようです。しかし飲むのは患者さんです。
安心して使用できるでしょうか。

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 新薬というのは、例えば車などと違って、新車がそれまでの経験を元に
性能が改良されて発売されてくるのと異なり、多分に使ってみないと
わからない部分がたくさんあります。

 たとえ同系統の薬理作用を有する薬剤に分類される薬であっても、
細部の作用はその物質が持つ特有の作用であり、わざわざその作用を
持つように開発者が仕組んだものではありません。

 薬の作用は、機械のように開発側がその機能を自由に制御できるわけ
ではありません。

 新薬の中でも、新しい薬理作用を有するものほど未知の部分が多いの
は言うまでもありません。

 開発時に臨床試験を行っているといっても、限られた状況下において
使用されたにすぎず、市販後にあらゆる状況下で使われると、ときに
予想外の重篤な副作用等が見つかることはいくらでもあります。

 臨床試験をしたうえで市販されているといっても、
改めて試運転をしているにすぎないのが「新薬」です。

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 それに比べて、ジェネリックはどうでしょう・・・。

 薬理作用を有する主成分は、先発品とまったく同じです。
 だから、その作用もわかっており、使用経験が十分にあります。
安全性に関するデータもかなり揃っています。

 それは発売直後の新薬と比べると、大きな違いです。

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 先発品と同じ薬効成分を用いて製剤化するにあたり添加物が異なると
いっても、医薬品に用いる添加物は、多くの薬剤に用いられている、
既定の範囲のものばかりです。

 添加物が作用に影響を及ぼすことはありません。ないから、添加物への
使用が認められているわけです。

 また製剤として、その効き目は「生物学的同等性試験」によって、
先発品と同じ効き目(時間の経過に伴う血液中濃度の変動の様子)で
あると、同等であると評価されているのがジェネリックです。

 新薬が未知の部分が多いのに比べたら、ジェネリックはほとんど既知の
薬剤であるといってよいでしょう。

 新薬には過去の薬剤にはない期待もあるとはいえ、未知の不安も
大きい・・・。
 ジェネリックは先発品と同等の作用が期待でき、未知の不安は少ない。

 こんな対比ができると思います。

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 新薬にそれほどの懸念を覚えず、次々と使い始める一方、
ジェネリックに慎重になっているというのは、安全性感覚がアンバランス
ではないかと思われます。

 未経験なものにトライする際の不安はあると思いますが、ならば新薬を
使う際には、相当の警戒感をもって使用したほうがよいでしょう。

──────────────────────────────
 
 さて、すっかり秋らしくなってきました。食欲の秋、読書の秋、スポーツの
秋、そのほか、何をするにも絶好のシーズンです。
 
 今日、10月25日は『第11回薬害根絶フォーラム』が行われました。
http://homepage1.nifty.com/hkr/yakugai/forum/forum11-chirashi(1).pdf

 この内容は次回、お知らせしたいと思います。

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 それではまた次回! (^^)/

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