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樹皮の内皮が鮮やかな黄色であることからこの名があるキハダ:黄膚(ミカン科キハダ属)は、奈良大峰山の伝統的な和薬陀羅尼助の原料として有名です。
日本全土に広く産する高さ20mにもなる落葉高木で、長さ20~40cmの奇数羽状複葉の葉を対生します。雌雄別株で、5~7月、枝先に円錐花序をだし、小さな黄緑色の花を多数つけます。
9~10月に黒く熟す果実は、核果で直径約1cm、中には5~6個の核が入っています。
有名な陀羅尼助は、役の行者が大峰山で修行する修験者の持薬として、このキハダの皮を煎じて飴状に仕上げた薬を用いたものを授けのたのが始まりと伝えられています。
キハダの樹皮の黄色はアルカロイドであるベルベレンという成分で、極めて苦味に富み、健胃、吐瀉剤のほか赤痢、チフスなどに対する抗菌作用が知られています。
腹痛一切、眼病、打ち身、筋違いなど万病に効く妙薬として売られてきた陀羅尼助ですが、今では薬事法の規制で、胃腸専門の薬に限定して扱われてているそうです。