新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
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イチヤクソウ:一薬草(街中にひそやか)

2006-06-24 06:26:08 | 植物観察1日1題

観察の先輩がイチヤクソウ:一薬草(イチヤクソウ科イチヤクソウ属)が咲いていると教えてくれました。それは高槻市内の住宅街に囲まれた僅かな緑地の木陰にひそやかに咲いていました。
一薬草の名は、茎を揉んで傷に塗ったり、全草を干したのを鹿蹄草といって、漢方の脚気の薬になるところからきています。
林内に生える多年草で、葉は根際に集まってつき、長い柄があり、広楕円形で長さ3~6cm、細かい鋸歯があります。
初夏、葉の間から20cmほどの花茎を立て、上部に2~10個の下向きの白い花をつけます。花冠は直径1.3cmくらいで、深く5裂し、雄蕊は10個、長い雌蕊は下に突き出て湾曲します。(下図)
漢名の鹿蹄草は菌金根植物で根毛が発達しないことからきています。
日本では、本州中部以北の山岳地帯に生えるベニバナイチヤクソウなど数種類が野生します。
菌類と共生の根菌植物で、栽培はきわめて困難と聞きます。注意すれば遊歩道からも見えるこの花が心配になって、そっと枯れ枝で覆って帰りましたが、よいことをしたのか、いけないことをしたのか少し気にしています。