新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

シロモジ:白文字(葉の切れ込みが特徴)

2007-11-30 07:18:10 | 植物観察1日1題

山道を黄色い葉で彩っているのがシロモジ:白文字(クスノキ科クロモジ属)です。
山地に生える落葉高木で高さは5mくらいになります。互生する葉の葉身は長さ8~12cm、幅7~10cmの3角状広倒卵型で、ふつう上部で3中裂するのが特徴です。葉が風変わりなので茶庭に植えられたりします。
雌雄異株で、4月葉の展開前に黄色の花を数個固まって咲きます。
和名は仲間のクロモジに対して、また別名のアカジシャは、これも仲間のシロジシャ(ダンコウバイ)に対してのものです。

ウチワゴケ:団扇苔(小さい団扇)

2007-11-29 07:20:00 | 植物観察1日1題

昨日のコウヤコケシノブと同じような湿った岩上や樹幹にマット状に覆っているのはウチワゴケ:団扇苔(コケシノブ科ウチワゴケ属)で、やはりコケという名のシダです。常緑の多年草でよくコケと間違われたりします。
根茎は糸状で細毛を密生し、細毛の生えたひげ根を出します。葉は径1cmくらいで、長さ1cmくらいの細い糸状の葉柄をもちます。
和名はこの葉が扇状あるいは掌状で団扇の形をしていることからきています。

コウヤコケシノブ:高野苔忍(コケに似るシダ)

2007-11-28 07:01:54 | 植物観察1日1題

コウヤコケシノブ:高野苔忍(コケシノブ科コケシノブ属)は水が滴るような湿った岩場などに密生して着生する常緑性多年草です。根茎は長く横にはい、葉は根茎からまばらにでて長さ4~6cm、胞子のう群は裂片の末端につきます。
和名の苔忍は、生える場所があたかもコケが生えるような湿った場所が多く、葉が小型でコケのようでもあり、形がシノブに似るところからきていますが、れっきとしたシダの仲間です。
単にコケシノブとも呼ばれます。

ウラジロノキ:裏白の木(よくわかる葉)

2007-11-27 06:55:18 | 植物観察1日1題

山道を歩いていると、落ち葉の間に赤い実が落ちていました。
葉の形と葉裏の白さからウラジロノキ:裏白の木(バラ科ナナカマド属)とすぐわかりました。
長さ6~13cm、幅4~9cmの広卵型の葉の裏面や葉柄に白い綿毛が密生し白く見えるのでこの名前になっています。葉の縁には欠刻状の鋸歯があり、8~10対の側脈が目立ちます。
初夏、白く小さい5弁の花をつけ、秋に楕円形のナシ状果が赤く熟します。

シラキ:白木(紅葉する白木)2007.11.26

2007-11-26 07:02:21 | 植物観察1日1題


木肌が白いのでこの名があるシラキ:白木(トウダイグサ科シラキ属)(06年7月10日記事参照)
(06年7月10日記事)がきれい紅葉しています。
よく見かける渓沿いのこの木の秋はいつも黄白色なのに、図鑑では秋の紅葉が美しいと不審に思っていましたが、やっときれいに色づいたシラキに出会いました。
太陽の光が当たるところは鮮やかに紅葉し、葉が重なって日光が遮られた部分は黄色とはっきり色わけされていました。
図鑑は間違いありませんでした。いつも見ていたのは、日陰の木だったのです。

ヒメツルソバ:姫蔓蕎麦(道端に忘れられた)

2007-11-25 08:04:36 | 植物観察1日1題

秋が深まったというのに、道端にヒメツルソバ:姫蔓蕎麦(タデ科)が桃色の金平糖のような花をたくさんつけています。
ヒマラヤ地方の原産で、熱帯から温帯にかけて各地で観賞用に栽培されている多年草です。
茎はよく分岐して地を這ってひろがり、長さ50cmほどになります。先端の尖った卵形の葉身には紫色の斑点が入ります。
夏、暖地では周年、茎の先端に淡紅紫色の花被片の小花が直径1cmほどの球形に固まった花序をつけます。
明治年間に花卉として輸入され、しばしば逸失して野生化しています。
庭の片隅や道端に忘れられたように咲いているこの花も、近づいてよく見るとなかなか可憐です。


