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万博公園のモモ:桃(バラ科サクラ属)がほころび始めています。
中国北部原産の落葉低木で、中国では古くから栽培され、古事記にも出てきますからわが国への渡来もかなり古いといえます。
桃栗3年といわれるように、成長が早く枝葉もよく茂り、短期間で多数の実をつける盛んな生命力から、古代の中国人は桃の木に邪悪を斥ける霊力があるとして、桃の木で作った桃人、桃符(今の春聯)に像や呪文などを書き厄除けにしました。
陶淵明の桃源郷、命を延ばす西遊記の蟠桃、古事記の黄泉の国から逃げ帰るイザナギを救った桃など桃の霊力を語る話は数多くあります。
飛鳥の遺跡から大量の桃の種が出土していますし、飛鳥には桃原という古い地名があり、馬子の墓といわれる石舞台も別名は桃原塚ですので、古くから桃がひろく食用とされていたようです。ただ現在のように大きく美味な桃に品種改良されたのは明治になってからといいいます。
有名な家持の「春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ乙女」は、家持が越中在任中のものですが、たくましい北国の女性より、みやびな天平の都の乙女をイメージしたのかもしれません。
写真は八重咲きですのでいわゆるハナモモ:花桃といわれる品種と思われます。