何鉢か持っている日本桜草が咲き始めました。
サクラソウ:桜草(サクラソウ科サクラソウ属)北海道、本州、九州及びアジア東北部に原産、山野の湿地に生える多年草で、江戸中期ごろから園芸化が始まり多数の品種が作られ、いまなお各地に熱心な愛好者がいます。
サクラソウ属は欧米ではプリムラ・マラコイデスとかプリムラ・ポリアンサなどに見られる派手でけばけばしい色と形に改良されて来たのに対し、わが国では、あくまでも原種のよさを生かす形で品種改良がなされてきました。珍しく屋内で撮ったこの写真は「紫式部」の銘がある品種ですが、ご覧のとおり清楚で上品なすがたです。
サクラソウの花は正面から見たとき、筒の中に虫ピンのような頭が見えて、雄蕊は筒の中ほどについている長花柱花(ピン型)と、5個の葯が放射状に並んでいて、こちらは雌蕊の短い短花柱花(スラム型)との2タイプの花が別々の株につきます。送粉者であるマルハナバチが異なる株に移りながらサクラソウの同花受粉の回避を手伝っているのです。その上異なった株でも、同タイプ同士では仮に受粉しても結実しない生理的システムがあり、健全な種の保全のためにに二重の仕掛けを備えているとのことです。
昔は荒川流域に多数あったという自生地が極めて少なくなり浦和市の田島が原が特別天然記念物に指定されていると聞きます。複雑な受粉システムと特定の送粉者の行動に頼ってきたサクラソウですが、マルハナバチの減少という時代の変化につれて、遺伝的に健全な子孫を残そうという仕組みが、反って絶滅への道をたどるという皮肉な状況です。
(普通の園芸では、株分けで繁殖します)
サクラソウ:桜草(サクラソウ科サクラソウ属)北海道、本州、九州及びアジア東北部に原産、山野の湿地に生える多年草で、江戸中期ごろから園芸化が始まり多数の品種が作られ、いまなお各地に熱心な愛好者がいます。
サクラソウ属は欧米ではプリムラ・マラコイデスとかプリムラ・ポリアンサなどに見られる派手でけばけばしい色と形に改良されて来たのに対し、わが国では、あくまでも原種のよさを生かす形で品種改良がなされてきました。珍しく屋内で撮ったこの写真は「紫式部」の銘がある品種ですが、ご覧のとおり清楚で上品なすがたです。
サクラソウの花は正面から見たとき、筒の中に虫ピンのような頭が見えて、雄蕊は筒の中ほどについている長花柱花(ピン型)と、5個の葯が放射状に並んでいて、こちらは雌蕊の短い短花柱花(スラム型)との2タイプの花が別々の株につきます。送粉者であるマルハナバチが異なる株に移りながらサクラソウの同花受粉の回避を手伝っているのです。その上異なった株でも、同タイプ同士では仮に受粉しても結実しない生理的システムがあり、健全な種の保全のためにに二重の仕掛けを備えているとのことです。
昔は荒川流域に多数あったという自生地が極めて少なくなり浦和市の田島が原が特別天然記念物に指定されていると聞きます。複雑な受粉システムと特定の送粉者の行動に頼ってきたサクラソウですが、マルハナバチの減少という時代の変化につれて、遺伝的に健全な子孫を残そうという仕組みが、反って絶滅への道をたどるという皮肉な状況です。
(普通の園芸では、株分けで繁殖します)