ナガエツルノゲイトウ:長柄蔓野鶏頭(長柄というほどでは)

2007-11-24 08:00:52 | 植物観察1日1題

温暖気候が続く淀川岸に、いまも緑を保ったままのナガエツルノゲイトウ:長柄蔓野鶏頭(ヒユ科)が、白い花をつけています。
南アメリカ原産で、世界の熱帯から亜熱帯にかけて広く帰化している多年生草本です。
茎は中空で横に這うか斜上し、よく分岐して節から根を下ろし長さ1mほどになります。
葉は無柄で対生し、夏から秋にかけて葉脇に細い花柄をだし、先端に直径1.5cmほどの球形の花穂をつけます。花は白色で20個ほど集まります。
1989年に尼崎市で見出され、その後各地の河川や水湿地に群生しています。
別名はミズツルノゲイトウで、このほうがぴったりするような気がします。

バショウ:芭蕉(田舎では寿司を包む)

2007-11-23 07:21:56 | 植物観察1日1題

ばしょう:芭蕉(バショウ科バショウ属)が、長い花茎に、緑色のバナナのような果実をつけています。中国原産で、観賞用として暖地で植栽する多年草です。室町中期、金春禅竹がつくった能楽に「芭蕉」があることから、古くに渡来していたと思われます。
根茎は塊状で、次代の根茎が側生し、直立する幹は偽茎で、重なり合う葉鞘で出来上がっています。高さ5m、径10cmくらいで、若い葉は2mくらいで、巻いて出て、直立し開くと四方にひろがります。株が成熟すると偽茎の中心から花茎がのび、バナナに似た黄白色の花が咲きます。
故郷の紀州の山奥では、鯖や鮎の「なれ寿司」を芭蕉の葉で包みます。葉の香りが寿司に移って味を引き立たせます。

ケ)ケンポナシ:毛玄圃梨(奇妙な形の甘い果柄)

2007-11-22 07:14:48 | 植物観察1日1題

幼いとき、隣家の庭に広げた筵に奇妙な形のものをたくさん干していました。
いま思うと、あれがケンポナシ(クロウメモドキ科ケンポナシ属)の果実だったのだとわかりましたが、何ために干していたのかは今もわかりません。
山野や谷沿いに生える落葉高木で高さは20mほどになります。互生する葉は長さ7~15cmの広卵形で3本の脈が目立ちます。
6~7月枝先に淡緑色の花を多数つけます。
面白いのは秋に黒紫色に熟す果実で、先端の果実が熟す頃、果実の柄がふくらんで地上に落ちるのが特徴です。この肥大した柄はすこし渋みがありますがあまくナシのような味がして食べられます。
この落ちた小枝がタヌキやテンなど動物の餌となることで種子散布がされると考えられています。
和名は手棒梨の訛化でないかといわれます。
写真は、ケンポナシに似て、本州西部と四国に分布する葉裏や枝、果序などに毛が多いケケンポナシではないかとおもわれます。
材は木目が美しくて狂いが少ないので家具や器具に使われます。

カナクギノキ:金釘の木(釘にはならない)

2007-11-21 07:04:32 | 植物観察1日1題

カナクギノキ:金釘の木(クスノキ科クロモジ属)が赤い実をつけています。
山地に生える落葉高木で、高さは10m~15mほど、秋の黄葉が美しい木のひとつです。
互生する葉は長さ6~15cm、幅2~4cmの長楕円形で表面は無毛、裏面は白っぽくなります。
雌雄別株で、花期は4月、葉が開くのとほぼ同時期に淡黄緑色の小さな花を固まってつけます。
果実は直径5~7mmの球形で秋に赤く熟します。
材は小楊枝や細工物に使われますが、弱いので釘に使われることはありません。カナクギの名は金釘ではなくて樹皮の模様から鹿の子木が訛ったのではないかといわれています。

アカネ:茜(実は黒いアカネ)

2007-11-20 07:06:31 | 植物観察1日1題


アカネ:茜(アカネ科アカネ属)が、黒い実をつけています。
8~10月、直径4mmほどの黄白色の花を数個ずつ集まって咲いていたのが、秋になって直径5~7mmの球形の果実を黒く熟しています。(06年8月4日記事)この草が茜染めの原料として昔からよく知られた名前ですが、茜染がセイヨウアカネに取って代わられたこのなどで最近では関心を呼ぶことがないようです。緑の葉に黒い実のアカネは名前から想像できない地味な草となっています。

ヤマブドウ:山葡萄(食べられるというのに)

2007-11-19 07:08:22 | 植物観察1日1題
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高い木に這い登ったヤマブドウ:山葡萄(ブドウ科ブドウ属)が黒紫色に熟しています。
以前からノブドウは食べられないがヤマブドウは食べられると聞いてきたのに、なぜかよく目につくのは食べられないほうのノブドウばかりでした。
このヤマブドウも高いところに実をつけていて、残念ながら望遠で写真を撮るだけでした。
秋に熟す果実は直径8mmほどの球形で、そのまま食べたり、ジュースやジャムにします。
樹皮は丈夫で、籠などを編むのに利用され、長さも幅も10~25cmほどの葉は秋に美しく紅葉します。

テリハノイバラ:照葉野薔薇 

2007-11-18 07:47:23 | 植物観察1日1題

気象異変のせいでしょうか、河原沿いに這うテリハノイバラ:照葉野薔薇(バラ科バラ属)が、赤い実のあいだの所どころに白い花をつけています。
葉の表面に光沢があるところからテリハの名がついています。
日当たりのよい海岸や河原に多く、山の草地にも見られる落葉低木で、茎は地面を這ってのび、まばらに棘があります。6~7月、枝先に直径約3cmの白い花を数個ずつつけます。
花はノイバラより大きくて平開し、芳香があります。
園芸種のバラの接木の台木になっています。


ユーカリ (おなじみの外国の木)

2007-11-17 07:24:48 | 植物観察1日1題

万博公園で、ユーカリ(フトモモ科ユーカリ属)の木が白い花をつけています。和名のユーカリは学名のeucalyptus(よい蓋の意)の短縮形からきています。写真に見るように蕾時の花弁と萼片が合着したものが開花と同時に落ちて、淡黄白色の雄蕊が目立ちます。学名はこの蕾を蓋と見立てたとか、よく育って乾燥地を覆うところから来ているとかの説があります。
オーストラリア、タスマニア島に主に分布し、500種、変種を入れれば100種にもなるといわれています。(万博の品種はユーカリ グロブロスとありました)
コアラの主食として知られていますが、葉からとる精油は殺菌、抗菌、鎮痛、鎮静の薬効があり、最近ではアロマテラピーや健康茶としても利用されています。
葉は成木では互生、幼木では対生、樹皮は滑らかで、長いひも状に剥がれます。森林火災に強く、種子は火事にあって初めて芽生えるなど話題の多い樹木です。

タコノアシ:蛸の足(茹蛸になった)

2007-11-16 06:55:17 | 植物観察1日1題

小さな花がびっしり並んだ枝が斜めに広がり、吸盤のあるタコの足のように見えるところからこの名があるタコノアシ:蛸の足(ベンケイソウ科タコノアシ属)が、秋になりすっかり茹蛸のように赤くなっています。
湿地や沼、川岸などに群生する多年草で、高さは30~80cmになり、茎は赤みを帯びることが多く、互生する葉は長さ3~10cmの披針形、ふちに細かい鋸歯があります。
花期は8~9月、直径約mmの花のつく枝は、はじめ渦巻き状になっていますが、次第にほぐれて斜めに開きます。